時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

シリアについて

2013-04-14 23:01:57 | リビア・ウクライナ・南米・中東
奇しくも今日の朝日新聞の国際面は北朝鮮、ベトナム、シリアと
社会主義国をバッシングする内容で埋められていた。

あまり知られていない事実だが、シリアは社会主義国である。
もっとも、あまり財政がよろしくないことと内戦状態であることから、
リビアと違って強力な社会保障は敷かれていないようだ。「たぶん」。
(「たぶん」と書いたのは日本にとって都合の悪い事実は入手しづらく、
  もしかするとシリアでも同様のシステムが確立されているかもしれないから)


朝日新聞の記事は、反体制派代表組織の駐米代表
取材したもので、国連代表資格を取得を目指す意気込みと「内戦には
過激派組織が加わっていることを認めた上で、穏健派を伸長させたい
との意向を示した」(原文ママ)と書かれている。

シリアはパレスチナを支援しているために
「テロ支援国家」と言われているのだが、
アメリカや日本はテロ支援国家じゃないのか?

朝日新聞はテロ支援をしてはいないか?こんな後でどうとでも出来る発言を文字に残し、
クリーンなイメージを吹聴する朝日新聞は、事実上のテロ支援を行ってはいないか?

「過激派組織が加わっている」どころか、そういう奴らがメインじゃないのか?
テロとの戦いとかほざいてアフガンとイラクを攻撃したアメリカは
どこに行ったのか?

ベネズエラ、イラン、キューバ、リビア、シリア、そして北朝鮮。
何だかんだで反米国家は社会主義国家だ。

東欧崩壊やソ連解体で「マルクスは終わったんだ!共産主義なんて
暴力そのものの地獄の世界なんだ!」とあれだけ喧伝したにも関わらず、
世界を視点にしてみてみると今でも反米=社会・共産主義なのである。

アメリカや日本に逆らうテロは極悪人になるが、
社会主義政権を崩壊させようとするテロは良き友人になる。

こういう卑劣な報道がある限り、朝日は反共左翼から脱しきれないだろう。
(反共左翼とは、基本的には左翼だが、本質的には反共なので、
 肝心な時に保守派とつるんで虐げる側に転じる輩のこと)

私は共産主義者ではないけれど、どうも日本の報道、
更に言えば現在の政治学や経済学はアメリカからの輸入物で、
先進国側からの視点で語られているような気がしてならない。

彼らのほとんどはアフガン・イラク戦争を支持したし、
リビア空爆、北朝鮮へのアメリカの威嚇を正当化している。
シリアに至ってはテロリストを称賛しているのだ。

そういうわけなので、できる限り途上国の側に立って
物事を考えるつもりなのだが、現在の途上国や弱国、
反米主義国のほとんどが社会主義国家なので、どうしても
反共主義には徹底して抗うスタイルをとらざるを得ない。

戦前の日本は治安維持法に代表されるように
徹底した反共主義国家だった。ロシア革命の際に
もっとも長くロシアに派兵し干渉戦争を続けたのは日本だ。

こういう反共イデオロギーは天皇制によって補強されていたが、
戦後の冷戦体制にあってもなお解決されず現在でも残存している。

第3世界を視野に入れれば、第1世界(欧米諸国)での
共産主義体制の崩壊など取るに足らない出来事であり
いまだに世界では反米=社会主義政権が抗っているのだ。

むしろ冷戦が終結したことで、日本はいよいよ
反共主義に磨きがかかって、リビアやイラン、北朝鮮などの
反米主義国への武力の威嚇、経済制裁に何ら呵責もなく
積極的に、嬉々として誰もが心から正義と信じて加担してはいないか?

そう思えてならないのである。

最近の北朝鮮の報道について

2013-04-14 21:32:19 | 北朝鮮
そいつがモグリかどうかを見分ける簡単な方法として、
朝日新聞を左翼とみるかどうかというのがあると思います。

現代史を学ぶと、はっきり言って昔っから朝日新聞は
左翼なんかじゃないということは明らかでしょう。

まー、それはともかく今日の記事は、
いくらなんでも仕事しなさすぎじゃないでしょうか。

挑発と対話姿勢を繰り返しながら時間を稼ぎ、核開発をひそかに進める。
12日に朝日新聞の取材に応じた米国安全保障会議の
ゲーリー・セイモア前調査官は、オバマ政権の一員として
そんな北朝鮮と向き合ってきた。


ひそかに進めてんなら、わざわざ外部に漏れるような
実験をするわけねーじゃねーかと思うのですが。

日本のように平和的利用と言いながら原発を量産しているはずです。

原発の仕組みは原爆と同じで、両者は核分裂のスピードが遅いか速いかの
違いしかなく、しかも日本の原発はアメリカの原子力潜水艦の技術
を流用させたものですから、言ってみれば日本の原発は
事実上の核兵器と言えるでしょう。

原発の発電の際にプルトニウムという核兵器の原料が生み出されるのですが、
現在の日本では原爆5000発(5千だよ!)分を超える分量が蓄えられています。

どう考えたって「ひそかに」核兵器を用意しているのは
日本のほうなんじゃないかと思うのですけれど……?

だいたい、この記事は核を廃絶させるなんて言いながら
自国の核兵器は一向に減らさないし、アフガンへの派兵は増やすし
リビアに空爆するわで、おもいっきり侵略国家まっしぐらのオバマ政権に
対してのおべんちゃらにまみれていて、アメリカにお金でももらったのかと
疑ってしまいそうになります。

発射直後は「事実上のミサイル」と表現していたのに、
今日の記事でははっきりと弾道ミサイルと表現されていました。

朝日新聞の表記に倣えば、原発も「事実上の核兵器」から
核兵器へとランクアップされそうです。

私はこのサイトでも何度も、あのNASAですら人工衛星を載せたロケットだと
認めたのに、どうしてミサイルということにしたがるんだと主張していますが、
この調子だと向こうの国で作るものは何でもかんでも物騒なものにされそうです。

いずれ、北朝鮮原産の包丁なんかも、現地の刀剣ということで紹介され、
北朝鮮の民衆はついに個々に武装する時代になったとかほざきそうです。

最後に、よそのサイト様で私が述べたコメントを転載しますが、
これは今の北朝鮮が本当に自国の安全に対して危機感を感じている
ことが伝わってくると思いますので、ぜひぜひお読み下さいませ。

いつも楽しみに読んでいます。

私も日本の報道や言論はあまりにも
北朝鮮のリアルを捉えていないのではないかと考えています。

3月11日以来、アメリカと韓国は北朝鮮の領海近くで軍事演習をしています。

これは、予算にして
韓国の1年分の軍事費に相当し、
米軍約1万3,500人、
韓国軍約21万人が動員され、
世界最高水準の戦闘能力を有するとされる
F22ステルス戦闘機とB52爆撃機、
原子力潜水艦「シャイアン」が投入され、
イギリスやオーストラリアといった朝鮮戦争時に
「国連軍」として参加した国の軍隊も
加わっている「防衛訓練」とは
言いがたいものです。


冷静に考えれば、日本が沖縄や対馬の近くでこんなことをされたら
どう感じるかイメージできるはず
なのに、なぜか日本のメディアも知識人も言及しません。

私も別に北朝鮮に義理があるわけじゃありませんが、
あまりにも平和や人権を語る文化人たちの態度が卑劣ですし、
本当に北朝鮮の非軍事化を考えているのならばまずこの軍事演習を中止させなければ、
現実的にも解決の目処が立たないんじゃないかと思います。