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「捨てたくない本」プロジェクト

2020年01月15日 | 社会・経済

ハフポスト はじめてのSDGS 2020年01月13日 
「捨てたくない本、売ってます」無印良品も協力する新しい「古本屋」の仕組み
「例え会社がシュリンク(縮小)していったとしても、そこにいるみんなが幸せでいられる状態をつくりだすこと」
    サステナブル・ブランド ジャパン 

  ハフポスト はじめてのSDGS 2020年01月13日 

 
古書店・バリューブックス(長野・上田)が廃棄される多くの本を再生するユニークな取り組み「捨てたくない本」プロジェクトに挑んでいる。同社に送られてくる買い取り希望の本は毎日2万冊。そのうち1万冊は値が付かず、本来は捨てられてしまうという。同社はこれらの本を再び選別し、例えば格安で書棚に並べたり必要な場所に寄付する。この課題意識に良品計画が賛同し、一部の「無印良品」店舗で販売するなど着実に取り組みを広げている。バリューブックスが社会の共感を得るのはなぜか。その秘訣を探ってみよう。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)
 
バリューブックスはAmazonなどのインターネットで古本を販売する古書店だ。自社サイトから本の買い取りも行う同社に毎日届く約2万冊の古本のうち、インターネット市場で再び販売できるのは半分の約1万冊。残りの約1万冊は値が付かず、その多くは「廃棄本」 となってしまう。廃棄本は古紙回収に出され、再生紙として活用されるが、本は本としての役目を終える。

売れない本を買い取ることはできず、ほとんどの場合はバリューブックスが引き取ることになる。しかしいつまでも倉庫に置いておくことはできない。
捨てたくない本、売っています
「インターネット市場での価格は、状態や発刊年だけでなく需要と供給のバランスが大きく影響します。値が付かない本の多くは、読めない状態だったり内容が面白くない、ということではないんです」こう話すのはバリューブックス取締役の中村和義氏。廃棄本は同社だけで発生しているわけではなく、大型の古本屋ならばどこも同様に発生しているという。

査定で値が付かなかった本をもう一度選別して、救出する――。選別した本は、ブックバスで地域の小学校に「ブックギフトプロジェクト」として届けるほか、被災地や学童施設などにも寄付したり、実験的な店舗「バリューブックスラボ」で文庫3冊100円といった格安で販売する。
 
このような活動にももちろん、コストがかかる。現在では朝9時から休憩を挟んで14時頃まで、3-5人のスタッフが一冊一冊を目視で、寄付先や置き場所にふさわしい本を選別している。そうまでして「本を本として」流通させることにこだわる理由は何か。

「単純にもったいない、ということに尽きます。それに、本には持ち主の思い入れがあります。スペースの問題などで手放さざるを得なかったとしても、ほかの誰かに読んでもらったほうがいい、と思われる方も多いのかなと思っています」(中村和義氏)

本をどう扱っているかを、サービスの利用者も見ている。結果として「本を売るときにはバリューブックスに売ろう、という動機になれば嬉しいです」と中村和義氏は話す。もちろん、資源という観点でも、本が本の価値を損なわないほうが長く社会で活用されることになる。

共感する企業も現れた。「無印良品」などを展開する良品計画は、本を扱う実店舗に「捨てたくない本」の書棚を設けることにした。現在は京都山科とシエスタハコダテの2店舗で取り扱う。毎月担当者が上田市のバリューブックス倉庫を訪れ、無印良品の店舗に置く本を選別している。
 
古書店の慣習や常識を覆す取り組み
バリューブックスはこれまでも、一般的な古書店とは一線を画す取り組みをしてきた。

例えば、送られてきた本の買い取り査定額をそのままNPOなどに寄付する「チャリボン」では、売り手に支払うお金の行き先を変えた。利用者の立場では、本を売る動機がお金ではなくスペースの問題などであることも多く 、そうした場合「良いことに使われるなら」と思う人が多いことは想像に難くない。感覚的には「本を寄付する」という行動だろう。

また「VALUE BOOKS ECOSYSTEM(バリューブックス・エコシステム)」は、古本の売り上げを一部の新刊出版社に還元するという常識破りの取り組みだ。還元されるのは「値崩れしない本ばかりを作っている出版社」。創業から10年以上のデータを見ると「古本として出されても90%以上に値が付き、買い取り可能な出版社がある」と気付いた。長く読み継がれる本をつくっている出版社に利益を還元することで、廃棄本を減らす「本の循環」システムをつくることが狙いだ。
 
「成長することは会社の目的ではない」
これらの取り組みは利用者の共感を得て、2007年の創業以来、右肩上がりで成長を続けてきた。しかし「無理に会社を成長させることをやめたんです」と話すのは創業者の中村大樹氏(以下、大樹氏)。「成長は会社の目的ではないように感じます」という。

そもそも「僕は会社を『古本屋』と決めているわけではないんです」と大樹氏はいう。バリューブックスは大樹氏が「生活するために」せどり(古本などを安く仕入れ、利益を上乗せして売ること)を始めたことがきっかけで創業した会社だ。

大樹氏は古書店の業界慣習やルールに詳しかったわけでもない。「古書店」という枠にとらわれず、必要なものは工夫してシステムやハードをつくりながら事業を拡大してきた。転機が訪れたのは3年前だという。

「成長のために誰かが犠牲になるということが社内でも起こっていました。それで、無理をするのをやめたんです。僕は株主でもありますが、利益目標を会社のお題として提示していないんです。規模感や成長ではなく、例え会社がシュリンク(縮小)していったとしても、そこにいるみんなが幸せでいられる状態をつくりだすこと。会社の目的のひとつはそこにあると思っています」

「成長」を目的にしないことを明確にしたことで、業績の伸びも緩やかになった。現在は正規・非正規という社会制度に囚われず、誰もが自分の意思に基づいて行動できる環境をどのようにつくるか、組織を変革している最中だという。


ビジネストランスフォーメーションの秘訣は
 
「ゲームのルールが変わってきているように思うんです」と大樹氏は分析する。

「必ずしも会社が大きくなって、たくさんのお金を稼げたほうが幸せだとは限らないということを、僕たちの前の世代の人たちが証明してくれました。じゃあどうしようか、というお題に変わっているんじゃないかと思います。もちろん生活のためにお金を稼ぐ必要がありますが。

人口は減少していくし、本は売れなくなっていく。全体的にシュリンクしていきます。右肩上がりで成長する中でのビジネスというゲームは、もう終わったんだと思います。『上場企業』『業界ナンバーワン企業』のポジションをとるというのは、いまのゲームにおいて不利なことが多いのではと思っています。上場企業は成長を約束しなければならないモデルで、売り上げ業界ナンバーワン企業は、シュリンクしていく状況にダイレクトに影響を受けるので――」

バリューブックスのミッションは「日本及び世界中の人が本を自由に読み学び楽しむことのできる環境を整える」ことだ。「古本」でなければならないわけではない。古書の取り扱いから始まったからこそ見える、いまよりも持続可能な「売るべき新刊」や「本のつくり方」、「流通」も見えてくるかもしれない、と大樹氏は今後に意欲を見せる。

大樹氏がいま集中的に取り組んでいるのは、本棚の写真から本の関連付けやアーカイブ、管理、独特のレコメンド、購入もできるようになるサービス。写真から仮の査定が手軽にできる現在の「本棚スキャン」サービスを進化させたものだ。

古書店、出版業の慣習や常識だけでなく、ともすれば強迫観念めいてしまう「成長」にすらとらわれず、「生活するお金を稼いで、気持ち良い社会になって、みんなが無理せず幸せになれたらいい」と素直に話す。社内でこういった姿勢を大上段に語ることはない。ミッションに沿ったプロジェクトの出発点は、従業員や関係者の「もったいない」など素朴な気持ちからだ。それこそが、社会の共感を得るビジネストランスフォーメーションの秘訣なのだろう。


総理大臣と記者との会食・・・!

2020年01月14日 | 社会・経済

総理大臣と記者との会食が引き起こしている問題の深刻さに気付かないメディア

YAHOO!JAPAN 2020.1.13
立岩陽一郎  | 「インファクト」編集長


年明け早々、メディアの在り方に少なからぬ人が怒りを覚えたことを、メディアは知らないようだ。それは、首相の動静をチェックしてツイッターで発信している「総理!今夜もごちそう様!」に書かれた内容だ。 

総理と記者の会食を伝えるツイート

「(店名)にて、いつもの腐れメンバー(朝日:曽我、毎日:山田、読売:小田、NHK:島田、日テレ:粕谷、日経:石川、田崎しゃぶ野郎)と総理はご会食なされました」 

そのツイートを1月12日に私がリツイートしたところ、たちまち2000を超えるリツイートで拡散した。常日頃の私のツイートに対する反応の実に100倍だった。 

ここは個々の参加者というより、参加の形態に注目したい。何れも日本を代表するメディアから1人が参加している。これが会食の肝であり、同時にそれが問題点であることは後述したい。 

この安倍総理と「くされメンバー」との会食は度々批判されてきた。それは、森友、加計問題から桜を見る会の問題にいたるまで、国民の多くが抱いている疑問に総理とその政権が応えていない中で、メディアが取り込まれているという印象が強くもたれているからだ。特に、桜を見る会については安倍総理は勿論、夫人の関与も明らかになっている。こうした中で「いつもの」のメンバーが総理と会食したという事実は、ジャーナリストの見識の無さを物語って余りある。 

一つ言えることがある。これは少なくとも私が知るアメリカのジャーナリズムの世界では記者の倫理違反になる。 

私はNHKに在職していた2010年から2011年まで、アメリカのジャーナリズム・スクールに在籍した。また、NHKを退職した2017年にも再び、フェローとして在籍した。 

そこで教えられることは、コンピューターやFOIA(情報公開法)を駆使した取材法などだが、実は、最も重視されているのが、ジャーナリストの倫理だ。これは基本中の基本として教えられるし、常に議論をしている。担当していたリン・ペリー教授は次の様に語った。 

「例えば、取材先と食事をしたり、取材先に過度な贈り物をしたりするのは、取材者としての倫理に違反することになります」 

ペリー教授はアメリカの全国紙であるUSAツデーで記者、デスクを経験したベテラン・ジャーナリストだ。私は次の様に問うた。 

「日本では、取材者は取材先の懐に入り込むことが重視されます。その際に、食事をしたり酒を飲んだりといったことが奨励されているが、それはアメリカでは違うのでしょうか?」 

ペリー教授の答えは明快だった。 

「私自身は30年近い記者生活で、取材先から食事に誘われたことは何度も有りますが、そうしたものに応じたことは有りません」 

つまりアメリカでも、取材される側がジャーナリストを食事に誘うことは有るということだ。では、ペリー記者はなぜ断ったのか? 

