これで一世紀はイジラれるだろう。選手村でフランスが用意した食事に不満を持ったイギリス選手団が本国からシェフを呼び寄せたと云う話が、一部地域で大ウケしている。味がどうこう以前に肉や卵が兎に角少ないらしい。美食の国の面目を事も有ろうにイギリスに潰されたのであるから、ひねたユーモアを好むジョンブルには格好のネタであろう。両国の関係は部外者には窺い知れない程に複雑である。著名な百年戦争も、フランス貴族を祖とするプランタジネット朝とカペー朝のフランス域内の領土の奪い合いの様なものである。諸侯同士が婚姻でややこしく繋がっているからこそ起こるイザコザなのだが、身内の喧嘩にしか見えない。近代国家の成立によってそう云う訳の分からない争いは無くなってはいるものの、お互いをこき下ろす情報戦はまだまだ健在である。千年以上もドンパチやってた事から考えれば平和なものであり、敵対心を笑いで包むのも人類の知恵なのである。