六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

浸(つ)かる前に浸(ひた)る

2021-05-05 23:39:41 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(参)
都内あちこち、銭湯へと向かう道すがら
立川市、荒川区、そして千代田区の「梅の湯」にて【東京都】


2020(令和2)年・夏、
ウイルスは暑さに弱いといわれていたが、
一向にそんな気配はない。

これではさすがに、登山と称しても
地方へ出かけるのは、はばかられる。

では、どこか近場、都内に
面白そうな場所はないかと
インターネットや書物を見ていたら、
どうにも気になる銭湯の情報に出会った。

それが都内にある3つの「梅の湯」だ。

最近は「銭湯登山」と勝手に銘打ち足を運ぶ身、
そこで、いささかこじつけ気味ではあるが
山、もしくは山らしき地点を起点に
各梅の湯がゴールとなる3つのコースをこさえてみた。

本格的な登山とは違い、コース上に危険箇所は皆無。
よって道中は、いろいろと思いも頭をよぎり、
ひとりニヤけたり、つぶやいたりすることもしばしば。

ウイルス対策用のマスクをしていなければ、
かなり変なおっさん、いやジィさんである。

それはともかく、夏の1日、
正確には日を分けて3日間、では出発進行。


●1日目。思い出すのは「きっかけ」だった。
~京王線・平山城址公園駅から
          多摩動物公園の裏を通って立川の「梅の湯」へ~
コースは日野市のウォーキングマップにある
「かたらいの路」がベースとなる。

普通の山道であれば、耳にするのは鳥のさえずりや風の音。
一方、このルートは動物園に沿ってとなるため、
動物の雄叫びをBGMに歩く道だ。


         

声が遠ざかると、そこは高幡不動尊。ここでひと休み。
実はこの周辺は、卒業した母校が近所だったこともあり
大昔の学生時代は、夜な夜な居酒屋で飲んで、
酔って千鳥足ウォーク、幾度となく、
ふらふらと徘徊した場所でもある。

当時は、大層立派な道と原っぱばかり。
せっかく上京したのに、随分と田舎だなと驚きつつ
学校へと通ったものだが、今日はその都会化ぶりにびっくりだ。

変わったな、懐かしいなとぼんやりしていたら、
いきなり登山を始めたきっかけを思い出した。

山との出会いは、大学で入ったクラブからだった。
当時、目標としていたキャンパスライフは、
高校が男子校だったこともあり、
願わくば女子もわんさかの
サークルにでも入り、華やいだ雰囲気。
が、現実に待ち受けていたのは、
山登りクラブの勧誘だった。

最初は「いや結構」と断ったものの、2度3度と会ううちに
「まあ立ち話も何だから一緒に食事でも」となり、
いつの間にやら新入部員となってしまった。

どこか渡世人のような一宿一飯の恩義が、
山とつき合うきっかけだった。だが同じ時期に入部したのは、
高校時代は山岳部出身で国体にも参加したとやら、
趣味でアルプスを登っていたなど猛者ばかり。

片やこちらは、体力も根性もないズブの素人である。
そのため合宿も先輩方と一緒に登った個人的な山登りでも、
とにかく足を引っ張ってしまった。これは引き際が肝心である。

しかし「辞めます」といい出せないうちに、
次の合宿が始まる。あっという間に上級生にもなる。
そして気がつけば卒業だ。

社会へ出たら、なぜかアウトドアが趣味の人と
仕事をする機会が多く、
週末は学生時代以上にせっせと山登りである。
そうなると、いつしか山も趣味となり
そして今でも、山へ出かけている。

何ごとも塞翁が馬ですかな。おっと、休み過ぎたかな。
それでは行動再開、ゴー立川の「梅の湯」だ。

●お風呂ガイド「梅の湯(立川市)」
お風呂でいい気分、出たらコーヒー牛乳でもかたわらに、
読書三昧。こちらの「梅の湯」は銭湯であり、マンガ図書
 館でもある。よって長居必至、湯冷めに注意、かも。



