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レジ袋有料化も意味無し?空気中にも漂うマイクロプラスチックの恐怖

2022年05月13日 | 自然・農業・環境問題

まぐまぐニュース!2022.05.12

    by 『きっこのメルマガ』

恐怖のマイクロプラスチック

あたし的には「マジですかーーーー!!」ってレベルの大事件なのに、世の中的には何事もなかったかのようにスルーされ気味なのが、すでに今さら感もある「プラスチックごみ」による海洋汚染の問題だ。日本では3年前に当時の環境大臣だった小泉進次郎が「レジ袋有料化」を推進し、その後は「ストロー廃止」が声高に叫ばれるようになった。この辺の流れは、この問題に興味のない人も覚えてるだろう。

で、この問題がどうなったのかと言うと、この直後に新型コロナが始まったことで、もはや「プラスチックごみ」などどうでも良くなった。それどころか、スーパーの揚げ物コーナーや焼き鳥コーナーなど、自分の買いたいものをお客が自由にトングで取ってパック詰めするバイキング方式だった売場が、新型コロナ対策として、最初からコロッケが1個ずつ、焼き鳥が1本ずつ、個別の容器に入れられて売られるようになった。これは、プラスチックごみの大量増加の一端だ

そもそもの話、日本は毎年800万~850万トンのプラスチックごみを出し続けてるけど、このうちレジ袋が占める割合は全体の2%、ストローに至ってはわずか0.1%、両方を完全にゼロにできたとしても、プラスチックごみの総量は2.1%しか減らないのだ。これほどの「焼け石に水」の政策が他にあるだろうか?そして、日本のプラスチックごみの70%を占めるコンビニ弁当などの「容器類」は、何の規制もかけずに野放し状態だ。そのう上、新型コロナによって使い捨ての個別容器が大量増加したんだから、これじゃプラスチックごみなど増えこそすれ減るわけなどない。

結局のところ「レジ袋有料化」も「ストロー廃止」も、安倍政権が始めた「やってる感だけ政策」の一環だったというわけだ。そして、その後は新型コロナが始まったことで、世の中はプラスチックごみどころじゃなくなり、現在に至るというわけだ。ま、これはこれで大問題だけど、今回、あたしが言いたいのは、こうした政治的な問題じゃなくて、もっと根本的な「プラスチックごみ」の問題、とりわけ「マイクロプラスチック」の問題についてだ。

…そんなわけで、人類が製造し続け、廃棄し続けるプラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、化学繊維など様々で、廃棄されたこれらのプラスチックが、肉眼で見えるか見えないかくらいまで小さくなったものがマイクロプラスチックだ。環境的な視点や科学的な視点などにより、直径5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼ぶケース、直径1ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼ぶケースなどがあるけど、あたしが最も問題視しているのは、肉眼では見えないほど小さくなったナノレベルのマイクロプラスチックだ。

何故なら、プラスチックはどんなに小さくなっても自然に還ることはないので、原因を作った人類が責任を持って回収するしかない。でも、世界中の海水に混じっている肉眼では見えないマイクロプラスチックをすべて回収するなんて、福島第1原発で増え続ける殺人レベルの高濃度放射能汚染水を欠陥アルプスで完全に無毒化するような話で、正直、逆立ちしたって不可能だ。それに、マイクロプラスチックがあるのは海の中だけじゃない。海流に乗って世界中へと拡散し続けるマイクロプラスチックは、水蒸気と一緒に蒸発し、雨に混じって世界中の野山や田畑、水源地などへ降りそそいでいる。

ちなみに、人類がプラスチックを量産し始めた1950年代は、世界の生産量は年間に200万トンだった。だけど、現在は年間に3億8,000万トン、当初の200倍となっている。もひとつちなみに、これまでに人類が製造したプラスチックの総量は約83億トンで、このうち76%に当たる約63億トンが廃棄された。そして、この廃棄された約63億トンのうち、リサイクルされたのはわずか9%だけ、焼却処分されたのはわずか12%だけ、残りの79%に当たる約50億トンのプラスチックごみは、すべて埋め立て処分か海洋投棄、つまり、自然環境へ丸投げされた。これが、現在のマイクロプラスチックの元となっている。

世界のプラスチックの生産量は、今も毎年5%ずつ増加し続けている。そして、このまま増産し続けると、2050年までに累計330億トンのプラスチックが生産され、このうち少なくとも120億トンが埋め立て処分や海洋投棄など、自然環境へ廃棄されることになると試算されている。つまり、このまま行くと、あと30年も経たずに、これまでに埋め立て処分や海洋投棄された総量の2倍以上のプラスチックごみが、新たに自然環境へ廃棄されることになるわけだ。

…そんなわけで、世界でプラスチックごみの海洋汚染の問題が指摘され始めたのは、今から18年も前の2004年頃だ。だけど、当初は、ウミガメやイルカなどに切れて流された定置網などの漁具が絡まって命を奪ったり、クジラがイワシの群れなどを飲み込む時に海を漂うレジ袋などのプラスチックごみも一緒に飲み込んでしまったり、水鳥の脚やくちばしに釣り人が捨てて行った釣り糸が絡まって飛べなくなったりエサを獲れなくなったり、こうした「大きなプラスチックごみ」が問題視されていた。

そして、2008年頃からはマイクロプラスチックにも目が向けられるようになったけど、それでも環境問題としては、やっぱり「大きなプラスチックごみ」を少しでも減らすことが最優先課題とされ続けていた。そして、その潮目が大きく変わったのが、今から4年前の2018年だった。この年の9月、10月、11月と、マイクロプラスチックに関する大きな研究論文が3つ、立て続けに発表され、そのどれもが、あたし的には本日2回目の「マジですかーーーー!!」ってレベルの大事件だったからだ。

まず、その先陣を切って2018年9月に発表されたのが「市販のペットボトル入りミネラルウォーターの大半にマイクロプラスチックが混入していた」という驚愕の報告だ。ニューヨーク州立大学フリードニア校でマイクロプラスチック問題に取り組むダン・モリソン教授の研究チームが、アメリカを始め世界9カ国で製造され、世界各国に流通している国際ブランドのペットボトル入りミネラルウォーター11銘柄、計259本を検査したところ、このうち93%に当たる240本からマイクロプラスチックが検出されたのだ。

混入していたマイクロプラスチックの数は、ボトル1本につき数百個から1万個超とバラつきがあり、同じ箱に入っていた同じ銘柄のボトルでも、多いものと少ないものに極端な差があったという。また、混入していたマイクロプラスチックの大きさは、6.5~100ミクロン超。100ミクロンと言えば髪の毛の太さと同じくらいなので、肉眼でも見える大きさだ。モリソン教授によると、肉眼でも見える100ミクロン超のマイクロプラスチックは、その50%以上がポリプロピレンだったという。これはボトルのキャップと同じ材質なので、製造過程でキャップの破片などが混入したケースも考えられる、とのこと。

だけど、ナイルレッド染色法というマイクロプラスチック分析技術の第一人者でもある英イースト・アングリア大学のアンドルー・メイズ上級講師は「これまでも、水道水やビール、その他多くの飲料や食品からマイクロプラスチックが検出されたという報告があるが、ミネラルウォーターをここまで大規模に調査したのは、私の知る限り初めてだ」と述べ、全体の93%という混入率の高さについては「水源からの混入」を指摘、1本当た1万個超という異常な混入量については「一部のブランドは濾過せずにボトル詰めしているのかもしれない」と推察した。

そして、この驚愕の報告に続き、1カ月後の2018年10月に発表されたのが「世界で販売されている9割の食塩からマイクロプラスチックを検出」という、これまた驚愕の報告だった。これは数年前、海水から精製された食塩から初めてマイクロプラスチックが検出されたことを受けて、韓国の仁川(インチョン)大学の海洋科学者、キム・スンギュ教授の研究チームと国際環境NGO「グリーンピース東アジア」の合同チームが行なった世界規模の調査だ。

合同チームは、欧州、北米、南米、アフリカ、アジアの合計21カ国から集めた市販の海塩、湖塩、岩塩、計39銘柄を分析した結果、92%に当たる36銘柄からマイクロプラスチックが検出された。そして、マイクロプラスチックの含有量を地域別で比較すると、アジアの食塩の含有量が突出していた。中でも最大の含有量だったのがインドネシアの海塩なんだけど、インドネシアと言えば、プラスチックごみによる海洋汚染が世界ワースト1位の中国に次いで、世界ワースト2位の国だ。

まあ、当たり前っちゃ当たり前のことだけど、インドネシアに限らず、プラスチックごみによる海洋汚染がワーストランキング上位の国で製造されている海塩は、どれもマイクロプラスチックの含有量が多い。その一方で、プラスチックごみによる海洋汚染などない国の海塩からも、マイクロプラスチックが検出されている例が数多くある。これは、すでにマイクロプラスチックが海流に乗って世界中へ拡散してしまっていることの証左にほかならない。

また、この調査では、海塩だけでなく、湖塩や岩塩からもマイクロプラスチックが検出されている。これは、最初に書いたように、海流に乗って世界中へ拡散したマイクロプラスチックが、水蒸気と一緒に蒸発し、雨に混じって世界中の野山や田畑、水源地などへ降りそそいでいることを意味している。そして、その水源地へ降りそそいだマイクロプラスチックが、世界各国のミネラルウォーターの9割以上を汚染しているのだから、それこそハンパな量じゃないだろう。

…そんなわけで、2018年9月の「市販のミネラルウォーターの93%にマイクロプラスチックが混入」、翌10月の「市販の食塩の92%にマイクロプラスチックが混入」という報告に続き、さらに翌11月に発表されたのが「ホタテガイの全身にマイクロプラスチック残留の可能性」という、これまたゾッとする報告だった。ただし、これは、水揚げされたホタテガイからマイクロプラスチックが検出された、という話じゃない。ムール貝を始め、様々な食用の貝からマイクロプラスチックが検出されるという事例が相次いでいたため、貝類がどのようにマイクロプラスチックを摂取するかを研究したものだ。

イギリスのプリマス大学国際海洋研究センターのリチャード・トンプソン所長がリーダーとなり、スコットランドやカナダの海洋科学者も招いた研究チームは、英国沖で採取したマイクロプラスチックを含有していないヨーロッパホタテガイを使い、マイクロプラスチックの摂取状況を調査した。まず、追跡可能なラベル付きのナノサイズのマイクロプラスチックを用意し、ホタテガイが生息する海域のプラスチック濃度と同じ濃度の海水を水槽に作り、そこにホタテガイを入れた。

すると、ウイルスほどの大きさの24ナノメートルのでマイクロプラスチックは、わずか6時間で、ホタテガイの腎臓など主要臓器だけでなく、えらや筋肉など全身に行き渡ったという。次に、約10倍の大きさの250ナノメートルのマイクロプラスチックで実験したところ、こちらもわずか6時間で吸収したけど、全身には行き渡らず、内臓だけに蓄積したという。つまり、同じ素材のマイクロプラスチックでも、その粒子が細かくなればなるほど、筋肉など内臓以外にも蓄積されるということだ。

そして、マイクロプラスチックを含まない海水にこれらのホタテガイを戻すと、24ナノメートルのマイクロプラスチックが14日間ですべて排出されたのに対して、250ナノメートルのマイクロプラスチックは48日後も残っていたという。つまり、小さな粒子のほうが排出されやすく、粒子が大きくなるとなかなか排出されなくなる、ということだ。ま、どちらにしても、6時間で吸収したマイクロプラスチックをすべて排出するのに早くても14日間も掛かるのなら、マイクロプラスチックを含有した貝類は、ほぼそのままの状態で食卓に上っていることになる。

…そんなわけで、最初の2018年9月の「市販のミネラルウォーターの93%にマイクロプラスチックが混入」との報告を受け、翌2019年8月、WHO(世界保健機関)は「水道水とペットボトル入りミネラルウォーターに含まれるマイクロプラスチックは、現状、人体に影響を与えることはない」という耳を疑うような公式見解をリリースした。だけど、このトンデモ見解の裏側には、日本でもお馴染みの世界最大手のミネラルウォーターのメーカーから、厳しい突き上げがあったと言われている。

そのため、WHOもメーカーの手前、一応は「人体に影響を与えることはない」とは言ったものの、その後に「ただし、この見解は限られた情報からの判断であり、引き続き多くの調査が必要だ」と付け加えた。でも、いくらサジェスチョンを補足したとは言え、天下のWHOが、最大でペットボトル1本に1万個超ものマイクロプラスチックが混じっているミネラルウォーターを「人体に影響を与えることはない」と断言したのは、あまりにも軽率&無責任だ。

それに、この3年前の2016年、EFSA(欧州食品安全機関)が行なった調査では、飲料や食品などに含有されていたことで人間が摂取してしまったマイクロプラスチックは、数日から数週間で約90%が体外に排出されるが、約10%は体内に蓄積されると報告されている。その上、体内に蓄積されたうちの何割かは血液にも混入しているが、人体にどのような影響があるか、現時点では分かっていないとも報告されている。

血液に混入したマイクロプラスチックが、もしも排出されずに蓄積され続けるのだとしたら、いくら顕微鏡でなきゃ見えないほど小さな粒子だとしても、いつかは血管が詰まって動脈瘤になるかもしれないし、脳の血管が詰まって脳に障害が起こるかもしれない。もしかすると、すでに世界で発症した動脈瘤や脳障害の何パーセントかは、このマイクロプラスチックが原因かもしれない。何しろ、発見から20年近くも過ぎたマイクロプラスチックなのに、その調査と研究は遅々として進んでおらず、未だに「人体への影響は不明」のままなのだ。

そして、ハッキリ言うと、あたしたち現代人がマイクロプラスチックから逃れる術はない。何故なら、マイクロプラスチックは、海水や水道水やミネラルウォーターやビールやジュースや数々の食品に混入しているだけでなく、空気中にも浮遊しているからだ。

ミツバチは体毛や脚などに花粉を付けて運搬するけど、巣に戻ったミツバチを調べたところ、花粉と共に数多くのマイクロプラスチックが付着しており、飛行中に付着したことが分かったという。2021年4月、デンマークで行なわれたミツバチの追跡調査では、なんと1匹のミツバチから13種ものマイクロプラスチックが検出されている。

そして、さらに空気中の浮遊を証明したのが、今年2022年4月、つい最近の話だけど、イギリスの研究チームの報告だ。この最新の報告によると、病院で肺の手術を受けた11人の患者の計13の肺の組織サンプルのうち、計11のサンプルから1ミクロンより小さいナノサイズのマイクロプラスチックが検出されたという。それぞれの患者の病名までは分からないけど、もしかしたら何人かはマイクロプラスチックが病気の原因だったかもしれない。

また、同じく今年の春、オランダの研究チームが健康な献血者22人の血液を調べたところ、17人の血液から、やはりナノサイズのマイクロプラスチックが検出されたという。血液からの検出は過去にもあるけど、もしかするとナノサイズのマイクロプラスチックは、飲食だけでなく、空気中のものが肺を経由して血液に混入するのかもしれない。

…そんなわけで、昨年2021年に九州大学の研究チームが行なった最新の調査では、世界の海の上層部には約24兆4,000億個のマイクロプラスチックが漂っているという。これは、500ミリリットルのペットボトルで約300億本に相当する量だ。もちろん、これは海だけの量で、陸上のものや空気中を浮遊しているものも含めれば、さらに多くなる。そして、これらのマイクロプラスチックには、1万種を超える化学物質が使われている。昨年の報告では、1つのプラスチック製品に最大で8,681種もの化学物質と添加剤が使用されていた例もあるという。そして、この1万種を超える化学物質のうち、少なくとも2,400種以上は人体への悪影響が指摘されている。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに、WHOの2019年の「人体に影響を与えることはない」という根拠なき見解を錦の御旗として、プラスチックの増産を続ける大企業の皆さん。どうして目の前で起こっている現実を見ようとしないのか。レジ袋だストローだと消費者1人1人が努力をしても、最初に書いたように「焼け石に水」、日本のプラスチックごみの70%を占めるコンビニ弁当などの「容器類」を廃止しなきゃ何も変わらない。

だけど、これは法律で規制するような話じゃなく、企業側が自主的にチャレンジすべき課題だろう。2015年9月の国連サミットで、加盟国の全会一致で「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されて7年、そろそろ大企業もカネ儲けだけでなく、少しは「地球への還元」を考える時期だと思う。

たとえば、日本には「曲げわっぱ」という素晴らしいお弁当箱の技術があるのだから、廃材のウッドチップを煮沸消毒し、超高圧で圧縮して薄い板状に加工し、安価で環境に優しい使い捨ての「曲げわっぱ」を開発する。海苔のパリパリ感だけのために、おにぎりを二重包装したりせず、おにぎりは昔のように竹の皮で包む。莫大な内部留保を寝かせている大企業なら、最低限、これくらいのことはしてほしい。

(『きっこのメルマガ』2022年5月11日号より一部抜粋・文中敬称略)

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「資本主義」の限界であろう。
空気中の浮遊が増えているとなれば水鳥だけでなく、すべての鳥たちにも影響があるということだ。

昼から本格的な雨となりハウスも開け閉めなく、早々と引き上げ、ふきの調理を。

菜の花情報。
昨日の気温でかなり咲いている。満開まではまだ何日かかかるであろうが十分楽しめる景色となった。




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