「それは単なる癒着だからです。例えば、取材先と親しくなって得た情報で記事を書いても、それは評価されません。それは単に、相手に利用されているだけとみなされる危険も有ります。そうなったらジャーナリストとしては終わりです」 

その時、なるほどと思わされたのは、日米のジャーナリズムの質の違いだ。それを説明する前に、補足しておきたい。 

情報は権力を持った人間に集まる。それは日本でもアメリカでも同じだ。その情報は、あらゆる人に対して甘い蜜を発する。だからアリが蜜に吸い寄せられるように日本のジャーナリストは権力に群がろうとする。 

その権力とは、総理大臣を頂点に、有力政治家、高級官僚、捜査機関のトップ、自治体の長、財界トップ、有力企業のトップなどだ。 

しかし、そうして得られる情報は、権力の側に都合の良いものであるケースがほとんどだ。結果、日本のメディアには権力側の広報機関のような報道が蔓延することになる。カルロス・ゴーン氏が検察、日産への批判と同時に、日本のメディアへの批判を展開したのはそれを指しているし、これまでもそうした批判は有った。 

ところが、アメリカのジャーナリストにとってその蜜は実はあまり甘くないということだ。 

元日本経済新聞編集委員でコロンビア大学ジャーナリズム・スクールを卒業している牧野洋氏も、その点を指摘する。 

「例えば、日米でジャーナリストに与えられる賞が有ります。アメリカではピューリッツアー賞、日本は新聞協会賞。日経は大型企業の合併をスクープしたとして何度か受賞しています。ところが、世界的な企業の合併を何度もスクープしているウォールストリート・ジャーナルはそれらでは受賞していない」 

そこに日米のジャーナリズムの違いが有ると牧野氏は指摘する。 

「合併の記事は何れは発表されるものです。それを先に書いただけのことで、それはアメリカでは評価されない」 

当然の話だが、企業の合併話とは、ジャーナリストが頑張って書かなくても何れ発表される内容だ。発表を待って書いたところで、社会にとって何の不都合もない。合併記事に限らず日本のいわゆる「スクープ」にはそうしたものが多い。否、正直言うと、ほとんどがそうしたものだ。そして、それが評価される。 

そう考えると、なぜ日本ではメディアが権力に吸い寄せられるのかが理解できる。それが「スクープ」を生み、自身のジャーナリストとしての評価を上げることになるからだ。その結果が、「いつもの腐れメンバー」による総理大臣との会食となる。 

例えば、「日米貿易協定の締結へ」とか「安倍総理、トランプ大統領と会談へ」、「ゴーン会長逮捕へ」などといった報道は、そうした日本ジャーナリズムの産物だ。 

しかし考えなければいけないのは、それはあくまで「」付きのスクープでしかないという点だ。否、ここは明確に書いた方が良い。何れ発表される内容を先駆けて書くのはスクープではない。本来、そこに日米の差は無い。それをことさら高く評価するのは日本のメディアの悪しき慣習でしかない。 

前出の牧野氏は、企業合併の「スクープ」には顕著な点があると指摘する。 

「そうした企業合併のスクープで使われる言葉が、『業界再編が加速する』です。つまり、それは良いこと、それによって社会が良くなるという意味付けをする。まさに、リークする側はそれを求めているわけで、それを思ったように書いてくれる記者にリークするわけです」 

つまり、後に発表される情報を先駆けて「スクープ」するという作業そのものが、ジャーナリズムが権力のしもべになる過程になっているということだ。 

そうなると更にわかりやすのは、「~へ」という記事が顕著なのはNHKの政治報道だ。それを「スクープ」と称して自画自賛している。勿論、あらゆる報道機関にとって政治日程を事前に入手することは意味が無いわけではない。事前に準備が進められるという内向きな側面以外にも、それを多くの人に知らせることに意味が有ることも間違いない。しかし、それを報じるためにのみジャーナリストが権力に吸い寄せられる現状はそろそろ終わりにしないといけない。 

ここで今回のツイートに戻りたい。安倍総理との会食に参加したのは主要メディアから各社1人だ。ここがまさに、安倍総理の狙いでもある。実は、日本の記者は他社との競争以上に、自社内での競争を意識している。これは間違いない。そうした心理をうまくついて、「あなたの会社で私が信頼しているのはあなただけです」と言葉を投げるわけだ。この「信頼」とは、裏を返せば、「あなたは私の信頼を裏切りませんね」ということになる。まさに、権力によるジャーナリストの懐柔以外の何物でもない。 

そう指摘すると、「私の筆は会食をしても鈍ることはない」と大見えを切る自称「大物記者」がいる。しかし、そうした記者が取材先を一刀両断にした記事を私は読んだことがない。 

この会食についてメディア各社は、「それは記者の個人的な取材活動だ」としてコメントを避ける。しかし、私のリツイートに書かれたコメントを読んでいると、そういう状況ではなくなっていることがわかる。 

例えば、コメントの中に次の様なものがあった。 

「毎日(新聞)が頑張っているので購読を始めたが、毎日(新聞)も参加していることを知り解約した」 

容易に想像がつくのは、この書き込みをした人は意識の高い人だ。そういう人にとって、記者が定期的に総理大臣と会食するという行為は、不祥事と等しく感じられるようになっているということだ。極めて健全な反応であり、その声を重く見た方が良い。 

ジャーナリストとはどうあるべきか?メディアの役割とは何か?もう一度、考え直す時が来ている。


立岩陽一郎 「インファクト」編集長
    調査報道とファクトチェックを専門とする「インファクト」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして主に調査報道に従事。政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。単著に「トランプ報道のフェイクとファクト」「NPOメディアが切り開くジャーナリズム」「トランプ王国の素顔」、共著に「ファクトチェックとは何か」など。


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食品ロス 減らさないのが「損」

2020年01月13日 | 食・レシピ

 東京新聞社説 2020年1月11日
 
 年末年始の宴会シーズンが終わると「恵方巻き」。食品ロスの季節は続く。国連に「減らしましょう」と言われるまでもなく、食べないものを買うなんて、家計簿的にも、もったいない。
 外食チェーン「ワタミ」のSDGs(持続可能な開発目標)推進本部長、百瀬則子さんは、昨年春の就任早々、全店からの食品ロスを、二〇三〇年までに半減する方針を打ち出した。
 食品ロスとは、食品廃棄物のうち、まだ食べられるのに捨てられてしまったものをいう。
 百瀬さんは以前、大手スーパーの環境・社会貢献担当執行役員として、生ごみのリサイクルに取り組んだ。
◆ジャガ芋に教えられ
 毎日、大量の食品ロスを出してきた。品質や味とは関係なく、その日焼いたばかりのパンや、おいしそうな弁当などが、閉店と同時に売り場の棚から、ごみ袋へ直行するのを見ていたからだ。
 「食品」と言っても、元は生き物、命をむだにしていることや、作り手の苦労を思うと、心が痛む日々だった。
 三年前、海外援助の非政府組織(NGO)の一員として、エチオピアの貧しい村を視察した。
 村人の家に招かれ、おもてなしを受けた。コーヒーの葉っぱでわかしたお茶と、ふかしたジャガ芋を一つ。その日の一家の糧を削って供してくれたのだった。 
 食べ物の貴さが、あらためて身に染みた。
 国内で発生する食品ロスは年間約六百五十万トン。東京都民が一年間に消費するのとほぼ同量が、ごみになる。
 温暖化による異常気象が世界を覆い、農業や漁業にも悪影響が広がっている。
 食料危機はもはや、途上国だけの問題ではなくなった。
◆「半減」が世界の目標に
 例えばフランス政府は、二五年までに一三年比で50%削減する目標を掲げている。
 農業省と食品企業との間で削減のための協定を結び、食べ残し食品の持ち帰りが可能なレストランをウェブ上に登録、紹介するなど具体策を進めている。
 日本でも昨年十月、「(三〇年までに)世界全体で一人当たりの食品廃棄を半減」というSDGsの目標を踏まえた「食品ロス削減推進法」が施行され、国民や企業、自治体などに、取り組みを求めている。
 外食産業における食品ロス削減のキーワードは「食べきり」だ。
 ワタミでは昨年の秋から全店で、宴会客に「30・10運動の声掛け」を試みている。
 「30・10運動」は、東日本大震災の年に長野県松本市で始まり、全国に広がった。宴会の乾杯後三十分と、お開き前の十分間は、食べることに集中するよう、幹事から呼び掛けるという取り組みだ。この取り組みを店の方から宴会客へ積極的に勧めることにした。
 持ち帰りも推奨する。プラスチックごみ削減の意味も込め、パックの素材を100%植物由来のものに切り替えた。
 「食品ロスの削減は、お客さまとのコミュニケーションから」と百瀬さんは、考える。
 もちろん外食産業の取り組みだけで、食品ロスはなくせない。
 日本全体で発生する食品ロスの約半分を家庭系が占めている。
 京都大地球環境学堂准教授、浅利美鈴さんらの食品ロス調査(一四年)によると、七千二百人以上の回答者のうち、魚介・肉類や豆腐・納豆類では二割以上、野菜・果物類については約四割が「ほとんど手付かずのまま廃棄したことがある」と答えている。
 「消費者の意識改革が結果に直結する希少な分野。私たち一人一人にできることが非常に大きいということは、間違いありません」と、浅利さんは断言する。
 消費者庁は家庭でできる食品ロス対策として、買い物の前に冷蔵庫をチェックする▽使い切れる分だけ買う▽「在庫一掃の日」をつくる▽余剰在庫をフードバンクに提供する-などを挙げている。
◆食品ロスは家計ロス
 ただ、「宴会の作法や冷蔵庫の中のことまで、とやかく言うな」という反発の声もある。
 だが、考えてみれば、食品ロスとは、膨大な経済ロスではないのだろうか。
 みずほ総研の試算では、スーパーと外食産業から出る事業系食品ロスのコストは、年間約七千五百億円にも上るという。廃棄費用も含め、結局は消費者負担ということになる。
 同様に、各家庭の冷蔵庫や食品棚の「不良在庫」は、不要な出費。食品ロス対策は、環境にやさしいだけではなく、家計にもやさしい行動なのだ。
 減らさないのが損(ロス)ではないか。


