20代ひきこもり系非正規女子のつまんないぼやき。とてもダメな人が書いてます。消費税をアップしてもいーから、その分の賃金もあげてください。
3%諦める生活
雑な雑感。
高校の時から、おなじ系列のお店でずっと働いてきてて。
それで、不景気とか値上げとか増税、っていう、ちょっとした「暮らしの変わり目」を通り過ぎてきてるけど。
今のお店は、今はなくなっちゃった前のお店の常連さんも何人か、こっちに来てくれてる。
だから、私はずーっと何年も知ってる、っていうお客さんが何人かいる。
今のお店になってからも、そこの常連さんたちは、毎日うちに来てくださる、っていう人たちも多くて。
毎日毎日、決まった時間に出勤する職人さんとかサラリーマン。
大雨の日も雪の日も、
「現場は休みじゃないからねー」
って、苦笑いしながらゴハンやタバコを買いに寄ってくださる職人さんとか。
未成年だった私がこんな年になったよーに、常連さんたちも年をとっていく。
時々、姿を見せなくなると、病気だったり怪我だったり。
そんな話を聞けば、私たち従業員も心配する。
治ってまた働くよーになると、「良かったですねー」って私たちもレジでうれしくなる。
「また病気にならないといーよね」って、バイトだけでお客さんの心配することもある。
そんなふーに、「お客さんの日常」を私たちも知って、お客さんの日常の一部に私たちもかかわる。
そんな仕事をしてる。
真面目に真面目に働く人たち。
真面目に真面目に暮らす人たち。
そんなお客さんたちが、なにかが値上がりしたり、増税になったり、不景気が話題になったりすると、いつも買うものが少しずつ変わる。
常連さんって、特に男の人は毎日毎日買うものが決まってたりするんだよね。
決まった銘柄のタバコを毎日1箱とか2箱とか。
それと、朝、かならず肉まん買う人とか、朝のパンはこれとこれ、とか。
新商品が出ておススメしてみても、いつも買うものを変えない、っていう人、わりといる。
朝、お昼ゴハンを買っていく働く人たち。
そーいう人たちも、お弁当の種類はときどき変わっても、予算はだいたいおなじ。
毎日毎日、野菜がぜんぜんはいってない一番安いお弁当を買う常連さんがいて、その人といろんなおしゃべりするよーになったから、
「少し、野菜もとったほーがいーですよー」
って、私、言っちゃったことある。
そしたらそのおじさんのお客さん、
「うん。でもね、昼飯にそんなに出せないからね」
って、笑ってこたえてきて、ハッとした。
予算があるからね。
毎日のことだから、理想どーりの食生活を続けることって、簡単じゃないよね。
炭水化物ばっかのお弁当しか買わない人をみると、サラダひとつ買うといーのになー、って心の中で勝手に心配することある。
毎日それじゃ、カラダによくないよー、って。
でも、そーいう心配を、こーいうお店の接客で出しちゃいけないんだなー、って知ってった。
私だって、自分のお給料で、理想とする食生活を毎日維持できない。
そーいう現実が、多くの庶民の生活だったりするよね。
毎日、おにぎりだけ?
っていうお客さんに、健康のこと、心配になるけど、でもそれだからって、その心配はすごい余計なことなのかもしれない。
毎日毎日、真面目に働いてる人たちが。
今度の増税で、いつも買うものを少し変えた。
そんな人たちが何人もいる。
タバコを安い銘柄に変えた人。
菓子パンを安い値段のものに変えた人。
缶コーヒーを値段の安いやつに変えた人。
カフェのコーヒーをやめた人。
まだ増税してない3月ぐらいから、生活の変化の練習をしてるみたいに、少しずつ、常連さんたちがいつも買うものを変えてった。
マルボロ吸ってたお客さんが、わかばに変えて。
でも次の日、
「やっぱあれ、ダメだ」
って笑いながら、マルボロに戻して。
でも、いつも一緒に買ってたガムは買わなくなった。
タバコなんてやめればいい、っていう話じゃなくて。
真面目に働き続けてる人が、増税、っていうだけで、今までの生活を「変えてる」。
今まで買ってたものだって、ものすごい贅沢品でもないのに、その値段を少しずつ落としてる。
真面目に働き続けてるのに。
すごい悪天候でも仕事に行って。
二日酔いでも風邪ひいても、栄養ドリンク剤を苦笑しながら買って、それで仕事休まないで朝早くから出勤して。
そんなふーに、真面目に暮らしてる人たちの生活が、ちょっとずつ、苦しくなっていく。
レジにいるだけで、それを目で見て感じる。
なにか悪いことしましたか?
って、政府に言いたくなるよね。
仕事の時に食べるパンも、好きなもの、じゃなくて、値段で選んでる。
コーヒーを我慢してる。
なにかきりつめて、好きなこと諦めて、それでおなじ生活を必死で維持して。
なにかこの人たちが悪いことしましたか?
って、感じちゃうんだよね。
レジに立ってて。
増税の必要性がわかってないとか、税の仕組みとか、国の予算がどーとか、そーいう本格的な話じゃなくて。
ただ、毎日レジに立って、「毎日働く人たちの暮らしがきびしくなっていく」っていうのを、ちょっとずつ肌で感じる。
それがなんか、すごいモヤモヤしたり、かなしい気持ちになる。
この前、
「消費税アップったって、たった3%じゃねーか、そんなんでなに騒いでんだ」
って、大声で話してたおじさんたちも見かけた。
そーだよねー、たった3%だよねー。
って、そのおじさんたちの言いたいこともわかったけど。
でも、実際、たった3%のアップで、気持ち的にきりつめなくちゃ、っていう焦りをいだく人たちだっている。
そーいう人たちが、たった3%の消費税増税で、いつもの暮らしを質素に変える。
ガムをひとつ買わなくなったこと。
缶コーヒーを10円安いものにしたこと。
それがなに?
っていう、ささいな変化かもしれないけど。
でも、毎日真面目に働くことは変えてないのに、働き続けてたら今まで買えてたものが買えなくなっていく、っていうフシギな現実。
これを機にタバコはやめろ。
とか、そーいう正論は、こんな変化を見えなくさせてしまうと思う。
タバコを買えた労働者が、買えなくなる。
それは「健康にいい」かもしれないけど、「生活がきびしくなった」ってことだから。
大手企業の賃金アップのニュースを見聞きするたびに、それどこの世界の話ですか、って思う。
賃金アップした会社の系列の末端の店舗にいる私たちの賃金は変わらないから。
だから私たちバイトは、増税後は、やっぱりなにかをちょっぴりきりつめる。
気持ちもきりつめる。
銀行の手数料も105円じゃなくて108円だからねー。
その3円分足りなくて、1000円おろせないかもねー、ってバイトどーしで笑って話してたけど。
でも1000円あとおろせないと困るー、っていうギリギリの生活してる人たち、すごい多いから。
いろんなものが少しずつ、もう値上がりしてるね。
ガソリンも4月から上がるね。
「買わなくなって」「動かなくなって」。
貧乏人は、どんどんひきこもっていくよー。
そんな当たり前の願いが末端の人たちには叶わないんだったら、末端の人の暮らしは、確実にきびしくなる。
増税前の買いだめするお金も余分に持ってないギリギリ生活者は、増税前早くから、生活のシフトダウンしてる。
貧乏になじむ練習。そんな現実を、私は仕事をしながら見る。
キリギリスの話じゃないから。
真面目なアリの話、だからねー。