仏パリ同時多発テロを受け、オランド大統領はシリア空爆強化を指示し無差別攻撃による無辜(むこ)の犠牲者をさらに増やそうとしている。アメリカのブッシュ大統領が、9.11テロ後にイラク戦争野泥沼に突き進んだことを思い起こす。
テロが許されないことは言うまでもない。が、不安と恐怖をあおって国の団結を呼びかけ国民の自由を奪い、巧みに駆り立てる政治家たちに載せられて、さらに紛争を拡大する過ちに気づいてほしい。報復の連鎖・戦いの連鎖が、結局多くの人々の命を犠牲にして武器商人たちに大もうけさせるのがやつらのやり口であることを。
パリでのテロ犠牲者の家族がつづった「私は憎まない」というメッセージが共感を広げている。
「私はあなたたちの願い通りに憎しみを抱いたりはしません。憎悪に怒りで応じれば、今のあなたたちのように無知の犠牲者になるだけです。あなたたちは私が恐れを抱き、同胞に不審な気持ちを持ち、安全に生きるために自由を失うことを望んでいる。あなたたちの負けです」
憎しみの感情に任せて報復戦争につきすすめば、テロリストたちと同じ過ちを犯すことになる。憎まない冷静な解決を模索してほしい。
「朝の風」より