あすは成人の日 未来をつくる人たちへ

2020年01月12日 | 社会・経済

  東京新聞社説 2020年1月12日
 
 「大人たちだけが住む世界じゃない」-。暖冬の街で若者たちが心の声をしぼり出す。先月六日、浜松市の浜松開誠館中学・高校生が繰り広げた「グローバル気候マーチ」です。遠くスペイン・マドリードでは、温暖化対策の国際会議「COP25」が開催中でした。
 十七歳になったばかりの少女、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが二年前、たった一人で始めた「気候のための学校ストライキ」に共鳴し、世界中に広がった若者たちの抗議行動。開誠館の生徒にとっては昨年の九月に続いて二度目の試みです。
 約四百人が参加して「気候危機」の切実さを訴えました。
◆地球を守れ、未来を守れ
 横断幕を先頭に、市街地を約一時間。整然と行進しながら「地球を守れ」「未来を守れ」と声を上げました。
 中心になったのは「環境」や「貧困」「平和」といった国際社会の課題を学ぶ「グローバルコース」の生徒たち。
 学習を進めるうちに、気候危機の深刻さに気づき、考え、グレタさんのことも知り、生徒会を巻き込んで「グローバル気候マーチに参加したい」と、高橋千広校長に直訴しました。
 高橋校長も以前からグレタさんに共感を覚えており、グレタさんのように、自らの意思で一歩前へ踏み出そうとしている生徒たちを見て、「腹をくくって」応援することにしたそうです。
 生徒たちは、あと二つ、学校に「お願い」をしています。
 一つは、気候危機に関する意見広告を出したいと。
 農家出身の高林一文理事長は、温暖化の進行による田畑の荒廃、食料不足、ひいては飢餓の到来を常々憂慮していたといい、「生徒募集の広告を出す代わりに」と、これを承諾。「グローバル気候マーチ参加生徒一同」の<大人の皆さん、今を生きる者の責任と行動で地球の未来を救ってください。未来を生きていく私たちの切実な想(おも)いに耳を傾けてくださり、ありがとうございました>という訴えが、地元紙に掲載されました。
 もう一つは「RE100プロジェクト」への参加です。
 「RE100」とは「事業運営を100%再生可能エネルギーで行います」という、目標を掲げること。学校側は「大人としての責任だから」とこれも受け入れ、建設中の新体育館の電力をすべて太陽光で賄えるよう、設計図を書き換えることになりました。
◆今やるべきことをやる
 校長と理事長に、ベタな「突っ込み」を入れてみました。
 「大人としての責任って、何でしょう」
 高橋校長の答えは明快でした。
「今、私たちがやるべきことをやるということ」
 生徒たちが共感を寄せたグレタさん、世上言われているような「怒りの子」ではありません。
 彼女はしばしば、このような言葉を口にします。
 <二〇三〇年、私は二十六歳になります。(中略)素晴らしい時期だと聞いています。まだ先に人生がたっぷり残っている年代だと。でも、私たちにとって、そんな素晴らしい時期になるのか、あまり確信が持てません>(「グレタ たったひとりのストライキ」)
 十年後にも不可逆的な異常気象の連鎖が起こると予測する、国連「気候変動のための政府間パネル」(IPCC)のリポートを真摯(しんし)に受け止めているからです。
 彼女はきっと、おびえています。見えない未来を恐れています。
 こんなことも言っています。
 <たったいま、あなたたちのしていること、あるいはしていないことの結果を、私たちの世代が将来、帳消しにすることはできないのです>(同)。自らの無力を嘆き、いら立ち、そして<これは助けを求める叫びです>(同)などと、懇願し続けているのです。
 子どもは大人の希望であるという前に、大人こそ、子どもたちの希望であり続けるべきではないのかと-。
 大人になる、成人するということは、グレタさんとともに叫ぶ人から、彼女の叫びを受け取る人へ、小さな一歩を踏み出すことかもしれません。新成人の皆さんは、受け取る人になるわけです。
◆まだ見ぬ豊かな選択肢
 大手自動車メーカーの社長が自社のCMで「未来のことは私にはわからない。それを決めていくのは未来を生きていかれる人だし。(私は)チョイス(できる環境)を与えたい」と語っています。
 皆さんもいわば選択肢をつくる人、未来というフィールドを耕す人になるわけです。責任は重いし、面倒も多い。
 でも、未来をつくる人になるって結構、おもしろそうだと思いませんか。だから新成人、おめでとうございます。


トランプに握られた日本人の胃袋 2・3・4・5

2020年01月11日 | 食・レシピ

  日刊ゲンダイDIGITAL


米国牛から国産牛の600倍の女性ホルモン「牛脂」は要注意
  2020/01/07 

米国牛から、危険なエストロゲン(女性ホルモン)が国産牛の600倍も検出されたのに、政府はこの1月から大量に輸入しようとしていると書いた。

 自分の健康を守るには、米国牛を避けるしかないが、実はエストロゲンはさまざまな形で私たちの口に入っている。今週はどんな食品が危ないのかについて触れる。

 まず「牛脂」だ。エストロゲンは脂肪に溶けやすく、米国牛の脂肪と赤身を比較すると、脂肪の方が3~7倍と圧倒的に高い。これが米国牛の牛脂である。「牛脂なんて、すき焼きかステーキで使うぐらいで、食べるわけじゃないだろ?」と思うかもしれないが、実は結構食べているのだ。
 たとえば、カレーやシチューのルーには、外箱の原材料欄に「牛脂」と書かれていることがよくある。なぜ牛脂を入れるかというと、舌に魔法をかけたようにおいしくなるから。
■子供に危ない米国「牛脂」がまざっている

 だから、牛丼やハンバーガーのように、チェーン店で売られている安価なものにはよく使われるし、安いステーキには赤身の肉に牛脂を注入して霜降り肉のようにすることもある。その際、高い和牛の牛脂なんて使うはずがなく、当然安価な外国産だろう。米国牛は豪州牛に比べて「脂質が多く、軟らかい」といわれているから、かなり使われているはずだ。

 高濃度のエストロゲンを含んだ牛肉を食べると、ホルモン依存性がんになる危険性が高くなることは指摘されているが、最も危険なのは思春期の子供だろう。子供はステーキを食べなくてもカレーやシチューは大好きだ。イリノイ大学のエプスタイン名誉教授は、「男児がハンバーガーを1日2個ずつ食べると、血中のエストラジオール(女性ホルモンの一種で危険性が高い)濃度が10%増加する」と報告している。増えたらどうなるか。乳がんや子宮がんだけでなく、将来の不妊を招くリスクが高くなることを指摘する専門家もいる。エストロゲンは脳血管にも簡単に入ってしまうから中枢神経に影響する。性同一性障害も女性ホルモンが関係しているのではないかといわれているほどだ。
かつて、高濃度のエストロゲンは、子供に危険でも高齢者は大丈夫だといわれたが、寿命が延びてくるとそうとも言えない。特に閉経後の女性が高濃度のエストロゲンを口にすると、がんになりやすい。いずれにしろ、エストロゲンに汚染されたものを食べて、何ひとつ良いことはないということだ。

 

危険なくず肉で成形 激安ハンバーク&ステーキ定食に注意
   2020/01/08


高濃度のエストロゲンを含んだ牛脂が、私たちがよく食べる加工食品に使われていると書いたが、今回は「くず肉」について触れたい。

 海外に行かれる方なら分かるが、日本の外食チェーン店で食べる料理の安さにはびっくりする。ランチのハンバーグセットなんて500~600円台が普通だし、300円台の店もある。人件費や光熱費などを差し引けば、おそらく材料費なんて100円か200円だろう。なんでこんな値段で販売できるのか。その理由の一つが成型肉だ。


■安い肉には裏がある

 2017年に日本マクドナルドが「牛赤身肉のスライス」として売っていたのが、実は成型肉だったことが分かって問題になったが、これは日本マクドナルドだけの問題ではないのだ。

 成型肉とは、くず肉や安い牛肉の切れ端を集めて、ハンバーグやサイコロステーキなどにしたもの。くず肉は、骨や内臓にくっついてそぎ落とせなかった肉だ。米国からは年間に1000トン以上輸入されている。国内では、品質の良くない部分を切り落とした肉がくず肉として流通している。これらの肉を集め、インジェクターという注射針がたくさんついた機械で、牛脂やさまざまな食品添加物を注入すると、もっともらしいバーガーやステーキになる。安く仕上げることが目的だから、和牛のくず肉なんて使わない。米国牛のような安い肉だ。安くても、添加物で人間の舌をだますことなんて簡単だから、こうして激安のハンバーグやステーキに仕上がる。
 くず肉は骨や内臓についた肉だけではない。脚や耳、頭、心臓、胸腺といった食える肉はすべてくず肉になる。文字通りくずの肉だから、エストロゲンがどれだけ残留しているか予測がつかない。そのうえ牛脂を注入するのだから、赤身よりも濃度は高くなるだろう。

 危ないのはそれだけではない。日本は2013年から米国牛を月齢30カ月以下に制限して輸入していたが、昨年の5月にこれを撤廃したことだ。これのどこに問題があるかというと、肥育ホルモンは基本的に1回だけ牛の耳に打ち込むことになっているのだが、月齢が増えると肉が硬くなるため、2回打つことはよくあるという。つまり、年を経た牛は600倍どころか、さらにホルモンが増えるということだ。この安い米国牛が、日米貿易協定によって日本にどっと入ってくる。安すぎるものには必ず理由があるということだ。

 

米国では牛のみならず鶏にも豚にも肥育ホルモンを使用
 2020/01/09

米国牛には、国産牛の600倍ものエストロゲン(女性ホルモン)が残留していることを発見したのは半田康医師だったと書いたが、彼が大手ハンバーガーチェーンのミートパテに含まれるエストロゲン濃度を測っていたとき、奇妙なことに気がついたそうだ。