●2日目。時間は昼時、頭に去来したのは「食べること」。
 ~十条富士塚より飛鳥山を経由して荒川区の「梅の湯」へと~

今回の出発地点は、都内に点在する富士山を模した富士塚のひとつで
JR東十条駅にも近い「十条富士塚」となる。

出かけてみると工事中で“入山禁止”となっていた。
出鼻を挫かれた格好だが、ここは山登りの鉄則でもある
心と体力に余裕を持った行動だ。
ガツガツしないでまた今度。先へと進もう。

次なる目的地は、未公認ながらも
東京都の最低山を主張する「飛鳥山(25.4m)」だ。

         

飛鳥山に着いたのはちょうど昼時。
立派な山名表示の前で大休止していたら、腹減ったである。
ランチは何を食べようかと一考していたら、
山を始めてからの胃袋の歴史も思い出された。

大学で山のクラブに入るまでは、
成人男子とすれば、かなり小食な部類だった。

ところ入部したクラブには、不思議な伝統というのか
食後のもうお腹いっぱいというタイミングで
下級生にはデザートとして飯ごうが一人1個あてがわれる。

中身は、当たり前だが銀シャリである。
飯ごう1個で炊けるご飯は大体4合。
まるまるではないが、程よく詰まっている。

これが「飯ごう整理」。目的は中身のご飯を平らげること。
さすが昨今はなくなったようだが
あれば、理不尽だ、何とかハラスメントだと、
非難されること間違いなしの儀式だ。

しかし人間の身体は凄いのひと言。
最初は全く食べることができないが、しばらくすると
胃は鍛えられたのか、飯ごうを空っぽにすることができる
アイアンストマックへとバージョンアップするのである。

そうなると困るのは懐具合。3度の食事で
強靭な胃袋を満足させるためには、
食費の大幅アップを余儀なくされる。したがって
財布はいつも超軽量薄型、中身なしの空っぽ状態だ。

加えて食事中は会話なし、黙々と食べる。
コロナ禍の今は、これも感染対策には良しだが、
やはり食事は、適度な会話も味の引き立て役。
さらに食べる速度も速いので、
人とご馳走さまのタイミングも合わなくなった。

社会へ出て、月日とともに食事中は話も楽しむし、
ゆっくりも食べるようにはなった。
ただ量は引き続きで、いい歳こいてよく食べる。
“燃費の悪い”ボディは、そのままだ。

泣く子と地頭、そして鳴く腹には勝てぬもの。
では仕方ない、美味を求めて行動再開。
食後は、めざせ「梅の湯」である。

●お風呂ガイド「梅の湯(荒川区)」
スタイリッシュな雰囲気漂う銭湯で、心と身体の垢を落と
してリフレッシュ。そうそうこちらの梅の湯には土産に好
 適、自宅でも極楽気分をと「オリジナル入浴剤」もある。
  
     


●3日目。用具眺めて、思い出すのは「嗚呼痒い」。
~柳森神社の富士塚跡、ペンキ絵発祥の地、専門店を巡り、
              ゴールは千代田区の「梅の湯」~
皮切りは、千代田区で唯一残るとされる富士塚跡だ。
場所はJR「秋葉原」駅にも近い柳森神社の境内で、
あるのは案内板とわずかな石積みのみ。

ここは想像力を駆使して。目の前には低くそびえる
スモール富士山があると思って。
登ったつもりでヤッホ~、そして無事下山だ。

                

お次は、関東の銭湯の浴室壁面では定番
「富士山のペンキ絵」発祥の地である「キカイ湯」跡へ。

こちらも案内プレートのみ。よって再度、想像力にご登場願って
バーチャル入浴。湯舟から富士山の絵を見たつもりになり、
無事におしまい。

  

想像力で頭を使った後は、リアルさを求めて神保町へ。
神保町といえば本の街であり、
スポーツ・山道具の店が軒を並べるエリアであることは、
どなたもご存じの通り。

そこで近頃の装備について勉強というのか、
冷やかしに歩いてみることにする。
店舗に入り、まずはと手に取ったのが雨具だった。
ん、雨具といえば。ここで痒い体験を思い出す。

