2023年は「七転」‥続くは「八起」か、まさかの「八倒」か。
漂えど沈まず。常に気分は
兎の登り坂
【大曲茶屋~伽藍山~達磨山~戸田峠~
金冠山~だるま山高原レストハウス/静岡県】
ここは静岡、修善寺の奥に位置する達磨山周辺。
今日は年末恒例、富士山を拝みつつ
来る年のモットーを考えるか山行でお邪魔している。
歩けば開運、出世など幸にばったりと出会いそうな山名、
加えてルートは富士山に向かって歩くので、
ゆくてには終始海を隔てて富士山のお姿あり。
また登山道と車道が、ほぼ並行して走っており、
少々考えごとをしながら、ぼんやり行動していても
安心度は高し。
そんな理由から選んだ次第だ。
修善寺の駅からバスに揺られ、
スタート地点である大曲茶屋にて下車、
見上げればお空は晴天、雨具の出番はまずないだろう。
風も心地よい微風といきたいところだが、実際は強過ぎで、
どえらく寒く感じるが、季節は冬であるのだから
当然といえば当然か。
ただ風が強いお陰で、富士を隠す雲はなし、
あってもすぐに通り過ぎる。よし目的の1つである
富士山ウォッチングに関してはノープロブレムだ。
では歩いて、休んで、2つ目の目的である
来年2023・卯の年のモットーでも捻り出すかである。
行動はすこぶる順調で伽藍山、古稀山といいペースで
頂を越えてゆく。もちろん途中では、景色を眺めつつも、
風を避けられる場所を選んでは大休止。
モットーのネタ探しも欠かさない。
しかしグッドなフレーズが、電池残量を気にしながら
愛用のタブレットでインターネットを検索しても
見つからないし、よく歩いているとナイスな
ひらめきがあるともいわれるが、それも全くなし。
そうこうしている間に達磨山まで来てしまった。
こうなったら、風の影響も少ないであろう
くだった先の戸田峠で大大、大休止。
頭をフル回転して考えてみることにする。
戸田峠に到着後、ザックを下ろして
いざ言葉探し。まずはインターネットで、
2023年の干支の卯、兎の字が
用いられている言葉を探してみる。
おっ、これはどうだ、さっそく見つけた言葉は
「守株待兎(しゅしゅたいと)」。
ところで意味は、いわゆる棚ボタを期待することですか。
こりゃあかん、残念ながらパスですな。
その後も、最近はつと見聞きしなくなった言葉だが
“ネットサーフィン”をしていると、
ひっかかったのは「兎の登り坂」という文句。
兎は後足が長いので坂を登るのは得意、
転じて持ち前の力を発揮できて、ものごとが
順調に進むなる意味とあった。
よしこれ、いただきである。
しかし、兎の登り坂だけでは少々寂しい。
引き続き、あれこれ言葉を探していると
出くわしたのが「漂えど沈まず」。
こちらはおフランスはパリ市の標語で、
元々はセーヌ川の船乗り組合のものだったらしい。
意味は読んでの通り。
これも悪くない。しからば、こいつを加えて。
山で川がルーツの標語というのも何だが、
まあいいでしょう。
その後も一考、再考の末にできた言葉が
「漂えど沈まず。常に気分は兎の登り坂」。
2022(令和4)年は、毎日が崖っぷち、
土俵際、タイトロープといった形容が
似合うことの連続。まさに1年という時間の中を
さまよい、漂った。が、どうにか沈むことは免れ、
今日も山を歩いている。
そして迎える2023(令和5)卯の1年、
さあ今度は兎の登り坂モードだ。
ちょいと自らを振り返ることや、
へこたれるな、前を向いて、元気を出してと
自らを鼓舞する感じもあり、
はいモットーは、これに決まり。
かなり時間を費やしたかいあって、
出来もまずまず、としておこう。
これにて2つめの目的も完了である。
だったら締めは、年賀の1枚でも。
実はザックの中には、兎の耳の形をした
被り物も忍ばせてある。
それでは富士山バックに撮影でもして
帰りましょうか。
よっこいしょういち、昭和のギャグも軽やかに
ようやく腰を上げ行動再開、
じぃさん山の頂をめざして歩き出す。
【ここでお詫び】
その後、金冠山頂にて撮影にと
装着した兎の被り物は、
着けたと同時に強風にあおられ、
どこぞやへ。探してはみたものの
発見にはいたらず。よって回収はできずで、
山にゴミを放置してしまうことに。
今後、山へ出かけた際は、
訪れた時より美しくと、ちょびっとだけ
ゴミ拾いもルーチンワークとして
加えますので、どうか山の神様、ご勘弁を。
【さらに蛇足の追伸】
それでも撮影は、被り物のパッケージにあった
イラスト他でつつがなく。ハイポーズで
どうにか撮ることができました。