ブルーシャムロック

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奄美と下町

2014-10-12 16:18:25 | 信・どんど晴れ
「疲れた。」
現在私は現在住んでいる神奈川県の釜利谷駅に向かう電車に乗っている。
ついさっきまで浅草深川などの下町という場所に赴いていた。
実を言うと私一人だ。
ルームメイトの横手淡雪が熱烈に反対した。
「あんな東北の人間が傷をなめ合うような場所は行きたくない。」
あまりにも猛烈なので私は何も言えなかった。
私にとって、下町はあこがれの土地だった。
冷徹な関東という都会にあって、人情のある場所というイメージがあって
是非とも足を運びたいと思って居た。
しかし、東北は秋田出身の横手淡雪は、あの土地をすごく拒否していた。
「私が大船の學校を受験したのは、下町や上野駅の馴れ合いの空気から遁れたいからよ。
人情なんて有るわけがない。」
彼女の下町に対する憎々しげな表情に対して同じルームメイトである
石川県出身高槻久留実は、
「石川県の人間も伝統的に上野駅のヘビーユーザーだけれども、其処まで拘りが
ないけど、東北の人間に対してはあそこに執ってしまうから仕方がない。」
と言っていた。
浅草の方に向かう電車に乗っている私は何も考えていなかった。
でも、関西に住む親戚がやたらと關東には東北の人間が多いからお前に合わない
と言われた。
しかし、事実東北出身者と同じルームメイトだ。そこら辺は大丈夫だ。
その彼女も、東北以外のclassmateとの関係を楽しんでいる。
だから、親戚の事は現在は忘れている。
結論を言おう。
下町は楽しかった。だけれども、ルームメイトが嫌悪した下町の現実を見てしまった。
関西弁風のなまりの人を冷たくする一方で、いわゆるzuhzuh弁の人を優しく
見ている店員を見た。彼も東北のどこかの人だったらしく、
「是の土地は東北の人間には住みやすい。」
という。
まるで関西・大阪に
「是の土地は奄美人には住みやすい。」
と言っている親戚を思い出す。
上野駅にある集団就職に対するレリーフは、上野駅を利用した東北出身者をモチーフにし
ていると言うらしい。
関西・大阪に執る奄美人
上野駅周辺・下町に安らぎを持つ東北の人
自分は、それがもしかしたら、別な人においしいものを奪られているし、
受け入れ先も、そこに停まる人に固執して解決の手段にしていく。
横手淡雪もソレをストレートに感じているのだろう。
中吊り広告を眺めると、
シーサーが描かれた沖縄の広告、
又反対側を見ると芋焼酎の広告が見える。
やっぱりだ。
それと高槻久留実の言葉も
「私は上野駅も、其処に向かう電車も道具であるべきだ。
私や私が生まれ育った土地でそう考えられているだけれども。」
という。
やはりイメージと現実は違うのかもしれない。
電車のアナウンスが釜利谷駅を告げている。
おわり
コメント
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