日本の山を泊まりがけで歩けば、雨に見舞われ、1日中雨具着用で
行動することも珍しくない。登山を始めてしばらくは、特に装備は
持参していれば良しとのスタンスだったので、雨具の具合も今ひとつ。

そんな雨具を身につけると、閉口したのは蒸れだった。
上半身はまだ我慢できるが下半身、特にパンツ、
いや昨今はアンダーウェアと称したほうが良いのか、
とにかく股間を覆う1枚が濡れると、途端に気持ちが沈んでくる。

日帰りなら気持ちだけだが、長期の山行ともなると
私の場合は、物理的な困ったも発生してくる。
原因は、恥ずかしいので難しい表現を使って「股部白癬」。
症状は猛烈に痒くなるのである。

対策として、雨具と下着は蒸れにくい一品を探し求めた。
そして薬もあれこれ数多く試してみた。
そして、巡り逢ったのが漢方の一品だ。

中国・後漢時代の名医の名前を拝したこのお薬、
彼の地ではポピュラーな水虫治療薬だそうだが、
それなら股ぐらにも効くだろうと塗りまくった。

体質に合っていたのか、これが効果てきめん。
装備との相乗効果で、痒い地獄からはついに脱出である。

おっと雨具から飛んだビロウ話になってしまった。
おまけに、すでに完治したはずなのに、股間にも痒みが‥。

ここは、そろそろウィンドーショッピングは切り上げて、
今日の行動のフィニッシュの地である「梅の湯」へと急ごう。

●お風呂ガイド「梅の湯(千代田区)」
マンションの1階部にあり、聞くところによると、こちら
は皇居を走る方々の秘密基地的存在とか。今日はランでは
ないが良湯満喫「お風呂、いただきます」だ。

日本各地に同名ながら趣の異なる名峰として駒ヶ岳がある。
そして東京の街には、浸かって満足、素敵な時間を過ごせる
同名の山ならぬ銭湯「梅の湯」が点在しているようだ。


~ブログにアップしたと思っていたら忘れていた。
    そこで今頃、2020(令和2)年の夏の歩きを記す〜

沈黙と鎮魂の春に

2020-04-18 23:37:20 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(弐)
まだ「非常事態宣言」が
 発せられる前に
入生田(いりうだ)~石垣山城~小田原城~中嶋湯【神奈川県小田原市】

   

仕事の大失敗から立ち直れそうかなと思った矢先に
後ろからガツンとCOVID-19(新型コロナウイルス)
パンチをくらってダウン寸前。

昔からかなり楽天的な性格であるが、
さすがに今回はどうしたもんだかと、
ぼんやり感じていたある日、
駅のトイレで知らぬ同士が横並び、
山用語なら“小キジ”の最中に、
突然ある言葉が頭に浮かんだ。

言葉とは「関東の連れ小便」と「小田原評定」。
ルーツは確か戦国の世、豊臣VS北条の一戦。

先の言葉は勝者である秀吉が徳川家康と
北条攻めの前線基地で、眼下の小田原城に向かい
二人並んでだったかと。

一方、後の言葉は敗れた北条氏。
結論は出ず、ただ時間だけが過ぎてゆくと、
あまり好ましくない状況を表している。
どうにも敗者は、言葉も分が悪いようだ。

出してスッキリ、片や出ずに悶々。
妙に気になってきた。おまけの言葉の生まれた
小田原市内に銭湯はオンリー一軒。
こちらもお湯だけに興味もわいてきた。

ならば仕事での努力は引き続きだが、
結果は神のみぞ知る、いやゆだねて。

以前に岐阜で歩いた「銭湯」登山の
第2弾として訪ねてみることにする。

まずはスッキリの場所である石垣山城へ。

最寄駅「入生田(いりうだ)」に降り立つ。
新型ウイルスの影響で閉館中の駅前施設の脇を通り、
山道へ。今年は本のタイトルではないが沈黙の春。
天気が良いだけに、人気なしの静けさは
余計に異常な雰囲気がする。

黙々と歩を進めると、ようやく人の気配、
その先に石垣山城の入口があった。


           

