M's Den with GB350

流れる雲を追いかけて…SINCE 2004

Touring Show er Episode 5

2011-05-20 19:00:00 | Motorcycle/Touring

その夏は新潟から日本海沿いに北上していた。

村上からR345笹川流れを走るが、既に、東京から10数時間掛けて
下道を走ってきたので、もう夕日は水平線に沈み、残光が僅かに雲を照ら
している程度。

勝木からR7
に出て、鼠ヶ関の手前、今日のキャンプ地の海岸に
到着した頃には
辺りは暗くなっていた。

夏とは言え、平日の為かキャンプ場に他のテントは無く、今夜は一人だった。
その頃の海岸は波打ち際からずっと奥行きがあり、テントを張るには十分だった。

 

設営を終え、流木を拾い集めて焚き火をしながらあり合わせの夕食をとると、
後は火を眺める以外にすることが無くなった。
焚き火に飽きた頃に寝転がって空を見ると、流星がスッと海に向かって落ちていく
のが沢山見えた。

さてそろそろ寝ようかという時刻になったが、一日中走って顔も身体も汗や埃で
ベタベタ、
夜の海に入ってみる。水は冷たいが気持ちが良い、
ただ波打ち際から
2m程も進むと急速に深くなる。


少し沖に出ると、辺りは真っ暗で焚き火で位置を確認しないとどちらが
陸でどちらが海だか分からない。

海から上がったが海水でやはりすっきりしない。既に大分遅い時刻、
海水浴場の駐車場に車は無いし、傍を通る国道もたまにトラックがタイヤノイズを
響かせるだけ。

駐車場の端に設置されている壁から首を出したシャワーまで行き、水着を脱いで
頭と身体を洗っていると突然ヘッドライトの明かりがこちらに
向かってくるのが
見えた。

何も身につける余裕もなく、石鹸がついたままの頭と身体でシャワー室の
裏側にとりあえず身を潜めた。
やがて車のドアの開閉の音が聞こえ、男女の
じゃれ合うような話し声、
自動販売機で缶が落ちる音が聞こえた。

段々話し声が近づいてきた。どうも男二人と女が一人の様だ、海岸に出るのだと
隠れているシャワーの裏側を通ることになる。

駐車場側に逃げれば確実に見つかるし、テントのある海岸に逃げる道には
目隠しが無い、とは言え、この状態で見つかると余計面倒な事になりかねない…

女が『風が冷たいから行っ』と声を掛けたのはそれから少ししての事だった。
『おー』と一人の男が気の無い返事をしたが更にシャワーの方に進んでくる
足音がしたが、一寸してから引き返した様でドアを閉める音がし
車は駐車場から
国道に戻っていったが…その時間がとても長かったように感じた。


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4 コメント

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エピソード (Ed)
2011-05-21 11:38:41
ず~っと続けてください(笑)

MOMOさんがシャワー使うと、必ず何かが起こるっていうのも面白いね^^!

最初の話は怪談に繋がるエピソードかな、と思いましたが・・・
返信する
長年 (MOMO)
2011-05-21 21:30:18
ツーリングしている中で忘れえぬ?想い出を纏めてみました^_^;

シャワーとShow-er(見せる人?!)を掛けてみたんですが…

予約投稿も試してみました…特に意味はありませんがw


返信する
なるほど・・・ (Ed)
2011-05-22 12:18:25
Showerなんでワン・スペース空けたのかな・・?って思ってました(笑)
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typographic error (MOMO)
2011-05-22 12:31:02
多分Edさんは気になっておられるかと…
今どきはPCで文章を打つと自動修正されちゃうからtypographic errorなんて死語でしょうか^_^;
返信する

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