 エストロゲンは20種以上確認されているが、その中でもっとも生理活性が強いのがE1とE2だ。E2の方がより危険性は高いといわれる。通常、E1は飼料に混ぜて鶏などに食わせる。E2は、カプセルに入れて牛の耳に打ち込む。当然、牛肉はE1よりE2の方が高い。実際、スーパーで買った米国牛を調べると、脂肪のE2はE1の2倍、赤身肉には4倍もある。ちなみに鶏肉はこの逆で、E1はE2の約10倍の濃度だ。
こうした予備知識を知ったうえで半田医師の論文を読むと、おかしなことがわかる。ハンバーガーは牛肉100%となっているから、E2が高くなるはず。ところが、計測したデータでは、E1がE2の7倍も高い。逆だ。E2の数値から米国牛を使っていることは明らかだが、E1の異常な数値は理解できない。
そこで米国産の鶏肉のエストロゲン濃度を調べてみると、高濃度のE1が検出された。特に濃度が高いのは脂肪で、米国では養鶏にも肥育ホルモンを使って太らせているのだ。おそらく何らかの理由で、米国牛の中に米国産の鶏肉か鶏油を混ぜているのだろう。

 牛や鶏だけではない。米国では豚にも肥育ホルモンを使っていて、調べると、鶏と同じE1が高濃度に検出される。

■男性の精子濃度や性器に悪影響の報告も
これまでエストロゲンの危険性をホルモン依存性がんに絞って書いたが、実は男性に与える最大の影響は、精子の減少ではないかといわれている。2007年にアメリカで発表されたリポートによれば、5都市387人のアメリカ人男性の精子を調べたら、週に7回以上牛肉を食べた母親から生まれた男の子は、それほど牛肉を食べなかった母親の子供に比べて精子の濃度が24・3%少なかったという。また生まれた男の子の生殖器が小さかったという報告もある。まだ結論は出ていないが、エストロゲン様の化学物質も精子減少を引き起こすと指摘する研究者も増えていて、可能性は否定できない。

 ちなみに、繁殖用の雄牛にはホルモン剤は使わない。ホルモンが睾丸の発達を遅らせて受精率を下げるからだ。


食肉だけじゃない ホルモン入り米国牛乳と乳製品の危険性
 2020/01/10

米国では牛だけでなく、鶏や豚にも肥育ホルモンが使われている。日本が輸入する米国産の豚肉は27万トン(2016年)だから影響は少なくないだろう。

 なぜ安易に使われているかというと、「肥育用ホルモン剤の残留による人体への影響はまったくない」と、米国政府がお墨付きを与えているからだ。しかし、肥育ホルモンが安全か危険かなんて、誰も断定できっこない。なぜなら、人間に長期間食わせることは倫理的にも不可能だからだ。ただ政府がいくら安全といっても、肥育ホルモン全盛の米国でも「ホルモンフリー(肥育ホルモン不使用)」のラベルがついた牛肉が飛ぶように売れているのだから、国民の多くはその危険性を感じているのだろう。

 米国の肥育ホルモンは食肉だけにとどまらない。実は、乳牛にも似たホルモンが使われている。それが遺伝子組み換えで大量生産された牛成長ホルモン(γBGH)だ。乳は血液からつくられるから、当然、この牛乳はこのホルモンに汚染される。
通常、乳牛が子育てのために必要な乳量は年間1000リットルほどだが、改良に改良を重ねて現在は8000リットル以上も搾乳する。乳牛にはこれだけでもすさまじい負担だと思うが、牛成長ホルモンを使うと、これがさらに20%ほど増加する。ちなみに搾乳量が多い乳牛は乳腺炎にかかりやすく、乳房が化膿して膿が牛乳に混じってしまう。そこで治療のために抗生物質を使うから、この乳牛から搾った牛乳には、ホルモン+抗生物質が混じっていることになる。

■だが日本だけが乳製品の輸入は黙認

 この牛成長ホルモン、米国では認可されているが、EUはもちろん日本でも認可されていない。認可されない理由はこうだ。このホルモンを注射すると、「インスリン様成長因子IGF―1」という長ったらしい名前の物質がどっと増え、これが前立腺がんや乳がんの発症のリスクになることがわかって、消費者が拒絶しているからだ。
それはいいとして、米国から輸入する脱脂粉乳、バター、チーズといった乳製品には、日本が禁止している「IGF―1」が含まれているはずなのに、なぜか測定されていない。EUは牛成長ホルモンを使った乳製品の輸入も禁止しているが、日本は、牛成長ホルモンを禁止しながら、それが含まれている乳製品の輸入を黙認するという二枚舌の政策をとっている。

 アメリカの言いなりになってこんなことをやっていると、日本人のがんがさらに増えて、医療費がいくらあっても足りなくなるだろう。来週は、アメリカから輸入される不気味な遺伝子組み換え作物について書いていく。

 

 


「津久井やまゆり園」事件,植松聖被告の姿

2020年01月10日 | 事件

「とんでもない遺族への冒涜・侮辱」。雨宮処凛さんが語る、傍聴席で見た植松聖被告の姿とは。
作家・活動家として「津久井やまゆり園」事件を追ってきた雨宮処凛さん。法廷で初めて対峙した植松聖被告について聞いた。
ハフポストNEWS 2020年01月09日
泉谷由梨子

 

   「思ったよりも小心者という感じで驚きました」。作家・活動家として「津久井やまゆり園」事件を追ってきた雨宮処凛さんは、法廷で初めて対峙した植松聖被告の印象をそう語った。
    知的障害者施設「津久井やまゆり園」(神奈川県相模原市)で2016年7月に入所者19人を殺害した罪などに問われた元職員、植松聖被告の裁判員裁判が1月8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まった。
   植松被告の初公判を、雨宮さんはどう見たのか。
傍聴席には遅れて入ったという雨宮さん。逮捕当時に金髪だった植松被告の髪の色は真っ黒に変わっていて、小柄なスーツ姿だった。弁護士に促された植松被告は、証言台で殺害について認め「皆様にお詫び申し上げます」と小さな声で謝罪をした。
「あっ、謝るんだ。と思いました。そして、受け答えもものすごぐ小さくて弱々しくて驚きました。すごくマッチョで不遜で、法廷も馬鹿にしていて自分の主張を見せるための舞台のように考えているのでは?と考えていましたので、意外な感じでした。裁判長の説明にも子供のようにウンウンとうなずいて」
しかしその直後、植松被告は突然、手を口に近づけた。「突然のことで何が起こったのかわかりませんでした。マイクの先を口に入れようとしたのかと思って」と、雨宮さんはその時の印象を語る。
   右側に身体を傾け、刑務官に制止されて暴れる植松被告は4人の刑務官に取り押さえられた。そして、開廷から20分ほどで退廷となり、午後は植松被告が不在のままで審理が進められることになった。
遺族が座る傍聴席と一般の傍聴席との間にはついたてがあり、暴れる植松被告を見ていた遺族の様子は伺い知ることができなかった。しかし、雨宮さんはこのように感じたという。
「謝る気があったのか、それとも謝った後で更に混乱させて法廷を冒涜しようとしているのか、どちらかわかりませんでした。休廷になって延命したい、死にたくないのかなという想像もしました。ただ、あれだけの人を殺した罪に問われた人が、刑務官に引き倒され、うつ伏せになりながらも目の前で暴れているんです、傍聴席のギリギリのところで。恐ろしい光景で私でさえ怖かった。遺族のことを思うと、とんでもない冒涜、侮辱だと思いました。二重に傷つけられたのではないかと」
後ろの方の席の傍聴人たちは「何事か」と立ち上がり、裁判所の職員が「退廷してください」と叫ぶ声が響き渡っていた。
弁護側が法廷で明かした「妄想症状」
    一方で弁護側は、植松被告は精神障害の影響で刑事責任能力が失われていたか、著しく弱っていたとして無罪もしくは刑の減軽が相当と主張した。
    雨宮さんは主張の中で語られた事件前の植松被告の行動や周囲との関係性の変化について「手厚い医療のサポートが必要だった、それが受けられれば防げた事件なのではと感じました」と語った。
     弁護側によると小学校~大学時代の植松被告は「目立ちたがり屋」でやんちゃだが”普通の”少年だった。
しかし、大麻や危険ドラッグの常用などで事件の約5カ月前、相模原市が措置入院させた際には、精神・行動の障害などと診断されている。
    周囲の友人たちにも前年から「意思疎通ができない重度障害者は不幸を作る、殺すべきだ。安楽死すべきだ」などと話すようになった。また、「天のお告げがあった」「UFOを見た」「尾行されている」という妄想症状にとらわれていたことも明かされている。
「よく聞くような妄想の症状でびっくりしました。誇大妄想や、使命感、恐ろしく間違った正義感に突き動かされていたのかなと。UFOなどの妄想症状と同時に世界情勢に関心を持ち始めて、障害者の命よりも別のところに金を使うべきだなどと言い出し、アメリカのトランプ大統領にも影響を受けていたようです。何がきっかけでこのような飛躍が起こり、バラバラのパズルが合わさってしまったか解明しなくてはならないなと思いました。
    ただ、それらの行動は演技だとも思えませんでした。精神疾患の病名がつく状態ではあったのだろうと。周囲の人々も危険性を認識していて『植松はやばい』『もう手遅れ』と話し、離れていってしまった。一時は医療にもつながっていたのに、継続的な通院ができていなかった。殺人を予告していた人が本当に事件を犯してしまったということです。かなり深刻な状況だったのは明らかで、そこでもう少し手厚く医療のサポートが受けられれば防げた事件だったのではと改めて思いました」


