痩蛙
鳴海章
「ときどきいるんだな、どうしてボクシングなんかはじめちゃったのって、いってやりたくなるやつが」
「怖いからじゃないですか」
「怖いってなにが」
「自分が何もしていないってことがですよ、うまくいえないんだけど、仕事でも趣味でもこれだって思えるようなことをしていないと、自分が何者なのかわからなくなっちゃいそうで、それが怖いです」
「ただのサラリーマンで終わりたくないんですよ。会社でこき使われ、上司の言いなり、奴隷のようになっているのは、食っていくためには仕方が無いとしても、あくまで仮の姿なんだって、本当の自分はそんなもんじゃないっておもいたいんです」
鳴海章
「ときどきいるんだな、どうしてボクシングなんかはじめちゃったのって、いってやりたくなるやつが」
「怖いからじゃないですか」
「怖いってなにが」
「自分が何もしていないってことがですよ、うまくいえないんだけど、仕事でも趣味でもこれだって思えるようなことをしていないと、自分が何者なのかわからなくなっちゃいそうで、それが怖いです」
「ただのサラリーマンで終わりたくないんですよ。会社でこき使われ、上司の言いなり、奴隷のようになっているのは、食っていくためには仕方が無いとしても、あくまで仮の姿なんだって、本当の自分はそんなもんじゃないっておもいたいんです」