みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
オーストリア建築ツアーの続きです。
もう一度、ホテルを紹介すると、
外観は2階建てのこじんまりした郊外型ホテルです。
屋根は、アスファルトシングル葺きです。
▲屋根の部分の構造、すなわち小屋裏は木造であることがわかります。
これは、私が考えているハイブリット型の200年住宅と同じです。
▲1階のローカの左右に部屋があります。
▲ルームナンバー33 が私が泊まった部屋です。
それがどうした…? 特に意味はありません… (^^)ゞ
次の日の最初は、「SOL4」というパッシブハウスの建物。
床面積は2千平方メートルあります。
国家プロジェクトの援助対象に選ばれ、援助を受けて建ったものです。
今回のツアーでは、これらのプロジェクト対象の建物をいくつも廻ります。
▲上部の外壁はソーラーパネルです。
地熱利用
天井輻射
夏は冷輻射
ソーラーパネルを壁面に取り付け、
建物の15%~20%をまかなっています。
ソーラーパネルの裏側は、40センチの厚みのストロー断熱。
すなわち、藁(わら)が40センチ入っています…。驚きですね。
窓の外には遮蔽ブラインドです。
夏は、天井からの冷輻射、冬も天井からの輻射熱!
私が300年住宅で行いたかった方法です!
でも、天井からと聞くとみなさん、懐疑的。
しかも、冷輻射の話と説明をしても、ピンとこない様子…。
現在、設計中の外断熱のRC造で、これを行う予定だったのですが、
構造設計から、
「コンクリートスラブの中へポリエチレンチューブは
入れないで欲しい」と言われて、断念してしまいました。
コンクリートの熱量を生かす方法を確立すれば、
快適な省エネになるのですが、いろいろ制約があり工夫や譲歩が必要です。
このコンクリートの熱量を生かすゆえ、
コンクリート造の外断熱は有効なのです。
木造の外張り断熱は、断熱性能だけを考えると従来の内部からの断熱の
方が性能を上げられますし、費用対効果を考えるとあまり良くありません。
みなさんがお考えほどは、効果がないのです。
外断熱というインパクトはありますが。
コンクリート造の外断熱は別ですよ。
これは、いろんな意味でメリットはあります。
でも、デメリットもあります。
メリットばかりという選択肢は、この世に存在しません。
▲建物内部 壁は、私が設計した300年住宅と同じようなイメージです。
▲中庭部分にトップライトがありました。
一部の窓は開閉できます。
▲これが、外壁のソーラーパネルです。
現在設計中の外壁にも傾斜を付けて取り付けようとしたのですが、
メーカーが「屋根以外は付けません!」と拒否…。
何かあったら、責任が持てないからのとこと。
閉鎖的過ぎますね。他のメーカーに打診中です。
▲屋上の床部分は、照り返しを防ぐために、コンクリートの上に
ウッドデッキを敷いてあります。
▲この窓の遮蔽ブラインドは、ドイツでもオーストリアでも
ビル等には大変ポピュラーです。
イタリアへ行くとアパートメントには、木製のブラインドというか、
木製オーニング雨戸やシャッターも多くなります。
▲ソーラーパネルの裏側です。下から見たところ。
▲地熱利用といっても、そのためのヒートポンプや装置はかなり
大掛かりです。ドイツでもいくつか見ましたし、
この後のオーストリアでもいくつか見ましたがみんな大掛かりでした。
しかし、これでも通常よりかなりコンパクトになっているとのことでした。
住宅ではコストが掛かりすぎて、やはり無理とのことでした。
この建物は、地下80Mまで掘り下げて、熱の交換を行っています。
▲オフィスの間仕切りです。未焼成レンガです。
製造エネルギーと運搬エネルギーがコンクリートより
有利とのことでした。
横浜市 住宅 建築家
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