展望スペースに立つ。静かな海が広がっていた。
9年前は大地震で海の、津波の恐ろしさを
思い知らされたのも3月。しばし黙祷である。

そして秀吉になった気分で市内に目をやると、
小田原城は、もう目と鼻の先。
勝利も時間の問題と、秀吉&家康の小キジタイムは、
さぞや爽快だったことだろう。では私もと、
もちろん“エア”、ポーズだけ取ってみる。

続いては悶々の場所へ。
石垣山城を後にスタコラ、小田原城へと歩く。

      

到着後、さっそく天守閣へ登って、
ルック石垣山城方面。現存する小田原城の天守閣は、
当時とは場所も形も異なるようだが、
それにしても至近距離だ。

おまけに石垣山城は、関東では初の石垣プラス天守台と
立派なお城。さらに別名「一夜城」と、あっという間に
築城されというから、北条方にとってはまさに忽然と
現れた敵方のお城。さぞや肝を潰したことだろう。

同時に時代の潮流というのか、
勢いを目のあたりにして、
もはやこれまでかとなりそうだ。

もし、もっと開戦初期に石垣山城が登場していれば、
小田原評定なる言葉も生まれず、あっさり白旗と
なっていたのかもしれない。

これでスッキリ&悶々の地を訪ねる目的は
果たした。残すはゴールとなる“ポツンと一軒家”
市内に残るラスト銭湯「中嶋湯」だ。


こちらも時代という荒波にもまれて
孤軍奮闘である。しかし波とは、無理に抗えば
溺れるが、上手に利用すればサーフィンのごとく
楽しむこともできる。

中嶋湯も、うまく波に乗ることを願いつつ、
今回の旅のフィナーレ、それでは
お風呂をいただきますだ。

急逝した大物コメディアンの後釜を狙うのは
永田町の皆様か。そんな悪態もつきたくなるような
「今回の疫病対策に和牛や魚の商品券配布」と
唖然のち苦笑の報道も耳にする春の1日、
あえて名づけるなら「勝ちはスッキリ、負けは悶々、
そして締めはお湯につかってさっぱり」コース、
無事に完歩し帰途につく。


〜2020(令和2)年
    COVID-19もそろそろ終息かなと
      気の緩んだ3月のある晴れた日に歩く~

えっ、そうだったの

2019-12-28 22:42:45 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(壱)
キレットで腰振って、
 おいといください⁇
岐阜城~正法寺・岐阜大仏~のはら湯【岐阜県】

 

           

山へ出かけて、ひと風呂といえば温泉、鉱泉が、
まあ普通である。しかし、この夏、実に久しぶりに
マチナカの銭湯を利用する機会があり、
以来焚いたお風呂でのいい湯だな体験も
独特の魅力があるなと思えるようになってきた。

だったら日本のあっちこっちで
最初は軽く登山、もしくは登山もどき、
そしてゴールは各地・地元のワンコイン、
昔ながらの裸の社交場である銭湯につかるのも面白そうだ。

よし、やってみますかである。

そうと決まればどこへ行こうかと、
暇を見つけては資料を集めて、検討していたら、
いい場所が見つかった。

ところは岐阜県、コースは岐阜城に登って下り、
近所の大仏様を拝観した後、
明治開業の銭湯をめざすというもの。

ちょうど実家のある名古屋へ
ゆく用事もある。
ついでに足をのばしてみることにした。

とまあ、軽い気持ちで出かけたのだが、
まさか道中「初めて知りました」の
連発となろうとは…。

最初の目的地となる岐阜城は
金華山(稲葉山)のてっぺんにあり、
標高は329m。登りに利用したのは
「馬の背」というコースだ。

資料では危険とある。
「馬の背」の名前からして察するに、
やせ尾根、ナイフリッジ、キレットの
超・ウルトラ・ミニミニ版かな。

そして、ところでと
ふと頭をよぎったのが、
このナイフリッジにキレットとは、
どんな綴りだっけ。

愛用のタブレットで調べてみると
これはたまげたである。

ナイフリッジ(knife ridge)はともかく、
キレットとは綴りも何も、漢字で「切戸」。
キレットは外国語にあらず、れっきとした日本語だった。

ちなみに天守閣への道は、時間は少々ながら結構ハード。
「馬の背」もさることながら、
下山路に使った一般向けの「めい想の小径」でさえも
瞑想何ぞとをしていたら、足を踏み外して、
お陀仏となりそうな急勾配多しである。

