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マスコミ2題ーフェイク産経・“安倍様のNHK”

2018年05月18日 | 社会・経済

昨日の記事で、「産経新聞」の立ち位置がはっきりとした。
それと同時にもう一つの根本姿勢が問われる問題が明らかになっていた。
それは、

ネットのブログより軽い産経ニュース 誤報記事を黙って訂正、発がん性めぐる健康情報で

Mynewsjapan .植田武智 05/16 2018

 コーヒー豆に含まれる発がん物質『アクリルアミド』について、産経新聞は4月19日に「抽出によって90%以上は除去されるので、飲むときの量は微量」という記事を掲載した。しかしそれは全くの誤報で、焙煎豆に含まれるアクリルアミドはほぼ100%コーヒー液に溶け出している。産経が間違った理由は、全日本コーヒー協会の専務理事が、コーヒーの安全性を強調したいばかりに、分析データを誤解して出した、事実ではないコメントを鵜呑みしたことによる。5月10日に筆者の平沢裕子記者に間違いを指摘したところ、14日に「ウェブ上の記事を訂正しました」との連絡があった。しかし訂正された記事を見ると、記事を訂正した件が報告されていない。同じ記事は新聞紙面にも掲載されており、そちらはそのままだ。産経新聞の読者は、こうして気付かぬうちにフェイクニュースを信じこまされている。

 

【Digest】

◇「コーヒー液にはアクリルアミドがほぼ溶け出さない」は間違い

◇全日本コーヒー協会のトンデモ解釈

◇産経はなぜ訂正した事実を読者に伝えないのか

◇「記事はアップデートしました」(平沢記者)

◇ネット情報より信頼できない産経記事

 

◇「コーヒー液にはアクリルアミドがほぼ溶け出さない」は間違い

 コーヒーに含まれる発がん物質アクリルアミドについての続報である。

 表紙に掲載した4月19日付の産経新聞の記事を見てもらいたい。問題だと思われる箇所に赤線を引いた。まずタイトルの「アクリルアミド コーヒーでがんになるの? 飲むときの摂取は微量」。また記事の中の小見出しには「豆の10分の1以下」とある。

 そして記事本文の中で、「別の調査では、レギュラーコーヒーの抽出液のアクリルアミド濃度は(中略)豆の10分の1程度だった。全日本コーヒー協会の西野豊秀専務理事は『抽出によってアクリルアミドの多くが除去される。コーヒーとして飲むときの数値は低い』と話す」と書かれている。

 つまり産経の記事は、アクリルアミドはコーヒー豆を焙煎する過程で作られるものの、我々が飲むコーヒー抽出液に溶けだしている量は焙煎豆に含まれる量の10分の1以下と微量なので問題はない、と主張している。

 しかし事実は、焙煎豆に含まれるアクリルアミドはほぼ100%コーヒー抽出液に溶け出す。そのことは、4月18日のmynewsjapanでの筆者記事に紹介した研究論文でも検証されている。またEUの事業者団体が食品中のアクリルアミドの低減方法をまとめた「アクリルアミド ツールボックス2013」 の中にも、「通常のコーヒーの抽出法では、アクリルアミドはほとんど完全に(almost completely)飲み物に移る」と書いてある。

 産経新聞および全日本コーヒー協会の方が間違っているのは明らかだ。なぜ全日本コーヒー協会は間違ってしまったのか?

 ◇全日本コーヒー協会のトンデモ解釈

  その理由がわかる資料が、コーヒー協会のホームページに掲載されていた。

  全日本コーヒー協会によるコーヒー焙煎豆(A)と抽出液(B)のアクリルアミド濃度の分析結果。単純にAとBを比較したことが間違い。

 2018年4月3日に公表されたQ&Aで、「コーヒーに含まれるアクリルアミドは発がん性の恐れがあると報道されていますが、飲んでも大丈夫ですか。」という質問に対して、9項目にわたり解説した文書である。

 その中でコーヒー協会がレギュラーコーヒーの焙煎豆と抽出液に含まれるアクリルアミドの分析を専門機関に依頼した結果をもとに「レギュラーコーヒーの抽出液のアクリルアミド値は、(中略)コーヒー(粉)の10分の1 以下となっています。(参考1)」として左図の分析表が示されている。

 なぜか、豆の濃度(A)と抽出液の濃度(B)を直接比較して、抽出液の濃度が10分の1以下なので、抽出液に溶け出した量も10分の1以下だと主張しているのだ。

 全日本コーヒー協会の間違いをわかりやすく説明した図(筆者作成)

 (略)

  もっともらしく思えるが、何かがおかしい。豆の量は20gに対して、抽出液の量は300g(300ml)なので、15倍も増えている。抽出液にした段階で、アクリルアミドは15倍に薄まるので、濃度で比較してはいけないのだ。

 間違いを正そうと、5月1日に全日本コーヒー協会に電話をして尋ねた。

  ――「4月3日の文書で、コーヒー豆と抽出液のアクリルアミド分析結果の一覧表が示されていますが、そこのA/Bというのは何を示しているのでしょうか?」

 協会担当者「表の一番上の例でいうと焙煎豆(粉)に含まれるアクリルアミドの濃度が0.19ppmであるのに対して、抽出液に含まれる濃度は0.016ppmとなっていて、それを単純に割って、焙煎豆に含まれるアクリルアミドの内、91.6%は焙煎豆(粉)に残って、抽出液にはごくわずかしか出てきませんよということです」

