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10年10万キロを走ったIntruderLC1500(99年式)から2010年8月末にBoulevardC109R(2008年式)に乗り換え、12か月が経過したので、纏めてみた。
フロントサドルはLCがカウチとかソファーとか言われ非常に幅が広くてゆったりとしもので米国のLCフォーラムでは他のバイク、例えばHDとかGLからLCに乗り換えると家に帰ってきたような安心感と心地よさがあると評されていて柔らかいが腰があり尻のでかい米国人には非常に評判が良かった。
C109RのフロントサドルはLCよりも一回り小さくサイズ的には不満は無いが、やや硬めなのとサドルと尻の接地ポイントが若干異なり、C109Rは2-3cm後ろ、丁度尾骶骨の辺りで体重を支えている感じで400~500km走ると我慢できない程では無いがその部分に少し痛みが出てきて座りなおす回数が増える。
ハンドルはLCより若干幅が広目に感じるが違和感は無い。ただもう少し狭くて後数cm手前に引きたいのは私の体型のせいだろう。
基本的にハンドルは下げ気味で上から抑えるようなポジションを好むが、C109Rは今の所LCより少しアップ気味の位置にしている。今回も4,000km近く走ったが特に身体の部分で痛みを感じるところはなかったのでこのポジションでも良いかとは思う。ハンドル位置を下げるとUターンの時に腕が開きハンドルを切りにくくなる。
ハンドルのSW類は安っぽいが操作は分かりやすい。バックミラーは相変わらず多関節タイプ、微調整は効くが、調整が面倒であまり好きでは無い。全体としてはバックミラーは後方直ぐ後ろが見にくく並走の車は首を曲げて見ないとならない。
足付は踵まで両足べったりだがやや前寄り(腰をリアサドルに当てるとハンドルが遠くなる)の位置、この位置だとサイドカバー(特に右)の上部に右ひざ上の内腿が当り、サイドカバーの艶が無くなってきているのが気になる、もっと脚が長ければ当たらないとは思うが。 エキパイと脚が干渉することはないし、水冷の為かエンジンからの熱はLCより熱くないと言える。
ガソリンタンクは19L入り、全長がLCより長く、且つ後半が薄く幅広なのでニーグリップはやりにくい、コーナーリングではむしろ斜め下から膝を押し当てる感じでタンクを締める。
ガソリンタンクで不満なのはフューエルキャップ、綺麗なメッキでエンジンキーでロックの解除をするが、給油の度に外さなくてはならず、いつの日か手を滑らせ落してタンクを凹ませそうな嫌な予感がしている(結構な重量がある)、M109Rと同じようにキーでフューエルリッドだけが開閉するタイプの方が実用性は高いと思う。また給油口まで一杯に給油するとガソリンが漏れる(溢れる)ので、給油口から5cm程下の位置までで満タンとすがセルフで無いと、それを一々指示しなくてはならないのが面倒。
タンクの中央にあるスピードメーターとその他補助表示は概ね見易いが、ガソリンメーター(横の液晶バー)は小振りで少し見にくい。トリップメーターはA、Bのデュアル表示、それにオドメーター、下段には時計(12時間表示)、アーバンの照明は程々に見易いが、表面のガラスはやや映り込みが多い。
※ トリップメーター(Trip Meter)は(区間)距離計で、オドメーター(Odo Meter)は積算距離計、バイクのブログ関係を読んでいるとトリップとオドを混同した表記が多々あり気になるので注釈を付記。
リアブレーキペダル、シフトペダルは十分に脚が届く範囲だが、真っ直ぐ伸ばしてもエンジンガード(ハイウィエィバー)までは脚が届かないので、フォワードフットレストは要らない。
シフトは蹴り返しのついたシーソータイプ、比較的大きなストローク(LCとC90の中間位のストローク)でギアの入りは悪くなく、ニュートラルも比較的出しやすい(踵で踏んでも出せる)が、スタート時に1速に入りにくい(一度クラッチを切直す)時があるのとニュートラルランプが点いていてもギアが抜けていない場合がたまにある。
