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500km、1000kmの走行距離でのバイクについてあれこれと語るのは時期尚早と思っているが、5000km走れば、走行距離の少ないユーザーなら1年間分位になるので、多少は語らせてもらってもよいかという事で、気になっている点や2500kmからの変化等について書いてみる。
エンジンの始動性
始動に失敗して一度で掛からなかったのは今年の初乗りの時だけ。ただ2週間間があいただけの割には冬場というのを考慮しても、セルの回り方が弱くて一瞬引っ掛かる様な感じ。総じてセルモーターのクランキングに力強さが無く、左程大きいと言えない350ccシングルに対し、セルの力不足とバッテリの弱さは以前から気になっていたところではある。
バッテリーは走行時は14.1~14.2Vで安定、200km程走った後エンジンを止めると12.4V(いずれもメーター内電圧計及びUSBアクセサリー電源の数値)で、走行時の電圧はまあまあだが、エンジンを切った時の数値が低い。暗電流でも流れていないのなら、新品のバッテリーなら13V台が妥当な所だと思うので、上記の始動性(セルモーターの回り方)と併せて一度販売店に相談してみようと思う。
ノイズ
停止する時、或いは走り出した時にグググとかギギギという音が出ていたが、当たりがついて馴染んできたせいか最近は気にならないレベルで減ってきている一方、何となく車体全体が緩くなってきている感じもある。5000kmで緩んできたとすれば耐久性についてやや不安がある。それと各部品のメッキ状態なども余り良いとは思えず、長期使用では錆び発生も気になるところだが、価格も含め、普通に乗り潰すつもりなら、あまり気にしなくても良いかもしれないし、ヤレの進行も最初にある程度進んで後はゆっくりになるタイプかもしれない。
ギア飛び
気になるもう一点はシフトチェンジをした時に、一瞬ギアが飛んで、カクっとなることがある。ギア抜けでは無くて中途半端な位置からトルクが掛ってギアが噛み合う感じ、或いはチェーンの若干キンクした所がトルクが掛って伸びた時の様な感じ。頻度は低いが不快であることは間違いない。ミッションなのか、チェーンなのか不明だが、これも一度店に話をしてみようと思っている。
チェーンオイル飛沫防止
チェーンカバーの前端とドライブスプロケカバーの隙間が50mm位あって、ここから飛んだチェーンオイルの飛沫が両側のサイドカバー、特に左側に飛び散るのを防止する為、自作のプレートを付けてみたが効果絶大でサイドカバーが汚れる事はほぼなくなった。
マット塗装
車体色が白であり、最初の内は汚れとその清掃方法を迷ったりしていたが、暫く乗ったら汚れも余り気にならなくなり、極端な話汚れるなら汚れても良いやって感じで、清掃も今までのバイクと同様に昔から愛用のユニコーンクリームワックス(ノーコンパウンド、カルバナワックス入り)とプレクサスを使用。ただプレクサスは製造中止とかで価格が高騰し、相対的に安価で販売されていたドンキでの取り扱いが無くなり、後継のオーストラリア製の何とかいうのは口コミの評判が今一つという困った状態ではある。
ミラーの視界
やはり丸型は視界が狭い。やはり角型に交換することは考えている。
燃費
乗り出しからの全燃費を記録しているが、5000kmで23回給油して、内8回は40km/L越え。尚、WMTCモードが旧型の41.0km/Lから2023新型モデルでは排気対策等の影響で、39.4km/Lに落ちている。いずれにせよ500kmの長い脚はツーリングにはありがたい。メーター内のエコランプは初めは気になるかと思っていたが、案外気にならないので点灯モードのままにしてある。
雨天走行
幸いと言うか残念と言うか、4か月で未だ一度も雨天走行を経験していない。タイヤのグリップ性能が気になるところ。トラクションコントロールはオフにする理由が無いのでずっと入れっぱなしにしてある。
取り回しと足付き
インプレッションを見ていると軽くて取り回しが楽という意見と、意外と重たくて取り回しが悪いという両方が見受けられる。車体重量179kgはシングルエンジン、セミダブルクレードルフレームの350ccにしてはやや重たい部類という気もするが、低重心で取り回しは楽であり、ハンドルの切角も大きいので狭い道でのUターンも楽にこなせ、ツーリング中に遭遇する狭路や悪路でも必要性があれば、躊躇なく入っていける。足付も両足がべったり着いてサイドカバー等への干渉もないのでストレスはない。
ライポジはハンドルがやや遠くて手首の曲がり角度が好みに合わず、長距離だと肩から首、それと腕、手首に負担が掛かるのでライザーで手前上にハンドルを移動するかケーブルやパイプの取り回し、余裕で可能であれば変えたいところ。ステップに乗せた足の曲がりは緩いので、膝裏が圧迫され血行が悪くて痛たくなったり、だるくなる感覚は今の所無い。
走行性能
この件については豊富な情報がネットにあり、十人十色人それぞれだが、個人的には総じてバイクの経験が豊富なベテランライダーはGBの出力、走行性能を把握しうまく扱えると思う。御しきれないパワーに振り回されてストレスを溜めるよりは、限られたパワーを最大限有効活用し、いかにストレスフリーで走らせるか、という経験を初心者が積む上でもよい教材となるかもしれない。
購入時にSにも試乗したが、後輪の小径、ワイド化は見た目のアレンジでフロントが両方共100/90-19なのでハンドリング特性的にはリアは18の方が乗り心地がツーリングには向いていると思うし、バイアスなので価格も安い。ただSを選ばなかった一番の理由はシーソー式のシフトペダルが付かない事だった。
いずれにせよ、良く出来た排気音を楽しめるような乗り方が出来れば、他のマイナーマターは概ね容認できる範囲であり、全体としては過不足なく良く纏まったバイクと言えるし、長距離のキャンプツーリングでも積載性を含めて十分に楽しめる。