    

無事に下まで降りると、時計の針は
12時を回っていた。ではランチにしますかだ。

ザックを背負った行動中の昼に決まってとるのが
「特製甘じょっぱいサンド」。

こちらはある時、何も考えず、
自宅にあった残り物を一気に“処理”する目的で
寄せ集めて食べたら旨かったが
きっかけとなり生まれたオリジナルの行動食。

つくり方は、食パンにピーナッツバターを塗り込み、
具材となるバナナにハムをのせて、
上から食パンをもう1枚。重ねて挟んだら、
仕上げに手でパンをギュッと圧縮して出来上がり。

ただ今日は、いつもの山中と違い、ほおばっているのは
岐阜城下のベンチ。人の往来も少なからずあり、
視線も感じる。恥ずかしいのでタブレットを見ながら、
せっかくなので、今食べている一品に関して検索してみた。

するとビックリ、ロック界のレジェンドの名前が
出てくるではありませんか。

確認してみると、何と私め発案の行動食は、
ズバリではないが遠からず、
かのエルヴィス・プレスリーの好物に似ていた。

道理で食後は、身体、特に腰の動きが良くなるのか。
妙に納得しつつ、ごちそうさまとなる。

昼飯が終われば行動も再開、お次は
岐阜城の近くに鎮座する大仏「岐阜大仏」のもとへ。

   

人気の面では奈良、鎌倉には劣るが、
岐阜の大仏様も立派であり、
独特の雰囲気を醸し出している。

また大仏様のお顔が、少々うつむき加減なので、
正面に立つと見つめ合う格好となり、
ありがたや感もひとしお。

        

心静かに拝観したら、
ゴールの銭湯である
「のはら湯」へと歩を進める。

   

こちらでは毎日温泉も直送されており、
沸かし湯&温泉と、一度に2つの
う~極楽体験が楽しめるので、
ちょっと得した気分だ。

風呂から上がれば、これにて
行動は無事に終了。時間が許せば
のはら湯からは目と鼻の先の距離にある
繁華街「柳ヶ瀬」へゴーだが、
残念タイムリミット。東京へ帰る
予定の新幹線に乗り遅れてしまう。

泡の出る飲み物などは列車内までお預け、
ここはコーヒー牛乳でも飲んで、
駅へ急げである。

見上げ、振り仰ぐ岐阜城、
上を向いて大仏様とアイコンタクトと、
岐阜を舞台にした登山プラス銭湯の旅、
タイトルは
「首の運動をしていたら、
 知恵を授かる恩恵もあったコース」。
これでいいか。

だが授かることには
まだ続きがあった。

岐阜駅前の広場で、
帰り支度をしていたら
近くでこんな会話を耳にした。

どちらもご年配の方が、
挨拶を交わしていたのだが
別れ際に「おいとい」という単語が
発せられた。

会話の前後から、お身体大切にという
意味のようだが、これは方言か、それとも。

さあ、またしてもタブレットに登場願おう。
すると、おいといとは
「いたわる、大事にする」なる意味で
大和言葉とあった。

これも全く存じておりませんでした。
お恥ずかしい限り。

「少しは賢くなったか、
このたわけ者が」。

ん、上の方から声がする。

どうやら首の運動も、
終わっていなかったようだ。

どなたのお声かと視線を向けると、
そこには金色に光る信長像があった。

よって首の運動も、
お城に大仏様、そして
戦国時代の覇王だけに、
「おもてを上げぃ」「ヘヘィ」
といった感じで
駅前広場の「ゴールデン信長像」も
ひとつ追加ですかな。

     

~2019(令和元)年10月
    近くに天然温泉もあるのに、あえて。
      銭湯めざして、ハイキングにウォーキングを楽しむ~