ブルーシャムロック

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Ameto どんよりした日_3

2014-10-09 05:28:28 | 逆襲の藤隆
「xx くん、来てくれたんだね。家内が君を呼ぶなとか言っていたから
君は呼ばなかったけれども。」
出来杉英才博士が配偶者と結婚した結婚式の bouquet トスの時、会々通りかかった男に
出来杉が声を上げた。
「おめでとう。まあ君にはお似合いだね。君と君の奥さんを取り合った中だけれども
君がふさわしいと思って、僕は引いた。」
男にとって、過去すごく愛した女性らしいけれども、現在はもう眼中にはないようで、
男は出来杉の方ばかり見ていた。
「ずっと昔から、人間を向上させて欲しい、今のままでは駄目だと言い続けてきたけれども
君も進む道を見つけたんだね。」
出来杉は有頂天で言う。
「大道寺財閥と共同研究した exam system ってあれってどの位までうまくいっているのかな
僕のような凡人には分からないけどもね。」
男の目には何か疑りぶかそうなものがあった。
「そうだね。まあ人の役に立つのであるならば進めたいと思っているよ。」
なにやら、出来杉自体、研究がうまくいっていないものを匿しているような表情をしている。
「君のことだ。まあうまくいくようにも思えるな。」
男は彼を睨んだ。
「君も、自分の信じた道を進んでね。」
出来杉は去っていった男にそう云った。
「出来杉君、まあがんばんなよ。」
男は軽口を言って去った。昔のような出来杉への嫉妬はなく余裕な感じだった。
「英才さん、彼はもうあなたと私が知っているあの人じゃない。どこかで違った道を進もうとする
信念を持っている。その彼の信念の元、私も命を落とすしあなたも命を落とす。」
そばで聞いていた出来杉の配偶者が口を開いた。
「なんでそんなことをいえるんだ。」
出来杉は取り乱した
「取り乱せば取り乱すほど、あなたを追い詰めたいと彼は思うの。彼だけではなくて
みな、あなたを追い詰めたいと思っている。」
配偶者の表情は覺めていた。
「じゃあ、僕は何だというのだ。自分の力を信じてやってきたのに。」
出来杉は、駭く。
「あなたはその巨大な力に不知不識酔いしれている。その力が人を恐れさせるの。それに・・。」
配偶者はそう答える。
「もういうな。なんで僕の事ばかり。」
彼は頭を抱えた。
「ある人は言うわ。あなたという人間は歴史を元に戻すために歴史の神が遣わした
刺客なのだと。その刺客であることに気づいたのがあなたを狙っている男。
もしかしたら、私と結婚して幸せな家庭を築いたかもしれない男。
彼は私を選んだ事によって作用される、刺客であるあなたが生き続ける世界
ソレが許せなかったのでは。私を選ぶか、あなたを追い詰めて道連れにする世界がイイかと」
配偶者は経に冷静であった。
「そんな恐ろしいことを彼は考えていたなんて。彼は心優しい男でソレは出来ないはずだが。」
出来杉は言う。
「英才さん。あなたはやはり融通が利かない男ね。自らの物語によってあなたは滅びる。」
悲しい男を見てしまった配偶者の顏は悲しいと出木杉は思っていたが、
配偶者は惘れていた。
「英才さん。彼は巨大な力を持つあなたに血みどろの戦いを挑む山岡士郎や範馬刃牙には
なれないし、キシリア・ザビにもなれないでしょう。しかし、顏の分からない沢山のブドリや
ネリの為に殉じるグスコーブドリにでもなろうとしているのかも。
彼は不器用だから、私を捨て、無理と感じたときにソレを感じたのかもしれない。
はたして、彼はあなたのように活字の本を読まない彼だから、どこまでソレを感じたのかも
私には分からないけれどもね。」
出来杉は配偶者の辞に絶句していた。
出来杉も彼を狙っている男も両方とも危ういとは思って居たが、配偶者は彼を選択した
自分を達観していた。
「ねぇ。xx さん(狙っている男)、これでいいわね。」
配偶者は窓の外を見ていた。
つづく
コメント
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