5月24日は朝方、雨が降っていたが、
男鹿の植物パトロール当番日なので、いやでも男鹿に行かなければならない。
折角行くので、今回は「今が旬の花」をめいっぱい見て来ようと思った。
なまはげ大橋から見た男鹿三山。
まずはヤマシャクヤク。この花を見るためには藪漕ぎをしなければならない。
山は連日の雨でたっぷり水分を含んでおり、登山道も至る所泥んこ道だった。
どうせ濡れるだろうと思い、最初から雨ガッパのズボンをはいて入山したが、それは正解だった。
五社堂の石段道の緑はだいぶ濃くなった。
タニウツギ
途中で咲いていた花は木の花ばかり。
ウゴツクバネウツギ
ミツバウツギ
ヤマツツジ
お気に入りのブナの木。この辺から藪こぎスタート。エビネは咲いていた。
昨年、ヤマシャクヤクは5月22日に最初の開花を確認、その後、6月1日まで見られた(詳細はこちらなどを参照されたし)。
だから今日は丁度いい時期だろうと思い、
生育地に着いたら、
あぅぅ(つдi)すべてが終わっていた。
この花、開花のタイミングを見極めるのがとても難しい。ピンポン玉のような蕾の時期は長いのだが、
蕊が見えるいわゆる開花が始まるとわずか一、二日で散ってしまう。今年は完全に逃げられた。
参考までに、昨年5月28日のヤマシャクヤク開花シーンを一枚だけ挿入。
近くでキンランが咲いていた。
昨年5月28日のヤマシャクヤク開花シーン
キンラン
次はイチヨウラン。
今頃の季節、あちこちの山で咲いているが、地味な花なので、見逃しがち。ただし一度見つけると虜になってしまう。
丈が小さいので、低い姿勢にならないと撮影が難しい。今回は偶々雨ガッパのズボンをはいていたので、
躊躇なく地べたに横たわり撮影した。
通り過ぎる他の登山者は、藪の中で爺さんが倒れていると驚いたかもしれない。
イチヨウラン、花のアップ。
イチヨウラン、たった一枚しかない葉も撮れた。
10時以降は毛無山山頂部でパトロールのお仕事。
平日で天気も好くないのに今日は十人内外のお客さんが居た。皆さんの目当てはオオサクラソウ。
さいわい皆さん、マナーがよろしくて、柵やロープをはみ出して見学する方は居なかった。
開花シーズンは終了近いが、残り花を少し。
男鹿の最高峰・本山山頂を望む。
山頂は自衛隊レーダ基地のため、立ち入り出来ない。
下山後は真山神社近くにあるチョウセンキバナアツモリソウ Cypripedium guttatum
の特別栽培地に立ち寄り、今年の花を見た。
このランは国内では男鹿毛無山にしかなく、盗掘等で絶滅寸前になったため、
現在は環境省が厳重に保護管理しており、自生地には立ち入り出来ない(鉄条網で囲み、監視カメラも設置されている)。
ただし特別栽培地では北大で保存してあった株を咲かせ、開花シーズンのみ一般開放している。
なお名称は、たまたま朝鮮半島にも有ることから、チョウセンキバナアツモリソウとなっているが、
さっぱり黄色くないし、長すぎる名前も不評だ。
国内では男鹿だけなので、「オガノアツモリソウ」とでも改名したらどうだろうか。
チョウセンキバナアツモリソウ(特別栽培地にて)
チョウセンキバナアツモリソウの新聞記事(2021/05/23 秋田さきがけ新報)
別場所でサルメンエビネとスズムシソウ。
真山神社からの帰り道、なまはげ大橋から男鹿三山や安全寺の棚田風景を眺めた。
ここからの風景、稲穂が黄金色になる頃は絶景だと思っている。
男鹿三山。右から真山、本山、左の平らなところが毛無山。
橋の両端になまはげの石像?
日本海側の眺め
以上。
実は私、「男鹿の自然見つめ・・会」の会員なので、時折、腕章をつけて保護パトロールも行っております。
男鹿、特に毛無山は希少植物の宝庫です。
もしかしたら東北では早池峰山並みかなとも思ってます。
行くたびに新たな種類との出会いがあります。
私は27日に、アツモリソウを見に行きました。
小さいけれど、とても可愛いです♪ チョウセンキバナアツモリソウの名前、仰る通りです!
「男鹿アツモリソウ」賛成です。(^^♪