今季一番の寒気。

今朝の気温、-18℃を超えました。写真を撮ろうとしましたが、寒さのため機能せず。


雨宮処凛がゆく! 第508回:年末、越年現場を巡って。の巻

2020年01月09日 | 社会・経済

 マガジン9 2020年1月8日

   いよいよ2020年が始まった。いわゆる「オリンピックイヤー」の幕開けである。また、今年は私の「デビュー20周年」の年でもある。2000年に25歳で1冊目の本を出版して、はや20年。気がついたらそんなに時が経っていた。
 が、そんなことで浮かれてなどいられない。新年早々、世界中の人が固唾を飲んでアメリカとイランの緊張関係を見つめている。まさかこんな事態が突然やってくるなんて。手に汗握る思いで見守ることしかできないのが歯がゆい。
 もうひとつ、お正月でも浮かれ気分になれなかったのは、例年通りに年末、都内と横浜の炊き出し巡りをしてきたからだ。
 これらは、役所が閉まって公的な支援が受けられなくなる年末年始、ホームレス状態の人や生活困窮者に食事をふるまったり、生活相談を受け付けたりする取り組みだ。特にこの年末年始は12月28日から1月5日までの9連休。旅行や帰省などの予定がある人には嬉しい長期休みだが、仕事やお金、住む場所を失った人々にとっては過酷すぎる連休である。その上、年末年始は仕事が途切れる時期でもある。日雇いの仕事がなくなったのでネットカフェで寝泊まりできていた人が路上に出るといったことも起きる。そのために毎年、ボランティアが食事を準備し、また医師や看護師、弁護士の人々も寒空のもと、健康相談や生活相談に乗るという取り組みが行われているのだ。
 ということで、年末に回ったのは渋谷と池袋、横浜・寿町と山谷の炊き出しだ。また、今回初めて開催された「年越し大人食堂」にも大晦日の日に顔を出した。
 「子ども食堂」ならぬ、大人のための食堂だ。そこではただで温かい食事が食べられる上、生活相談にも乗ってもらえる。また、今夜、行き場のない人には緊急宿泊費として一人一泊あたり3000円が支給される。
大晦日の夕方、この「年越し大人食堂」を訪れると、料理研究家の枝元なほみさんがキッチンに立って温かい料理を振る舞い、やってきた人が支援者に生活相談をする光景が広がっていた。支援者に話を聞くと、年越し派遣村の時と同じ構図で、年の瀬などに仕事を打ち切られて寮を追い出されて行き場がない、というケースが多いという。大晦日と1月4日に開催されたこの「年越し大人食堂」には、計102人がやってきた。そのうちの少なくない人が、年越し大人食堂がなかったら、年末年始の東京で行き倒れていてもおかしくなかった人たちだ。
 年越し大人食堂以外にも、切実な状況の人が各地の越年現場には多く訪れていた。渋谷では、千葉から歩いてきたという人もいた。池袋の公園では、塩ちゃんこをかけたご飯に120人ほどが行列を作っていた。横浜・寿町の公園では年越しそば1200食が配られ、大晦日の夜は山谷で100人ほどが立ったまま年越しそばを食べた。
 それぞれの現場で、いろんな話を聞いた。野宿が長い人もいれば、DVで逃げている女性もいた。失業から住まいを失い、そのまま野宿生活になったという女性がいれば、スーツ姿で炊き出しに並ぶ若者もいた。どの現場にも、仕事を失った人だけでなく、障害がある人、どうしても家に帰れない人、あまりにも家族や社会に手酷く傷つけられてきた人がいた。高齢なのに、日雇いの仕事をしながら寒い中野宿するおじいさんもいた。山谷では道端でシートにくるまって寝る人がいた。
そんな中、興味深かったのは、池袋で炊き出しをする「TENOHASI」の清野さんによる今回の越年の印象だ。清野さんは動画で、生活相談の人が多かったこと(その時点で28人ほど。炊き出しに並ぶだけでなく、生活相談ブースを訪れた人の数)に触れ、以下のように述べた。
 「来た方の多くは路上生活ではなくて、日雇いの仕事とか飯場の仕事でつないできたんだけど、年末年始が長くて仕事が6日からでないと入れられないということで困窮して来られた方が非常に多くて、不安定就労の人たちがこれほど大変な目に遭っているということがよくわかりました。年代的にも若くて、30、40あたりのいわゆるロスジェネの世代が一番大きなボリュームを持っているというのが今年の特徴です」
 ロスジェネ世代の多さは、私も現場で感じたことだ。そしてそれは今回の年末年始だけでなく、昨年も、その前もだった。が、その数が明らかに増えているのだ。
 例えば11年前の年越し派遣村の際、20〜40代はかなり少数だった。が、15年、久々に年末年始の炊き出し現場を訪れてみると明らかに同世代が増えていて、そのことにまず驚かされた。以前は山谷などの日雇い労働者の問題だった「ホームレス化」が、如実に不安定就労の若い世代に起こり始めているのだと痛感した。そして15年の年末には、30代と40代の男性がシェルターに入るのに同行した。どちらも少し前から「初めての野宿生活」を経験しており、たまたま炊き出しを知って支援につながったという経緯だった。ちなみに彼らと街ですれ違ったとしても、誰も絶対に「ホームレス」とは気づかないはずだ。
以来、毎年現場に足を運んで、徐々に同世代が増えていることには気づいていた。
 この年末、池袋の炊き出しに行く前、駅構内で声をかけた人も同世代か年下と思われた。駅の片隅で座り込む男性は、明らかに「ホームレス状態になりたて」に見えた。「路上脱出・生活SOSガイド」(住まいを失くしたり生活に困窮した際に使えるノウハウ満載の冊子、こちらから印刷もできます)があることを思い出し、同行していた山本太郎氏にその旨を告げると、山本氏は座り込む男性に声をかけ、その冊子を渡した。また、近くの公園で炊き出しをしていること、生活相談にも乗ってもらえることなども伝えると、男性は真剣な顔つきで一言一言を聞き漏らさぬようにし、冊子を握りしめて何度も頭を下げた。
 政府は昨年、ロスジェネを「人生再設計第一世代」と名付け、このうちの30万人の正社員化を目指すと発表した。が、ロスジェネは不安定雇用の果てにじわじわとホームレス化を始めている。正社員化ももちろん必要だが、同時に必要なのは底上げだ。そしてそのためには、安定した雇用や使い勝手のいいセーフティネット、公的な住宅や家賃補助などの住宅政策が不可欠だ。と、もう十数年くらい、私だけでなく多くの人が言っているのだが、遅々として進んでいない。
 そんな年末年始には、あまりにも痛ましい事件も起きた。
 1月2日、生後間もない娘を放置して死なせたとして、31歳の女性が逮捕されたのだ。女性は12月28日に自宅で出産。29日と30日はパチンコ店とキャバクラのアルバイトを掛け持ちして長時間家を空けていたそうだ。妊婦健診も受けておらず、「金がなく、病院に行けなかった」と話しているという。
 女性は保護責任者遺棄致死で逮捕され、実名報道されている。が、責められるべきは彼女だけなのだろうか? なぜ、命がけで自宅出産をしなければならないほどの状況になってしまったのか? なぜ、出産翌日からバイトを掛け持ちしなければならなかったのか? なぜ、妊娠させた男性の責任が問われることは一切ないのか? 生まれたばかりの赤ちゃんを置いて、働きに行かなければならなかった女性の気持ちを思うと胸が張り裂けそうになる。女性は赤ちゃんにベビー服を着せ、粉ミルクや哺乳瓶も買っていたという。
 そして最大の大きな問いは、そこまでの状況で、なぜ、彼女は誰にも助けを求めなかったのか? ということだ。家族にも、友達にも、職場にも、公的機関にも。
 だけど、もし、自分だったらと、自分がフリーターの時、彼女と同じような状況に陥っていたらと考えると、当時の私も誰にも相談できない気がするのだ。なぜなら、当時の私は日常的に怒られ、責められすぎていた。低賃金で誰かがやらなければならない仕事をしているのに、世間からはフリーターというだけで「いつまでそんな仕事してるんだ」「怠けている」「働く気がないに決まってる」と非難され、親からも周りからも「早くちゃんと生きろ」「だらしない」などとなじられまくっていた。バブル崩壊や就職氷河期というものがあって、正規の職が圧倒的になくてフリーターなのに、とにかく私ばかりが責められた。
 そんな当時の私がもし、予期せぬ妊娠をしたとしたら。私は隠し通しただろう。絶対に、口が裂けても誰にも相談なんかしなかっただろう。誰も助けてくれないと思ってた。これは当時から、はっきりと思っていた。もし今、私が妊娠でもしてそれがバレようものなら、親も親戚も友人も世間も「なにバカなことやってるんだ!」と激怒し呆れ果て、もう生きていけないような暴言を浴びせるんだろうな、と。フリーターであることを怒られ、なじられ、非難される日々は、私から「困ったことがあったら人に相談する」という、おそらく生きていく上で一番くらいに大切なものを奪っていたのだ。人に相談するには、私は怒られすぎ、責められすぎ、説教されすぎていた。
 だからこそ、相談できない人の気持ちもどこかわかる。そして今、生活困窮に陥りながらも決して助けを求めない人の気持ちもわかる。そんな人は時に「自己責任」と自ら口にすることもある。それはおそらく、怒られないための先回りした防衛だろう。だからこそ、思う。大変な状況にいる人を怒るのはやめようと。十分頑張って傷ついて、あと一回怒られたら心が折れて死んでしまうかもしれない人は、この国にたくさんいる。
 さて、この年末年始、多くの人が支援につながった。しかし、東京都内だけでも、住まいがなくネットカフェに寝泊まりする人は1日あたり4000人と言われている。今年の年末は、寒空のもと、行くあてもなく震える人が一人でも減っていますように。年の初めにそう祈っている。


 今日は荒れた天気を予想していたのだが、見事に外れた。日は照り、風もなく、今年一番の好天気だった。朝の気温は-14.2℃。明日も続くようだ。

 それにしても、週間天気予報から雪マークが消えた。信じられない現象です。


環境想いの食生活

2020年01月08日 | 食・レシピ

肉好きからヴィーガンまで 環境想いの食生活に変える5つのアドバイス
   ハフポスト 2020年01月08日
気候変動などの異常気象に伴い、環境に優しいサステナブル(持続可能)な生き方を見直す動きが高まる今、「食」を考え直す必要もありそう。

   Sara Spary およびNatasha Hinde


ヴィーガンは環境に良い?それとも悪いの?