ノークラでのシフトアップは全く問題無い、シフトダウンも回転のタイミングを合わせればタイヤを鳴かせる事無く可能(なるべくノークラのシフトダウンは避けてはいるが)
クラッチはワイヤー方式、重くもなく軽くも無くというところだが1日800km程度の走行では手が痛くなるようなことは無い。クラッチレバーはピポットによるストロークの調整は出来ない(LCは油圧でレバーの位置調整可能)、ブレーキレバーは油圧なのでピポットで調整可能。
重心はLC程には低くない(LCの場合にはガソリンタンクがシート下というのもある)が、ショートストロークのエンジンもあり割と低重心でスタビリティも高い。
エンジン関係
スロットルの開度により、ドコドコ感と言うよりバッバッバッとトルクが後輪に伝わる感じを味わったり、また電気モーターとは言わないまでもスムースな走りが出来たりで、中々に楽しめる。大排気量のVツイン、インジェクション仕様なのでドン付やスナッチを一寸気にしていたが、先行のM109Rのデーターフィードバックや改良もあるのか杞憂であった。
ちなみに、C109Rは84kw(114hp)/6000rpm、155N・m(15.8kg・m)/3500rpm、M109Rは92kw(125hp)/6200rpm、160N・m(16.3kg・m)/3200rpmとなり、若干のディチューンが施されている。ホンダのVTX1800は75kw(102hp)/5000rpm、159N・m(16.2kg・m)/3000rpm
ヘルメットを通して、走行中にライダーに聞こえる排気音は、LCは高周波(キーン)が混じり、全体としても聞いていて楽しい音では無かった。C109Rの排気音に高周波は混じらずLCより耳には心地よく、この辺までがロングツーリングでも疲れない範囲だと思う。
友人によると後ろを付いて走っているとC109RはとLCでは無かった軽めのパンパンという音(アフターファイアか?!)が混じるとの事。
燃費は高速を80~100km/hで流せば20km/l前後、市街地では17km/l、ワインディングや高速で遊ぶと15~16km/lとなるが、前述の如く給油時の油面でバラ付く傾向はある、北海道ツーリングでは最良22.3km/Lを記録。それでも5万キロを過ぎた頃のLC1500とほぼ同等か良い位だが、C109Rはハイオク仕様(LCはレギュラー)なのでその分相殺になる。
エンジンオイルは1,000km、5,000km、10,000kmで交換、フィルターは1,000kmと10,000kmで交換、以降はLCの時と同様オイルは5,000km毎、フィルターは10,000km毎に交換していく予定(マニュアルでは各々6,000kmと12,000km指示)。
昔からエンジンオイルはメーカー純正品以外使わないが、10万キロ走ったLCでもエンジンは快調で、一度も開けなかった。水冷なので、油温については空油冷のLCより安定していてオイルの劣化も少ないと考えている。
エンジンの発熱についても絶対的には熱いが、それでもLCよりは身体に感じる発熱(放熱)量は少ない気がする。ラジエターファンは60km/h前後で流していると殆ど回っていない感じである。
ラジエターグリルカバー(プラスチック)は下部に小石が溜まるので、定期的に外して清掃が必要となる(リアサスのアンダーカバーにも同様小石が入り易いらしい)。
車体関係
エンジンがかなり楽しいのに比し、パニアを付けた状態でぬゆわkm/hを超えると車体が左右に振れ出して非常に不安定になる。
パニアへの風圧の影響がかなりあるのは否めないが、エンジンマウントとリアスイングアームとサブフレームの強度不足の感もある。実際パニアを外し、小型の革サドルバッグにして試した所、メーター読みで何とかふわえkm/hまでは読めたがそこから先は同様に車体が不安定になり左右に振れ出しスロットルには未だ余裕があったが諦めざるをえなかった。
LCは190km/hで針がストッパーに当りその辺が限界で絶対値は低いがパニアを付けた状態でも最高速まで車体は安定していたのでむしろエンジンに余裕があるのにフルスロットルに出来ないC109Rの方がストレスはある。
アメリカンタイプのコーナリング特性と言ってもたかが知れてはいるが、スポーツ車が多いクラブのマスツーなどでは他のメンバーの足手まといにならない程度には走らないとならない。
