「誰だと思った。残念でした。バーミリオンでした。」
女性の目をふさいだ同じくらいの年齢の男性、バーミリオンは言う。
「もうふざけないでよ。私を追ってきたんじゃないの。」
女性は、表情は変えなかったけれども、些か意地悪そうだった。
「まあね。」
バーミリオンは気の抜けた声を出した。
ここは、神奈川県と山梨県の県境にあるかきくけ湖で、
新春寒中水泳大会が行われていた。
女性の名前は平賀知世。
彼は恋人の浅岡蓮次と共に、友人が寒中水泳大会に来ているのを見てきた。
「やはり、浩一郎君が躁いでいるのが見えるよ。やはり彼は冬でも元気だ。」
蓮次は苦笑する。
浩一郎君の後ろから泳いでくるのが、恋人の柿沼萌美という名前らしい。
そんな男女を見ながら、知世は言う。
「私は現在湖で泳いでいる浩一郎君や萌美ちゃんみたく自分も幸せになって
自分も幸せになるように生きたい。」
と蓮次とバーミリオンの顔を見て言う。
「それは僕も、バーミリオンも浩一郎君も萌美ちゃんも望んでいることだよ。」
と蓮次君も言う。知世には13歳の時から知り合いだからだ。
冬の曇った日、皆寒そうに湖から出てくる。
おわり
女性の目をふさいだ同じくらいの年齢の男性、バーミリオンは言う。
「もうふざけないでよ。私を追ってきたんじゃないの。」
女性は、表情は変えなかったけれども、些か意地悪そうだった。
「まあね。」
バーミリオンは気の抜けた声を出した。
ここは、神奈川県と山梨県の県境にあるかきくけ湖で、
新春寒中水泳大会が行われていた。
女性の名前は平賀知世。
彼は恋人の浅岡蓮次と共に、友人が寒中水泳大会に来ているのを見てきた。
「やはり、浩一郎君が躁いでいるのが見えるよ。やはり彼は冬でも元気だ。」
蓮次は苦笑する。
浩一郎君の後ろから泳いでくるのが、恋人の柿沼萌美という名前らしい。
そんな男女を見ながら、知世は言う。
「私は現在湖で泳いでいる浩一郎君や萌美ちゃんみたく自分も幸せになって
自分も幸せになるように生きたい。」
と蓮次とバーミリオンの顔を見て言う。
「それは僕も、バーミリオンも浩一郎君も萌美ちゃんも望んでいることだよ。」
と蓮次君も言う。知世には13歳の時から知り合いだからだ。
冬の曇った日、皆寒そうに湖から出てくる。
おわり