 国連の調査によると、食生活を植物性に変えることは、気候変動に対して大きな変化を起こせるという。一方で、肉食をやめることは、生態系のバランスを壊し兼ねないという意見もある。
 また、ある研究では、ヴィーガンの食生活は脳の健康に悪影響を及ぼすという結果が出ている。では一体、私たち自身と地球の両方に1番良い選択とは何なのだろうか?
 ヴィーガンの人気は急上昇しているが、肉類を食べる人、ベジタリアン(菜食主義)、ペスカトリアン(魚介は食べるが肉類は食べない)、食生活を柔軟に変えるフレキシタリアン(植物性中心だが肉類なども排除しない)など、食に関する主義は様々。どんな主義だとしても、私たちにできることはある。
 そこで今回、サステナブルな食生活を送るためのコツを専門家に聞いた。以下、その回答を紹介していこう。


「お肉が大好き」でも出来ることがある
 誰しもが肉食を完全に断った食生活を選ぶわけではない。実際、家畜を一定数の農場で飼うことには利点もあると、非営利 Ethical Consumerの研究者、アンナ・クレイトン氏はハフポストUK版に語ってくれた。クレイトン氏自身はヴィーガンの食生活を送っているが、小規模の農場では家畜は雑草を食べて、その排泄物により地を肥沃にしてくれるなどの利点があると言う。
 しかし、広く言われているように、肉類や乳製品には野菜や豆類よりも多くのエネルギーを要するというのも事実だ。家畜を育てるためには多くの餌や、暖かい状態に保つ必要がある。また、家畜は有害な排気ガスを体から出している。つまり、食用の肉を得る上で、私たちは多くの資源を使っているのだ。
 科学者は、現在のペースで肉の消費を続ければ、52億トンの二酸化炭素に加え、メタンガスや亜酸化窒素も多く排出し、地球環境に多きな悪影響を及ぼすことになると警鐘を鳴らしている。
 「お肉は食べ続けたいけど、持続可能性な食生活のために何かしたい」という人にも、肉類を諦めずに出来ることが沢山ある。
 料理教室『Leiths School of Food & Wine』のマーケティング責任者、ジェニファー・コールズは「肉の食べ方を見つめ直す(開拓する)」ことについてハフポストUK版に語ってくれた。肉を食事のメインにするのではなく、野菜や豆類などを多く含み、肉を「具材として」使ったレシピを取り入れることが大切なようだ。更に彼女は、定番の部位(胸やモモなど)ばかりではなく、無駄が出ないように、あまり食べられていない部位も使うことを提唱している。
 「鶏の胸肉を毎日買ったりする必要は無いんです」と彼女は語る。「スロークッカーを使うのもお勧めです。(調理法に悩んでしまうような部位でも)仕事に行く前に入れておけば、料理にエネルギーを割きすぎることもなく簡単に調理できますよ」とのことだ。

フレキシタリアン
 フレキシタリアンとは、ベジタリアンの食生活と、肉や魚を食べる食生活の両方を入れ替えるスタイルの食習慣だ。主義というよりただの「流行り」と思うかもしれないが、食べる肉の量を減らしたいが、「ステーキと一切の関係を断つなんて無理」という人にはうってつけの始め方だ。
 ブログ『The Flexitarian』を書いているアナベル・ランドレス氏によれば、「1週間に1回だけ肉類を一切含まない食事をとるように心がけている人もいれば、特別な場合にだけ肉を食べる人まで、様々です」とのことだ。大切なのは「どうしても食べたい」と思っても、食べる量を抑えることだと言う。
 1日の食事で1度だけ、肉を取り入れるのも手だそうだ。コールズ氏は「肉を一切食べない曜日を決めたり、1日の内に肉類を何度食べたか数えてみてください」と語る。彼女の場合、昼食に食べたら、夕食では食べないそうだ。

魚も実は危機に直面している
 「良い人はまだ沢山いる」という意味で「海にはいくらでも魚がいる」という諺(ことわざ)があるが、MSC(海洋保護協会)によれば、必ずしもそうではないようだ。私たちが食している魚の90%が、気候変動と乱獲の二重苦により絶滅の危機にあるそうだ。
 魚は栄養価の高いタンパク源で、環境へ及ぼす影響も漁の方が家畜を育てるよりもずっと少ないが、人気の魚の中には絶滅の危機に晒されているものもある。MSCが提供している無料サービス『Good Fish Guide』では、どのような種を選べば良いのかなど最新の情報が確認できる。

ヴィーガン:素敵な選択、でも地元の食材を選んで
 「二酸化炭素の排出量の観点から言えば、肉を食べる生活よりもヴィーガンの方が優っていることは明白です」とクレイトン氏は語る。
 「肉類と乳製品の消費量は、絶対に減らす必要があると私は考えます。日常的に肉製品を食べて、そこからエネルギーを貰っているにも関わらず、(多くの人が)その事実に感謝していないということを覚えておかなくてはいけません」
しかし、ヴィーガンの食生活でも考慮すべきことがある。ココナッツミルクや外国産の豆類など、代替品として食しているものが、海外で悪い波及効果を受けていないか、ということ。クレイトン氏は、できるだけ国内生産されているものを選ぶことを勧める。
 個人の食生活がどんなものであれ、食生活によって及ぼされる悪影響を最小限に留めるために、地元の食材の購入を視野に入れて欲しい。そうすることで、航空移動やプラスチック包装の量を減らすことにも繋がる。
 「一概に『正解』と呼べるものは何もないのですが、環境に優しいサステイナブルな食生活には、地産地消が重要だと思います。あと、オーガニック生産されたものやフェアトレード商品を少し取り入れてみるのも良いかもしれませんね」とクレイトン氏は続けた。

食品ロスをなくそう
 どんな食生活であれ、みんなができることは、食料を無駄にしないことだ。食料となるものを育て、それを調理したり、パッキングするのには多くのエネルギーと資源が必要だ。しかし、それにも関わらず私たちの多くは、冷蔵庫の奥に食べ物を眠らせたまま忘れてしまったり、間違った気温で保存した挙句に腐らせてしまったり、少し残った肉や野菜を、まだ食べられるにも関わらず捨ててしまっている。
 世界では毎年、生産量のおよそ3分の1に当たる13億トンもの食品が捨てられている。日本は年間2759万トンの食品を廃棄処分しており、うち643万トンが「食べられる状態」で処分されている、つまり「食品ロス」になっている。
 残り物を上手に使い美味しくアレンジされた「サルベージ料理」のレシピなども、ネットで多く等でシェアされている。これらを生活に取り入れれば、環境に優しいサステイナブルな食生活にまた一歩近づけそうだ。


ハフポストUK版の記事を翻訳、編集、加筆しました。


 今日は曇り空でしたが穏やかな天気でした。これから夜中にかけて大荒れの天気だそうで、注意が必要です。

 湧き水を汲みに行きました。今回は10本(40Ⅼ)。携帯を忘れていってしまい、写真も、万歩計も残念でした。でも階段を何回も往復しました。2000歩くらいかなぁ?

 先日、余ったパンを持ち帰った教師の「炎上」事件がありましたね。食べ物を粗末にしてはいけないといわれ育ったわたしには、納得がいきません。


世界を変える動きは2020年、大きく進む

2020年01月07日 | 野菜・花・植物

印鑰智哉のブログ 2019/12/28

 日本のニュースを読んでいると息苦しくなる。世界の真逆を走っているのに、まるでそれが当たり前のような情報ばかり。このまま日本がこの方向に突き進んだらどんな事態となるか、暗澹たる気分になる。でも、ひとたび、日本語圏から離れると異なる世界の動きが見えてくる。希望を感じさせる動きが始まっている。でもその動きは日本と無縁なものではない。それどころか、かつて日本で始まったものであったりする。なんということだと思う。青い鳥は我が家にいるのにいつまでも気がつかず、あるいは地上にある星は誰も覚えていない、というところか。
 「ゲノム編集」を含む遺伝子操作技術は食料生産の向上をもたらすと信じてしまっている人が少なくないようだ。人口が増える世界には不可欠、と。しかし、まず、これまでの遺伝子組み換え技術は食料生産の向上には寄与していないことは保守的な学会ですら認めている(1)。それに対して「ゲノム編集」では成長を抑制する遺伝子を破壊することで生産を増やせるというが、残念だが、それが実現できるのは限られた条件の中だけだ。なぜ、生命には成長を抑制する機能があるのかを考えてみればいい。それはその生命体が生き延びるために作り出した機能であって、それが壊れされた生命はもろくなるのは当然のことだから。光合成の仕組みに手を入れる方策もあるが、それもまた短絡した発想で、自然界の中では機能するとは思えない。
 これまで、生物の成長に化学物質や遺伝子操作で介入することによって、生産が向上するとわれわれは信じ込まされてきた。しかし、その介入が一因となって、生態系は劇的な崩壊現象を引き起こしている。あと30年ちょっとで世界の土壌の90%がダメージを受け、ハチなど多くの植物を支える花粉媒介者を含む100万種を超える生物が絶滅してしまうと警告が出ている。微生物から昆虫、植物、動物にいたる生態系の連携を壊してしまえば、これは人の手には負えなくなる。ハチを必要としない「ゲノム編集」植物とか、ハチの代替ロボットとか開発に向かっているが、あまりに馬鹿げている。取り繕える範囲はきわめて限られている。短期間すら維持できないだろう。
 
 人類の文明に懐疑的になってしまい、いっそのこと人など地球にいなければいいのか、そんな気分になってしまうかもしれないが、そんな時はアマゾンの先住民族がかつて残した土を見るといい。アマゾンの先住民族は炭や有機物を活用することで土壌細菌を育てる技術をすでに500年以上前に完成させていた。彼らが作り出した土(テーハ・プレータ、黒い土)は人の手が加えられない自然が作り出した土よりもはるかに多くの炭素などを含む生産性の高い土だった。土壌の中の生命を活発にさせる環境を作ることで生産性を上げることができる。彼らの文明は植民者たちの持ち込んだ病原菌で破壊されてしまったが、今、そのかつての技術が近年になって再発見されている(2)。
 人は自然と共存することは可能で、そして自然は人がいることでさらに大きな力を発揮することができる。自然、多様性、豊穣性、これがこれからのキーワードとなるだろう。問題はそのような方向でこの近代、人類は発展してこなかったことだ。むしろその真逆に突き進み、危機的な事態を招いている。だから反科学ではなく、その方向を反転させること。
 
