お出汁に、カボチャと玉ねぎ エノキと乾燥素麺を入れ蓋をし、沸騰したら一旦火から下ろし
火のついたガス台で 出し巻き卵やら他の用事をした頃
ちょうど野菜が柔らかくなっている
温かい状態で出す為にももう一度ガス台に戻して火を入れる
オクラを入れて色が鮮やかになるまでほんの十数秒 火を止めて 最後にお味噌を入れる
素麺に少し塩分があるので お味噌はいつもより少なめ
夏野菜のお味噌汁は 他に茄子や 茗荷など…
素麺入りのお味噌汁は 実家の母の味
昔は 毎日のように『夏休みのお昼』といえば
飽きるほど食べさせられた素麺
それが 余ったら翌日にお味噌汁にまで入ってくる(笑)
そしてそれが 一週間に何回か出てきて飽きていた
今じゃ、夏のお昼の定番といえば、我が家は素麺より パスタ派なので
実家に 夏はおろか冬までまたがり、
ヘタすると去年の戴き物まで残って死ぬほどあった素麺の山を
ウチで 見ることは 皆無である
勿論 冬場は 温麺(にゅうめん、煮麺)として朝ご飯に登場するわけで…
私が小さかったあの頃は パスタなんて用語もまだ日常使いではなく
ミートソーススパゲティか 人参、玉ねぎ、ピーマン、
それに色紙切りハムか斜め切りのソーセージが入ったナポリタン
あとは せいぜいマカロニグラタン位が 我が家の食卓にのぼってたパスタメニューだったかな…
それが、ウチのボンが 赤ちゃんで喋り始めた頃から既にヤツは
スパゲティとは呼ばず『パスタ』といい
「お昼タラコパスタ作って」と来客があっても普通に云うので
「いやぁ~ コノ子たらこパスタやってぇウチの子パスタなんて知らんわ」
と遊びに来る友人たちに 昔からずいぶんからかわれたものだ(笑)
※因みに ボンは どういうわけか素麺があまり好きではない
話が反れたが それくらい素麺の需要があまり無い我が家も
たまにこやって 少しだけお味噌汁に入れてやる分には文句も出ず
むしろ久しぶりで喜んでたりするので
つくづく、ボンの好みで毎日のご飯を作るのは非常に厄介だ。
その文句にいちいち耳を貸してしまうワタシにも もういい加減自己嫌悪
もしも願いが叶うなら、ピアノが弾けるワタシより
ボンの文句が始まると自動的に蓋ができる便利な耳…が欲しいかな
(おしまい)