「東京新聞」こちら特報部 2023年12月14日
◆民間被災者に補償しない国に憤り
1945年6月18日、自宅を焼夷(しょうい)弾が直撃。18歳で両手など全身にやけどを負い、5カ月も意識不明になった。硬直した手が動くまで3年。その後も後頭部に残った爆弾の破片で頭痛に悩まされた。2019年には、焼けた右手が突然はれ、皮膚がんで手術した。
政府は元軍人らに60兆円超を補償してきたが、木津さんの手紙は「民間人には、いまだに何の援助もしてくれません。なぜなのでしょうか」と問いかける。国と雇用関係がないからという論理に「国に関係した者(公務員)しか国は守らない」「第二次大戦の当事国で、そんなことを言っているのは日本だけ」と憤る。
◆「一人前の国民と認められて死にたいのに」
超党派の国会議員連盟が障害者への一時金や被害調査を柱とする救済法案をまとめているが、自民党内の手続きが進まない。手紙は、名古屋空襲で左目を失い101歳で死去した杉山千佐子さんの「(元軍人らと同じように)一人前の国民と認められ、日本人として死にたい」という言葉に触れ、訴えた。「『日本に生まれてよかった』と思って旅立てるように、なにとぞお願い申し上げます」
これまでもやるせない思いを書いては、首相や報道各社に送ってきた。電話すると、「もうだめ。書いてて手が震えちゃうんだよね」。最後の手紙は10月末から少しずつ書いたそうだ。友人にワープロ打ちしてもらい、手書きのあいさつ文を添えて送ったという。
政治資金問題に揺れる国会を「議員は自分の金もうけばかり。一般国民は困っているのに」と嘆く木津さん。これからも話を聞かせてほしいという申し出を快諾しつつ、長年抱いてきた思いを語ってくれた。「お金じゃないんです。ただ一言『大変でしたね。申し訳なかった』という言葉がほしかった」
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あちらこちらのニュース記事を読んでいると、やはり年末である。今年を振り返る記事がボツボツと出始めた。そんな中見つけた東京新聞の記事。やるせない氣持ちだ。こんな政権が戦争にのめりこんでいる。際限のない防衛費はやめようではないか。そして地球を救ってほしい。
よく降った。