スポーツクラブで時々見かける、
小柄でスリムなおばあさま。
信じられないくらい日焼けしていて、
手にも足にも、
日々鍛えているのであろう
細く長い筋肉。
そして、
迫力のある茶髪のパンチパーマ。
ちょっと怖い印象だった。
ある土曜日、トレーニングを終えて、
クラブの片隅にあるカウンターテーブルで
昼食用のおにぎりを食べていると、
突然そのおばあさまが早足で登場。
手にはたくさんの白い小さな、野の花。
カウンター片隅にあるガラスの花瓶に生けはじめた。
この花瓶にはいつも素朴な野草が生けられていて、
それはスポーツクラブの
スタッフによるものだと思っていた・・・
思わず
「いつも花を生けておられるのですか」と声をかけると、
なんとも恥ずかしそうな表情で、
「庭に咲いてるのを引っこ抜いてくるだけよ」と。
言葉は乱暴なのだけれど、
みんなが昼食をとるカウンターに、
そっと花を生けてくれる心づかい。
ど迫力のパンチパーマとの落差が楽しくて、
なんだか、
このおばあさまを好きになってしまった。
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