  ――「ちょっと違うと思うのですが、これは20gのコーヒー豆(粉)を300mlのお湯で抽出しているわけですよね。ということは、豆の濃度が0.19ppmということは豆1gあたり0.19マイクログラム含まれていることなので、20gの豆には3.8マイクログラム含まれている。一方抽出液の濃度が0.016ppmということは、抽出液1ml(1g)あたり0.016マイクログラム含まれているということなので、抽出液300mlに含まれる量は、4.8マイクログラムになりますよね」

  「この部分は食品分析センターに任せていますので…」

  ――「このA/Bという分析も、食品分析センターから示されたのですか?」

  「A/Bの所は私どもで計算したものです」

  ――「食品分析センターの数値は正しいのだけれども、コーヒー協会が独自にA/Bという分析をした部分が間違いということでしょう」

  「そうでしょうか」

  ――「だって私の計算では、もともと豆20gの中には3.8マイクログラム入っていて、抽出液の中には4.8マイクログラムでている。逆に増えているのは誤差の範囲としても、これは、ほぼすべてのアクリルアミドが抽出液に出ていることを示していて、90%以上が豆に残っているというのは間違いです」

  「はいはい、おっしゃることはわかりました。私どもこの点については勇み足かもしれませんが、このA/Bの所は食品分析センターさんの方にも見てもらったんですけどね」

  ――「本当ですか?もう一度食品分析センターに確認した方がよくないですか?」

  「おっしゃることも理解できますので、もう一度確認するようにします。ただ我々としては、コーヒーに含まれるアクリルアミドはそんなに過度に恐れるものではないということを言いたかったわけです」

  ――「コーヒー協会が安全だと主張したい気持ちはわかりますが、その根拠として示されているデータが間違いだとすると、説得力がぐっと落ちますよね」

 「おっしゃっていることはよくわかります」

  ――「もし、間違いだと確認されたら、訂正をされた方が良いと思いますよ」

  「はい、こちらでも再度チェックしてみますので、よろしくお願いいたします」

  すると翌日5月2日に、コーヒー協会の文書は訂正され、問題の個所はきれいに削除されていた。

  しかし、訂正したということが示されていないのは問題だ。4月3日付の文書は消され、5月2日付の文書に置き換えられただけなので、初めて見る人は、日本コーヒー協会は文書を訂正したとは、分からないだろう。

  コーヒー協会が当初「アクリルアミドはコーヒー抽出液にはほとんど溶け出さないので問題ない」と主張していた事実が隠されてしまったのだ。

 ◇産経はなぜ訂正した事実を読者に伝えないのか

 しかし、産経新聞の記事は間違いのまま残っている。特に産経新聞は記事を全文ウェブ上で無料公開しているので、今後も閲覧される頻度は高い。

 間違いは訂正する必要があると思い、問題の記事を書いた平沢裕子記者の個人メールあてと、産経新聞社のお問い合わせ窓口に、記事の訂正を勧めるメールを5月10日に送ったが、産経の対応は、読者に対しても社会に対しても、極めて不誠実なものだった。

 業界団体が業界利益のために嘘をつくのはよくあることだが、それに新聞まで乗せられたら、フェイクニュースで世の中が汚染されてしまう。

  5月14日に平沢裕子記者から返信があった。

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友問題スクープ記者を“左遷” NHK「官邸忖度人事」の衝撃

日刊ゲンダイ 2018年5月17日

 「皆様のNHK」どころか、これでは“安倍様のNHK”だ。森友学園問題に関するスクープを連発していたNHK大阪放送局の記者が突如“左遷”されるというのだ。安倍政権の急所である森友問題を報道させないための“忖度人事”ではと、NHK内部に衝撃が走っている。

 森友問題を最初に指摘した木村真豊中市議が15日、フェイスブックに〈大阪NHKの担当記者さんが、近く記者職から外されるということです!〉〈NHKが「忖度」したということなのか〉と投稿し、物議を醸している。

 これを受け、日刊ゲンダイが調べたところ、木村氏が言及したA記者は現在、大阪放送局の報道部の副部長だが、来月8日付で記者職を離れ、番組チェックなどを行う「考査室」へ異動する内々示が出されたという。

 「考査室は、定年間際の社員が行くような部署で、悪くいえば“窓際”。A記者は昨年、森友問題が発覚した後、いち早く籠池前理事長のインタビューを行い『籠池に最も近い記者』とメディア関係者の間で一目置かれていました。今年4月4日の『財務省が森友学園側に口裏合わせ求めた疑い』をスクープしたのもA記者。文書改ざん問題など、検察の捜査が進んでいて、真相究明はまさにこれからというタイミングだけに、A記者も上層部に記者職を継続したいと伝えていた。なのに“考査室”ですからね」(NHK関係者)

 スクープ記者がいなくなれば、安倍首相を追い詰めるような森友問題の報道はNHKからガタ減りするだろう。やはり“忖度人事”なのか。

 A記者に話を聞こうとしたが、「私の立場ではお答えすることはできません」と口をつぐんだ。NHKに問い合わせると、「職員の人事に関して、原則、お答えすることはありません」(広報局)と返答した。

  前出の木村市議はこう言う。

 「スクープ記者を外すようではNHKは終わりです。視聴者を見て番組を作っているとはいえず、今後、受信料を払いたくないという国民も出てくるのではないでしょうか」

 NHKの森友報道をめぐっては、先日、共産党議員の国会事務所に〈森友報道をトップニュースで伝えるな〉と、上層部が部下に指示したとのNHK内部からとみられるタレコミもあった。いったい誰のための公共放送なのか。