「しんぶん赤旗」2025年1月12日
EU気象機関「即時行動を」
国連の世界気象機関(WMO)は10日、2024年の地球表面の平均気温が観測史上最高を更新し、産業革命前の水準を1・55度上回ったとの推計を発表しました。欧州連合(EU)の「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」も同日、24年の世界の平均気温は産業革命前と比べて1・60度上昇したと発表。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が気温上昇の抑制目標とする1・5度を、単年で初めて超えたと指摘しました。
WMOは、欧米をはじめ複数の国際気象情報機関の観測データから算出。2015~24年が観測史上最も高温の期間だったとも報告。1850~1900年の平均気温との比較では、気温上昇は1・3度にとどまっているとの暫定的な見解を示しました。WMOのサウロ事務局長は、24年単年での抑制目標の超過は「パリ協定の目標達成の失敗を意味しない」と強調しました。
C3Sは気温上昇の主要原因について、化石燃料を使用した暖房や産業活動、交通機関から排出される温室効果ガスにあると指摘。23~24年は、太平洋赤道域から南米沿岸にかけて海面水温が上昇するエルニーニョ現象も影響したとみています。
C3Sのバージェス副所長はドイツの国際公共放送ドイチェ・ウェレに対し、世界はパリ協定を投げ捨てるべきではなく、今すぐ行動しなければ長期的に世界の平均気温を1・5度以内に抑えられないと指摘。「将来の気候危機と現在進行形の異常気象に対処するために、(選挙で)私たちが投票する候補者がこの重要問題に取り組むのかを確かめなければいけない」と訴えました。
まさに喫緊の課題だ。
「戦争」に向けて力を注ぐ政権より、「平和」を掲げる政権を誕生させることだ。
日本も、世界も、地球に住む一族として。