 それができたら、今、警告されている生態系の崩壊、気候システムの崩壊という憂鬱なシナリオは変えることができる。そんなの夢物語だと思うかもしれないけれども、すでにその方法は存在している。今、動き出せば変えることはできる。必要なのは意志と行動のみ。すでに世界は動き始めている。
 2020年はそのような動きが世界で弾け、大きく拡がる年になるだろう。日本もその動きに無縁ではありえない。果たしてわれわれは日本の中にある解決策を再発見しているだろうか?
(1) 遺伝子組み換え技術は農業生産性を向上させない

(2) テーハ・プレータについて


腸内細菌に有用なのは加熱した野菜だけ

2020年01月06日 | 健康・病気

驚くべき研究結果が発表。腸内細菌に有用なのは加熱した野菜だけ
  MAG2NEWS 2019.12.31

 皆さん、野菜食べていますか?体のため、健康のため、美しさを保つため、色々な意味があると思いますが、野菜はどのような状態で食べるのが良いのでしょうか。生で食べたい人、温野菜で食べたい人、様々な人がいますが、先日興味深い研究結果が発表されたんです。『In Deep メルマガ』の著者である岡靖洋さんがその最新研究内容をご紹介。衝撃的な事実を明らかにしてくれました。
人類史になぜ「調理」が登場したのか?
 9月30日の科学誌ネイチャーで、アメリカのハーバード大学の研究者たちの7年間にわたる研究結果が発表されていまして、それをご紹介したいと思います
その内容とは、生の食材と調理(加熱)された食材のそれぞれの腸内細菌環境に対する影響を調べた初めてとなる研究で、その結果、「加熱された野菜だけが、腸内細菌に良い影響を与える」ということが初めて突き止められたというものだったのです。
 それどころか、生は、特に「生の野菜」には、「腸内細菌にダメージを与える抗菌化合物が含まれている」ことも判明したのです。
 腸内細菌に関心のある方々には、なかなか興味深い内容だと思われ、最初は、ブログの記事にしようかとも思ったのですが、いろいろな食事法や食事療法の中には、「生の野菜を中心に食べる」というものもあることを知っていまして、そういうことを実践されている方々に悪いような気もしまして、こちらでご紹介させていただきます。
 まずは、そのネイチャーの論文を記事にした、アメリカの科学メディアの記事を翻訳させていただきます。なお、この研究結果が重要なのは、その腸内細菌への影響がわかったということもありますが、「人類史に調理という文明が生まれた理由」にも結びつくことでもあるからです。
 人間が過熱して食べ物を食べ始めて以来、腸内細菌は、どんどんと良い影響を受けて「変化」そして「進化」していったと考えられます。
 腸内細菌環境が進化していけば、人間のほうも進化していくことになるはずで、つまり、「調理の登場」というのは、腸内細菌自身の進化と共に、「人類の肉体の進化と関係している」ことがわかるのです。
ここからです。


腸内細菌にとって生野菜は良くない影響を与える
(9月30日のサイエンスデイリーより)
Cooking food alters the microbiome(https://bit.ly/2o2IIsa)
「生の食材と加熱された食材は、それぞれ腸内微生物への影響が明確に違う」
 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校とハーバード大学の科学者たちは、食物は、加熱調理することで、マウスにおいても、ヒトにおいても、その腸内微生物叢が根本的に変わることを初めて示した。(中略)
 この研究で研究者たちは、以下のそれぞれの食物をマウスのグループに与えることにより、マウスの腸内微生物環境に影響が出るかどうかが調べられた。
・生の肉
・加熱調理済みの肉
・生のサツマイモ
・加熱調理済みのサツマイモ
調理により、栄養素や生物活性化合物が変化することがわかっているため、加熱が腸内微生物に影響を与えるかどうかを調べることになったのだ。
まずわかったことは、
・生肉
・加熱調理した肉
は、共に、マウスの腸内微生物に識別可能な影響を与えなかった。対照的に、
・生のサツマイモ
・加熱調理されたサツマイモ
は、マウスの微生物叢の組成、ならびに微生物の遺伝子活性のパターンおよびそれらが生産する生物学的に重要な代謝産物を著しく変化させた。(後略)
 
いろいろと書いてありますが、要点は、以下の3点だと思います。
・肉は生でも加熱しても、腸内細菌に良いも悪いも影響を与えない
・野菜は「加熱した」場合、腸内細菌環境に良い変化を与える
・野菜が「生」の場合、腸内微生物がダメージを受ける
 すべての野菜ではないでしょうけれど、野菜というものは、生の状態だと、「強力な抗菌化合物」が含まれていて、それが腸内細菌を攻撃することになってしまうようです。
 もちろん、野菜には生でなければとれない栄養素を含むものが多いことも事実で、なかなか難しい問題かもしれないですが、ただ、ここまで結果が明らかであるとするなら、少なくとも、「生野菜ばかり食べているのは良くない」ということは言えなくもないのかなと思います。
 また、論文には、加熱した野菜は、腸内でより多くのカロリーを吸収するようになる、とあり、これは、要するに腸内細菌がより多くのカロリーを摂取していくれるという意味だと思われ、つまり、「生の野菜より、加熱した野菜を食べるほうがダイエットには良い」というようなことにもつながりそうです――。


 予報では、わりと穏やかな天気を予想させていたのですが、荒れ模様です。一時的に視界が効かないときがあり、帰ってきたら家の前には吹き溜りができていました。


年のはじめに考える 海に吹く風つかまえて

2020年01月05日 | 自然・農業・環境問題

  東京新聞社説 2020年1月5日
 
 東京電力福島第一原発廃炉への長い道。政府は工程表の見直しを去年の暮れに正式決定し、例えば使用済み燃料の搬出が最大五年、遅れることになりました。つくづく困難な道のりだと、あらためて実感させられます。
 それ以外にも大きな課題が二つ。一つは燃料デブリについて。メルトダウン(炉心溶融)した核燃料が、原子炉格納容器の底まで溶け落ち、冷えて、さまざまな形状に固まったもの。その取り出しは、四十年がかりという廃炉作業の最難関だとされています。
 政府と東京電力は、周辺の放射線量が1、3号機に比べて低く、比較的アプローチしやすい2号機から、来年中に搬出を始めることを決めていました。
◆1グラムからの遠い道のり
 ではどうやって取り出すか。検討内容の一部が明らかにされました。ロボットアームを使って、まずは一グラム程度を試験的に数回取り出してみたあと、徐々に量を増やしていくという方針です。
 デブリの量は2号機だけで約二百四十トン。1~3号機で約九百トンに上ると推定されています。一グラムから一歩ずつ。本当に気が遠くなるような道程ではないですか。
 短時間で人を死に至らしめる高線量のままの格納容器内、作業はすべて遠隔操作のロボット頼み、文字どおり手探りで進んでいくしかありません。
 昨年二月、未知の惑星の赤く荒れ果てた大地のような、2号機格納容器の底部。ロボットアームが初めて燃料デブリとみられる小石状の塊に触れ、わずかに持ち上げることができました。
 「八年かけて、やっとデブリに触れることができました。感慨深いものがある」
 原子炉メーカーの技術者のその時の感激ぶりが忘れられません。ほとんど触れただけなのに。
 もう一つは、汚染水。政府は、原発構内のタンクに今もたまり続けている、放射性トリチウムを含む汚染水の処理方法を、そのまま海に流すか、蒸発させて大気中に放出するか、その両方か、三案を提示しました。
 いずれにしても苦肉の策。風評被害を恐れる漁業者の猛反発は必至です。しかし、汚染水の処理が進まなければ、廃炉はさらに長引きます。廃炉費用だけで八兆円。工期の遅れなどがあれば、その程度では、収まりそうにありません。これほどやっかいで、お金もかかる原発に、なぜ日本政府はこだわり続けているのでしょうか。
◆もうお話にもならない
 「世界レベルでは原発なんて、もうお話にもなりません」。自然エネルギー財団事業局長の大林ミカさんは断言します。
 フクシマの衝撃で安全費用もかさみ、原発は急速にコスト競争力を失いました。一方、再生可能エネルギーは、風力や太陽光を中心に競争力を高めています。太陽の光も風も安全な上にただだから。
 中でも大林さんが特に注目するのが洋上風力発電です。海上に風車を立て、海風でそれを回して電気をつくります。
 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は世界の洋上風力の導入量は、二〇五〇年までに千ギガワット(大型原発千基分)に達すると予測しています。
 長い海岸線を持つ島国日本は、英国やデンマーク同様、洋上風力の潜在力が豊かな国。温暖化への危機感も募ってか、大手電力会社や外資が参入を進めています。
 東北電力は、青森県つがる市沖で出力四十八万キロワット、東電は洋上風力最大手のデンマーク・オーステッド社と共同で、千葉県銚子沖で三十七万キロワットの計画を進めています。北欧最大のエネルギー企業、ノルウェーのエクイノール社も日本オフィスを開設し、営業活動に乗り出しました。
 電力会社だけではありません。昨年清水建設は、五百億円を投じて高性能クレーンを備えた世界最大級の洋上風力発電施設の建造専用船(自航式SEP船)を発注し、話題になりました。
 ところが政府の導入目標は三〇年までにわずか〇・八ギガワット。原発一基分にもなりません。二〇年までに八~十五ギガワットという中国や二五年までに五・五ギガワットという台湾にも見劣りします。
◆原子力の呪縛を解けば
 この期に及んで原発(三〇年度に電源構成比20~22%)や、石炭火力(26%)を重視する国のエネルギー基本計画が、頭を抑えているからです。
 大林さんは指摘します。
 「これを外せば、民間の動きはさらに活発になり、海外からの投資も加速して、日本の洋上風力発電は一気に伸びる。温暖化対策も進みます」
 来年はエネルギー基本計画見直しの年に当たります。見直し作業は今年から。原発と石炭の呪縛を解いて、海風を呼び込まなければなりません。


    トランプの横暴も極まった。「反社勢力」と変わりがないではないか。さらに、ツイッターで『革命防衛隊精鋭部隊の司令官殺害にイランが報復した場合、イランの重要施設を含む52カ所を短時間で攻撃し「大きな打撃を与える」と警告した』というのだ。「反社勢力」は社会から抹殺しなければならない。へつらう安倍もこのままにしておいては危ない。


