ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

黄金を手にする者_3

2014-10-25 17:28:17 | 信・どんど晴れ
「遅ればせながら鳥井信治郎のドラマ再放送ではまっているよ。」
fm ラジオ局のパーソナリティを務める東岡麗美は、
後輩の同じくパーソナリティを務める宇品は
「へぇ。あのドラマの構図であるならば、シャープの社長と
松下幸之助の対立を描けますね。」
という。
「うん。まあ話題になっているから、ゲストの人との話を合わせるためにモネ。」
宇品は一瞬考える。
何日の時代の話か。第 1 話で出てきた松井達男が福岡に赴いた時代である。
「なるほどね。私たちが知っている世界の外では、竹鶴政孝が主人公で鳥井信治郎が
悪役という物語が成立していそうですね。」
また宇品が口を開いた。
「誰かが言っていたけれども、黄金を手にする者は、善にも悪にもなるのだ。」
麗美は言う。
「黄金は誰のためではない。おおやけのものだという物語もありんすね。」
宇品は乾いた笑いを含めた。
「まあそうかもしれない。そういえば私の番組で招いた映画プロデューサーが言っていた。」
麗美だって乾いた笑い。
「黄金に近づき、そしてどう触れるかの物語はつきないですね。」
くすっ笑う宇品。
つづく
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする