里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状ーどこまで落ちる日本

2023年12月11日 | 自然・農業・環境問題
ニューズウィーク日本版 2023.12.11
 
どこまで落ちる日本...COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状
どこまで落ちる日本...COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状© ニューズウィーク日本版

「気候変動パフォーマンス指数(CCPI)」2024年版。赤くなるほど評価が低い

<ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障への懸念が強まり、多くの国で気候変動政策が停滞している>

[ドバイ発]アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で8日、恒例の「気候変動パフォーマンス指数(CCPI)」2024年版が発表された。COP28で2度にわたって不名誉な「今日の化石賞」に選ばれた日本は63カ国と欧州連合(EU)の中で前年の50位からさらにランクを8つ下げ、58位に沈んだ。

環境や気候変動問題のシンクタンク「ジャーマンウォッチ」と「ニュークライメート・インスティチュート」、国際環境団体のネットワーク「CANインターナショナル」が05年から19年連続で発表している。昨年のロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障への懸念が強まり、多くの国で気候変動政策が停滞している。

2大排出国の中国は前回と同じ51位で、米国は前回より5つ順位を下げて57位。日本、台湾(61位)、韓国(64位)は、石炭を消費しながらも急ピッチで気候変動対策を進める中国より評価が低かった。COP28議長国のアラブ首長国連邦(UAE)、イラン、サウジアラビアが最下位の65位から67位までを占めた。

日本は良い目標が設定されていない

Fullscreen button
 
どこまで落ちる日本...COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状
どこまで落ちる日本...COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状© ニューズウィーク日本版

右がニュークライメート・インスティチュートのヘーネ教授。左がジャーマンウォッチのヤン・ブルク氏(筆者撮影)

共同執筆者の一人、ニュークライメート・インスティチュートのニクラス・ヘーネ教授は「自然エネルギーがブームとなり、各国政府は継続的に自然エネルギー目標を更新している。一方で気候変動政策の策定は全般的に鈍化した。比較的野心的な気候政策を行っている国のデンマークでさえ昨年10月の総選挙以降、気候変動対策がほぼ停止している」と指摘する。

ジャーマンウォッチのヤン・ブルク氏は「各国は既存の対策や目標を土台に努力を積み重ねる必要がある。再エネ容量を3倍にし、エネルギー効率を倍増させ、30年まで化石燃料の石炭、石油、ガスの使用を大幅に削減する拘束力のある決定がなされればパリ協定に沿った道筋を開くことができる」と語る。

日本がランクを落としていることについて、ブルク氏は筆者の質問に「日本の評価が低いのはすべてのセクターで非常に低い目標を設定していることや、1人当たり排出量に大きく関係している。温室効果ガスや再エネ、エネルギー消費に関して良い目標が設定されていない。ただ、新しい再エネ発電の建設を始めているのは良いトレンドだ」と答えた。

世界の統計サイト「ワールドメーター」によると、日本の1人当たり二酸化炭素排出量は9.76トンで世界26位。ブルク氏は「日本が石炭や他のエネルギー源に対して自然エネルギーを増強する傾向を続けるならランキングが上昇するチャンスはある。しかし過去に比べてはるかに速いスピードでなければならない」と警鐘を鳴らす。

日本の「取り残され感」はCOP28でもはや決定的となった。

経済を犠牲にしてまで対策を進める気はない中国

中国を抜いて世界で最も人口の多い国になったインド(14億人)は7位にランクされた。評価が高い理由は1人当たりの排出量やエネルギー消費量が少ないことだ。自然エネルギーを積極的に拡大しているが、石炭への依存度は依然として高い。インドは再エネの割合を増やし、化石燃料への依存を減らす必要があるが、30年の再エネ目標は低すぎる。

インドは相対的な排出量目標を設定し、他国よりも自然エネルギーの開発を進めている。非常に低い水準にある排出量は増加しているとはいえ、奇跡的な高度成長を遂げた中国ほど高い軌跡をたどっていない。自然エネルギーの拡大により排出量を減らすことができなければインドは目標を達成できないという。

中国に次いで世界第2の排出国、米国の専門家は気候変動に関連したインフレ抑制法が再エネへの大規模な投資につながったことを歓迎している。しかしあらゆる分野でより具体的な政策の実施が求められている。パリ協定から離脱したドナルド・トランプ前米大統領が来年の大統領選で返り咲いた場合、状況をさらに悪化させる恐れがある。

11位から20位に転落した英国

世界の排出量の8割を占めるG20で高い評価を受けたのはインド、ドイツ(14位)、EU(16位)だけ。最下位サウジアラビアの1人当たりの排出量は着実に増加している。その一方で悪名高きジャイル・ボルソナロ前大統領からルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領に交代したブラジルは15も順位を上げ、23位になった。

ルラ氏は前大統領の問題のあるいくつかの政策を撤回。植林計画や再エネの加速は肯定的に受け止められた。しかし化石燃料の生産を拡大しており、パリ協定目標を達成できない恐れがある。ブルク氏は「ブラジルの動向に期待は持てるが、G20全体として自然エネルギー拡大を大幅に加速し、化石燃料をできるだけ早く段階的に廃止しなければならない」という。

英国は11位から20位に転落。リシ・スナク首相はガソリン車、ディーゼル車の新車販売禁止を30年から5年間先送りするなど、気候変動対策を進めるいくつかの法案を撤回した。「英国で起きていることは私たちが必要としていることとは正反対だ。政府は新たな炭鉱を承認し、北海で何百もの新たな石油・ガス採掘許可を与えた」(ジャーマンウォッチ)

CANインターナショナルのシニアオフィサー、ジャネット・ミロンゴ氏は「化石燃料の最大生産国および輸出国が最悪のパフォーマンスを見せていることを改めて示している。すべての国家は公正、公平かつ迅速な方法で、100%再エネシステムへのスケールアップに向け、すべての努力と資金を集中させるべきだ」と指摘している。


地球を守るためにも早い政権交代が望まれる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。