飼い主の健康長寿を支える ペットを飼うことのすごい効果

2020年01月04日 | 健康・病気

 日刊ゲンダイヘルスケア 2020年01月02日


 ペットフード協会の推計によると、日本全国で飼われている犬や猫は約1855万匹。「ペットブーム」はすっかり定着したといってもいい。今や「家族の一員」ともいわれているペットだが、飼い主の健康長寿にもプラスになるという報告が相次いでいる。

 スウェーデンの研究チームが340万人を対象に12年間にわたって医療記録を分析したところ、一人暮らしで犬を飼っている人は、飼っていない人に比べて心血管疾患で死亡するリスクが36%低く、家族と同居している人でも15%低かった。また別の研究では、犬を飼っている人は糖尿病や高血圧が少ないという報告もある。

■運動、ストレス、腸内細菌…

順天堂大付属順天堂医院前院長で心臓血管外科教授の天野篤氏は言う。

「論文の著者は『犬の散歩などで飼い主が体を動かす機会が増えたり、犬との触れ合いが孤独感やストレスを癒やし、健康にいい影響を与えている可能性がある』としています。実際、心臓に負荷がかかり過ぎない程度の運動は心臓のバックアップ機能を高めます。また、ストレスは心臓にとって大敵です。ストレスを受けて交感神経が優位になりアドレナリンが大量に分泌されると、心拍数を増加させて血流を増やす効果と、血管を収縮させる効果で極端に血圧を上昇させます。その結果、心臓の負担が増えて心不全を来すこともあるのです」
ペットは心臓と血管を守るのだ。

 ペットを飼っていると、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を減らすという報告もある。

 スウェーデンの研究チームが4匹ほどのペットに囲まれた7~9歳の子供がいる家庭を対象に調査を行ったところ、子供が乳児期からペットを飼っていた家庭は、まったくペットに触れていなかった家庭に比べ、アレルギー疾患の発症が約16%低かったという。
東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏はこう説明する。

「幼少の頃からペットと接していると、さまざまな細菌やバクテリアと接触する機会が多くなります。それによって免疫機構を鍛えられ、アレルギーが発症しづらくなるのです。免疫力を左右するのは腸内細菌で、種類と数が多ければ多いほどサポート効果がアップします。人間の腸内細菌の種類は生後3年間でほぼ決まるといわれ、それまでに体内に取り込んだ細菌がIgA抗体とくっついて定着することがわかってきました。子供の頃からペットと接することが大切なのです」

 ペットを飼っている家の子供は、アレルギー疾患だけでなく自閉症やうつ病のリスクが減るという報告もある。ペットは健康長寿につながるのだ。


 うちのラブラドールが死んで、この6日でもう2年になる。やっぱり寂しいものです。また探そうと思う。

 今日は町内会の新年会でした。ビンゴゲームしたのですが、上がれず、一番最後になってしまい、景品2つもらったのですが、これまたひどいもの。今年はついているのかもしれない。

さて、これにてお正月終わりとする。


社会は、エネルギーから変わる!?

2020年01月03日 | 社会・経済

【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230


 なるほどですね。51:25の長いビデオですが、時間を都合して分割してでも見てみてください。

 今日はヤマダ電機初売り企画でポータブル石油ストーブが安かったので、開店15分前に整理券をもらいget。
 ついでに、まだ筋肉が痛むので「低周波治療器」もget。
 明日は、町内会の新年会。
これにてお正月は終わりとしましょう。


初詣、いく?

2020年01月02日 | 社会・経済

小林よしのり
BLOGOS 2020年01月01日 
神社参拝はもうしない 
 

神社政治連盟が皇位継承の要点をまとめたチラシを作成し、神社関係者に活用を呼び掛けているらしい。
チラシには
「いま、皇位の男系継承が変えられようとしています!」
「答えは「ノー」です!!」
「皇位継承間違えちゃいけないポイント!」
という言葉が並ぶそうだ。
世論調査で女性天皇・女系天皇賛成が多いのは国民の理解が不十分だからとか、男系継承の意義と女性天皇・女系天皇の問題点が書いてあるそうだ。
わしも国民だが、わしの理解が不十分だと言うのかい?
挑戦してこいや!
わしはもう神社には行かない。
以前は年が明けたら神社参拝をしていたのだがな。


日本の伝統的行事「初詣」がこのような形で政治利用されだしたのは、安倍政権と「神社政治連盟」「日本会議」が癒着し始めたころからだろう。

あの膨大なお賽銭、どこゆくの?


年のはじめに考える 誰も置き去りにしない

2020年01月01日 | 社会・経済

   東京新聞社説 2020年1月1日
 
 二〇二〇年。目線を少し上げれば二〇二〇年代の幕開けです。
 この十年を区切る年明けに見すえたいのは、一世代が巡る十年先の世の中です。より豊かな未来を次世代に渡すために、私たちはこの二〇年代をどう生きるか。
 その手がかりにと、思い起こす場面があります。
 秋のニューヨークで、国連に集う大人たちに時の少女が物申す。つい最近も見かけたようなシーンが四年前にもありました。
 暗がりの傍聴席に照らし出されたのはマララ・ユスフザイさん。当時十八歳。同席した各国の若者たちを代表して、階下の首脳たちに語りかけたのです。
◆次世代と約束のゴール
 「世界のリーダーの皆さん、世界中の全ての子どもたちに世界の平和と繁栄を約束してください」
 一五年九月。国連サミットの一幕でした。この会議で採択したのが「持続可能な開発のための2030アジェンダ(政策課題)」。貧困、教育、気候変動など十七分野にわたり、世界と地球を永続させるべく取り決めた開発目標(SDGs)です。その達成期限があと十年先の三〇年。マララさんたち次世代と世界が交わした約束のゴールでした。
 合言葉が二つあります。
 SDGs独自の取り組みで、一つ目は「誰一人も置き去りにしない」ということです。
 置き去りにされなければ、次世代の誰もが平等に、尊厳と希望を持って生きられる。そういう社会が次々に循環する。持続可能な希望の未来は、私たちが目指すべき約束のゴールでもあります。
 ただ一方で自覚すべきは、SDGsの起点ともなった過酷な現実です。いまだ数十億の人々が貧困にあえぎ、いや増す富や権力の不均衡。採択後四年たつ今もやまぬ紛争、テロ、人道危機…。
◆賑わう子ども食堂に光
 これほど険しい現実を期限内に克服するには、もはや先進国も途上国もない。二つ目の合言葉は「地球規模の協力態勢」です。
 全ての国の人々がそれぞれ可能な分野で協力し、複数の課題を統合的に解決していくしかない。アジェンダはそう促します。
 いわば総力戦の協力態勢なればこそ、社会の隅々から置き去りの人を見逃さず、救出もできるということでしょう。
 そんな世界の流れに棹(さお)さして、私たちの日本も進みます。
 この年末にふと甦(よみがえ)った光景はリーマン・ショック後の〇八年。東京都内の公園で困窮者の寝食を助けた「年越し派遣村」でした。
 「役所は閉まっている。周辺の(派遣切りなどで)路頭に迷う人が誰一人排除されぬよう、われわれで協力し合って年末年始を生き抜くぞ」
 開村式で村長の社会活動家、湯浅誠さんが張り上げた一声です。この定見。今にしてみれば湯浅さんは、SDGsの置き去りにしない協力態勢を、はるか以前に先取りしていたのかもしれません。
 あれから十年余の昨年暮れ。都内の会合に湯浅さんの姿がありました。今度は民間協力で運営する全国の子ども食堂の支援です。
 NPO法人「むすびえ」の設立一年祭で、湯浅理事長が力説したのも、子ども食堂の支援を通じて「誰一人置き去りにしない社会をつくる」ことでした。
 子ども食堂はいま全国に三千七百余。この三年で十二倍の急増です。確かに子どもの貧困は深刻だが、食堂が子どもに食事を出すだけの場なら、逆に気兼ねする子も多く、この急増はあり得ない。湯浅さんの見立てです。
 貧しさに関係なく、例えば子連れの親たちが子育ての手を休めにやって来る。一人暮らしのお年寄りが自作の料理を持ち寄る。
 誰も置き去りにされない。多世代が頼り合う地域交流の場として必要とされ始めた。だから急増しているのだ、と。国連にも呼応し食堂を応援する民間企業、団体の動きも勢いづいています。
 派遣村以後の貧困から格差も極まった日本で、子ども食堂の賑(にぎ)わいは、SDGs社会に差す希望の光といってもいいでしょう。
 あとはこの賑わいを他分野にもどう広げていくかです。でも民間だけではやはり限界がある。巨大な政策システムを回す政治の原動力が、総力戦には不可欠です。
◆政治が無関心であれば
 もしも政治が、格差社会の断層に、弱い人々を置き去りにしたままで、次世代の未来にも無関心でいるならば、変えればいい。まだ十年あります。主権者一人一人が望んで動けば、変えられます。
 マララさんたちとの約束のゴールに向け、私たちはこの二〇年代をどう生きるか。「歴史的意義」をうたうアジェンダの一節です。
 <われわれは貧困を終わらせる最初の世代になり得る。同様に、地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない>


 わたしにとって、最も大きな「残った掛け」は安倍晋三。今の時代「掛け・ツケ」なんて言われてもピンとこない人が多くなっているのだろうと思います。今は「カード決算」ですから。これまた「昭和の遺物」。満期を待たず「繰り上げ返済」と行きたいものだ。

 昨年、満年齢であるが「古希」を迎えた。
「古希」という呼び名は、中国の詩人・杜甫(とほ)によって詠まれた「酒債は尋常行く処に有り 人生七十古来稀なり」に由来するらしい。
「酒代のツケはどこに行ってもあるが、古来より70歳まで生きる人はめったにいない」という意味。これが「古希」の由来らしい。「稀」が使われていたものの、「稀」は当用漢字でないこと、近年では70歳まで生きることが「稀」ではなくなったことなどから、「これからの人生を元気に生きていこう」という希望を感じさせるものになったとか。

 それにしても体力の低下はままならない。
幸いにも、昨年ころから「氣力」はよみがえりつつある。新しい「農法」についても勉強を始めている。
少しでも「希望」をもって生きていきたいと思う。

誰もが「希望」を持てる社会を作りたい。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。