LCは結構良く曲がったが(あくまで基準はアメリカンタイプ)、C109Rはタイヤプロファイルから当初はアンダーステアで曲がりにくいだろうと期待はしていなかった。
通常、殆どフートボード(とバンクセンサー)を接地させない乗り方なのだが、C109RはLC以上に接地しない。丁度LCの進化系のC90に近い感覚。ただ全体のコーナリングとしては、下半身デブ、つまりリアタイヤの辺りのマスが大きくフロントが入った後にボテッとしたリアが追随していく感覚で曲がる。LCよりもタイヤのグリップが良い分早めにスロットルを開けられるのとブレーキ性能が相まってLC程度には曲がれるが、絶対的な重量とロングホイールベースでタイトコーナーはやはり得意では無い。
タイヤ関係
未だ1度しか交換していないが、タイヤ寿命は実交換ではフロントが約9,000km、リアが10,500kmだった。ただ今回は北海道ツーリングを控えて少し早目の交換だった。
タイヤの溝の深さと摩耗状況から見ると、フロントが12,000km、リアは14,000kmまでは持ちそうだが乗り方や雨天走行での考慮が必要。
ちなみにLCはフロント(150サイズ)20,000km、リア(180サイズ)15,000kmというのが10万キロ走行しての平均値だった。
特筆すべきはC109Rタイヤ(ラジアル)のウェット特性、LC(バイアス)より数段上で白線や橋のつなぎ目の鉄板での滑りは車体を起している限り非常に少なく安心して走れるので雨天走行での疲労は格段に少ないのが今回の北海道ツーリングで確認できた(殆ど毎日雨天走行)。
タイヤは高価、実購入価格でフロントが25,000円、リアが32,000円、これに工賃が加わると70,000円を超える。特に整備性が悪いとは思わないが、リアはフェーンダー類一式の脱着が必要。現段階ではBS一社しか選択肢が無い。
太いリアタイヤではあるが、路面の凸凹やウネリ、排水の溝等外乱要因に対し比較的影響を受けにくく安定して走れる(全く影響されない訳では無いが)
ブレーキ関係
フロントWディスク、リアシングルだが、ストッピングパワーはLCより格段に上でフロント、リアともその気になれば容易にタイヤを鳴かせる事が出来る。またベーパロックの発生も無い(LCは複数オーナーが経験済み)パッドの寿命も私の場合LCのリアでは特に短く平均7千キロだった(フロントは4万キロ)が、C109Rは14千キロではまだ十分な残量がある。
リアブレーキはフロントと連動していて、リアを掛けるとフロントブレーキの真ん中のピストン(3ポッド)が連動して動くがフロントの効き自体は左程強くないので普段は気にならない。
オプショナルパーツ関係
ハイウェイバー(エンジンガード-コブラ)、ウィンドシールド(メンフィスPop top)、パニア(クラウザーK5)、Sissy Bar (LC1500純正) 。パニアとSissy BarはLCからC109Rへ移植したのでワンオフで交換パーツを作成。これらによる車体(の安定性)への影響については不明。ただLCも同じものを装着していたのでやはり前述の如く、純粋に両車のフレーム剛性の違いがかなりあると思う。
主なイベント等
2010年8月
8月28-29日、万座高原でRLCオフミがあり、当日の朝バイク屋の店長に店まで乗せてもらい、C109Rを受け取りそのまま万座高原まで初乗り、RLCメンバーにお披露目、翌日は新潟を廻り約1,000km走行。
2010年9月
9月4-5日、先日の万座高原オフミで1,000kmになったので店に無理を言い、朝一番で1,000km点検とEオイル、フィルター交換を済ませそのまま新潟紫雲寺ACへキャンプツー、翌日は鶴岡の友人に会い高速で帰宅。オドが2,000kmを超えた。
9月18-19日で宮城エコキャンプみちのくへキャンプツーリング、帰りにあわやガス欠を経験(高速の事故で通行止めになり、給油予定のSAの手前の山中のICで降ろされた)、ガソリンタンクが大きくなった(19L)給油のインターバルを長くとったのも影響、オドは約3,000km
2010年10月
