ブルーシャムロック

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黄金を手にする者_4

2014-10-26 05:44:54 | 信・どんど晴れ
「先輩、先日の私の番組を聴いていましたか?」
宇品は、先輩の東岡麗美に尋ねる。
「聴いてた。聴いてた。ゲストは作家の風間龍氏だったよね。
彼が司会を務めるビジネスチャンネルの人気番組のことを
話していた。」
大きな紙コップにはいっていた紅茶を口にして後輩の話に
耳を傾ける麗美。
「そのなかで龍氏が、ル・ヴィサージュの社長である
橘恵美子さんという人を招いたときに、彼女がオフレコで
話したことを聴いていましたか?」
宇品は、コーヒーを口にしながら、些か神妙な顏をした。
ここは、久良岐駅の喫茶スペースである。
歩道橋も近く、結構な人に声が聴こえる。
「実は、ル・ヴィサージュは、朝倉さんというオーナーがやっていた
個人商店だったらしいけれども、橘さんが、社長に就任したとき
当時のオーナーが脳梗塞で倒れた時に、途方に暮れていた娘さんに
請われて、乗っ取ったらしい。現在その娘さんは
ル・ヴィサージュの製菓部門の主任をやっているらしい。」
と話した。
「ル・ヴィサージュって元町にあるケーキ屋さんだったよね。
私の番組でゲストに呼んだ、玉置義智という人が社長を務める
會社が、結構出資ししているみたいで、イタリア製の素材を
ふんだんに使っているみたいだよね。」
麗美は紅茶を口に含みながらそう答える。
「個人商店の時代のル・ヴィサージュの方が美味しかった
という、話も聞きますが。」
宇品がそう話を返す。
「私、ル・ヴィサージュは、予測だけれども娘さんは
製菓学校とか出てなかったのかもしれない。
だから、橘さんに、乗っ取らせたのかなぁ。」
と麗美は尤もらしいことを言う。
宇品と麗美
2人は顔を見合わす。
つづく
コメント
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