里の家ファーム

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「現代野菜の栄養価は低い」は本当か?

2017年10月11日 | 健康・病気

毎日新聞医療プレミア
  健康をつくる栄養学のキホン2017年10月6日

 成田崇信 / 管理栄養士 (なりた・たかのぶ) 1975年東京生まれ。
社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(メタモル出版)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。

 

「昔の野菜と比べて、現代の野菜の栄養価は低い」といううわさが根強く流通しています。私が初めて聞いたのは20年以上も前でした。「ただ野菜の形をしているだけで、栄養を取れないのだから食べても意味がない」という極端な話までありました。

  「現代野菜の栄養価が低い」といううわさの根拠として、次の3点がセットで挙げられることが多いようです。

 (1)化学肥料の使い過ぎで土地が痩せ、野菜がしっかり育たない(2)味や見た目を重視し、栄養価の低い品種が多く栽培されるようになった(3)旬を外れた栄養価の低い野菜が通年流通するようになった--。

これらを裏付ける資料に、文部科学省「日本食品標準成分表」が使われます。初版(1950年)や改訂版(54年)と最新版の分析値を比べ、例えば、ニンジンに含まれるビタミンCが40%も減っている、という記事になったりします。ビタミンAや鉄も同じように比較されています。ところがここには、大きな読み誤りがあります。

ニンジンとホウレンソウの栄養価分析値を比較

  「日本食品標準成分表」は50年に初版が発行され、これまでに7回改訂されました。最新版は2015年版(7訂)です。1950年版と2015年版で、ニンジンとホウレンソウの栄養価を比べてみます。

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(7訂)」

 

  確かに、初版と最新版で数値が違います。ニンジンに含まれる鉄分は初版が2mgで、最新版は0.2mg。またビタミンAも数値が減っていますが、同時に単位も変わっています。数値の違いを読み解くカギは、最新版に書かれていました。

  「食品成分表の策定に当たっては、初版から改訂までのそれぞれの時点で最適な分析方法を用いており、技術の進歩により分析方法に違いがある。このため食品名が同一でも、各版の成分値の比較は適当ではないことがある」。

 ビタミンA減少という誤解については、栄養価を表す単位の変化が関係しています。

  初版では、ビタミンAは国際単位=I.U(International Unit)で表されています。物質が体にもたらす効力でその量を表す国際単位です。初版から4訂まではこのI.U表示でした。ところが5訂以降は、ビタミンAの主成分レチノール0.3μg(マイクログラム)を1単位とする「レチノール活性当量」表示に変わりました。

  この単位の変遷を考慮せず、単純に数字を比べても意味はありません。「ニンジンのビタミンAは、13500から720に激減した」と比べるのは間違いなのです。一般の人にとってなじみのない単位に変わったため、このような誤解が生まれたのでしょう。

  分析技術の向上だけでなく、単位の変化や体内での利用効率の見直しなどで、数値は変化してきたのです。

「おいしく食べること」は栄養価と同じぐらい大切

  成分表のデータだけで、野菜の栄養価を評価できないことがおわかりいただけたと思います。それぞれの説についても、私の専門である栄養学の側面から見てみましょう。

 ・化学肥料の使い過ぎ説=有機栽培した野菜の方が栄養価が高いという印象を持ちがちですが、過去50年間に発表された論文を系統的にレビューした結果、有機農法と通常栽培の野菜の栄養価に明確な差はなかった、という報告があります(注)。

  ・味や見た目を重視し、栄養成分を犠牲にした品種が増えている=栄養価の高い在来種のホウレンソウが出回らなくなり、西洋種やえぐみの少ない品種が増えたため、栄養価が下がったケースがあるかもしれませんが、すべての野菜には当てはまりません。

例えば西洋カボチャの多くは、ビタミンAやビタミンCが日本の在来カボチャよりも豊富です。また、甘みが強くて味が濃厚なフルーツトマトやミニトマトも、大玉の桃太郎トマトより栄養価が高いと評価されています。栄養価が向上した野菜もたくさんあります。

  ・旬の時期を外れた栄養不足の野菜が出回るようになった=望ましい時期に育った野菜の栄養価はもちろん高いのですが、栄養価が低くても季節を問わず好きな野菜を食べることができる幸せもあります。栄養摂取の側面も大切ですが、食べる喜びも栄養の一つ、と私は考えています。

  成分表を根拠に野菜の栄養価が下がっているという話は、単なる誤解でした。ですから、栄養補給をサプリメントに頼らず、栄養価が高く、おいしい野菜をどんどん食べてほしいと思います。


 単位の変化まで気が付かなかったけど、そんなこと「表」に但し書きするのが常識だと思うのだが、これまで公表していなかったということですよ。こんな大事なこと。

 さて、今夜からまた雨になるようです。この時期雨が降るとすぐには乾きません。しばらく畑に入れなくなるやも・・・。まだジャガイモ堀が終わっていません。あと2日かな、と思っていたのですが、今日1日で終わらせました。

これは、コナフブキという品種です。加工用品種で、一般の市場にはほとんど出ません。
澱粉価が高いのでお好み焼き用です。小麦粉を使わず、おろして、お好みの具を入れて焼きます。これはうまい!