10月17日久しぶりにクラブのツーリングに参加、奥利根湯煙街道を走る。オドは4,000km
10月23日これも久しぶりにJAB-NETWORK東日本のオフミに参加、壬生PAで集合
2010年11月
何年か振りにフルフェースヘルメット(アライプロファイル特色)を購入。
11月13日、晩秋の奥会津をソロツーリング、オドが5,000kmを超えた。
11月16日、エンジンオイル交換5,400km時(フィルターは交換せず)
11月288日 ショートツーに出掛けたらご近所のLC乗りのEdさんとばったり会ったので2台で道の駅たまつくりまでランチツーリング
2010年12月
12月4-5日、クラブの忘年会オフに参加、那須高原で1泊、オドは6,000km
2011年1月
1月9日初乗り、銚子まで。オドは6,164kmからスタート
2011年2月
2月6日、波崎、銚子方面へPentax K-rの試写を兼ねてツーリング
2月26日 神栖方面へデカ盛りツーリング
2011年3月
3月6日生命の森へランチバイキングツーリングだが混雑に嫌気がさして食べずに帰ってきた。
311震災後、暫くはバイクにも乗る気がせず走らず。
2011年4月
4月24日、311震災から約1か月半が経過、久しぶりに藤岡鶴商文庫までデカ盛りツーリング
オドが7,000kmを超え、前後タイヤをネットで発注、確保。
2011年5月
5月3-5日で新潟紫雲寺ACへ今年初のキャンプツー、2日目は荷物をキャンプ場に置いて鳥海山まで走る。オド8,800km
2011年6月
6月4-5日でJAB-NETWORK東の朝霧高原キャンプオフに参加、出発間際にパニアのヒンジが破損して急遽キャンプ道具の積み替え作業発生。オドは9,300kmを超えた。
スズキからはシビアコンディション点検の葉書が届く(要は良く走っているということ)
6月12日奥会津ツーリング、6月19日で高速道路の休日1,000円均一が終わるのでこれがラストランになった。
6月25日、フロントタイヤ交換、10,050km時、一緒にEオイル・エレメント交換とクラッチワイヤ―給油等のメンテナンス実施。
2011年7月
7月10日南房総一周
7月24日、リアタイヤ交換、10,523km時。今回は8月に北海道ツーリングを控えフロント、リアとも摩耗限界よりは少し早目の交換となった。
2011年8月
8月17-26日、北海道ツーリング、青森まで往復自走。全走行距離3,900km、道内は2,500km
年間走行距離:14,515km
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だから・・というわけでもありませんが、次回のLCミーティングかAAMは是非参加したいと思っています^^!
その際はまた宜しく
彼のC90は5年、約10万キロ、良く走ったとは思いますが…
TurboさんもHDに乗り換え、Tobiuoさんは体調不良(血管がどうのとか)、ドリタさんは今度はカワサキのNV1700ボエジャー、と段々RLCメンバーのバイクがLC/C90じゃなくなりつつあります。
RLC/AAMはVさんのFX確定を待って相談したいと思ってます。
C109Rあるあるですね~。
私も説明が面倒なので、
極力セルフを探して給油します。
やはり、”あるある”と思われていましたか
改良と言う訳にも行かないので気を付けるしか
無いですね~
高速での車体の振れについては経験がありますか?
不安定に感じることはあります。
徐々に開いた場合は問題ないようです。
リアタイヤの幅が広いので、街乗りでも縦方向に段差を踏むと
大きく車体が降られることはありますね。
路肩付近を走る場合は、結構注意して走ってます。
車の横を通る時もドキドキです。
>徐々に開いた場合は問題ないようです。
そうですか、私の場合はやはり途中から左右に車体が振れだします。
M109R乗りさんもエンジンの左右の振れを感じる
と言ってました。
(車体が不安定になるかどうかは聞いていませんが)
路肩側のすり抜け時は路面状態が気になりますね、それとバイクと直角の段差ではリアサスが入力を吸収できず、カツんと硬質のショックを感じる時があります。