著名な秋田民謡のひとつ、秋田音頭に
「秋田の国では、雨が降っても、唐傘などいらぬ、
手ごろの蕗の葉、サラリとさしかけさっさと出て行がえ」
の歌詞があります。
現実には雨の日、蕗の傘をさして歩く秋田人は居ないのですが、
気持ちはわからないでもありません。
冒頭写真は5月1日、県立美術館で開催中の写真展を見に行った際、
向かいのにぎわい交流館AUで見た観光PR看板です
(詳細は「街中で山の写真展を・・・」を参照)。
実はこの後、家内が秋田蕗が実際に生えているところを見たい、
(`◇´)秋田県人なのに蕗を見ないまま死ぬのはいやだ。
などと急に自己主張し始めました。
その後、ネットで検索してみたところ、
自宅の有る御所野から車で10分程度、
距離で言うなら五千里いや五千米(メートル)程度、
走った秋田市仁井田地区に蕗畑があると判りました。
6月になったらすぐに家内が直接電話して見学の予約を取り付けました。
以下は6月5日の秋田市仁井田、Sさんの蕗畑訪問記録です。
仁井田地区に入ると、そこは秋田市の一角なのに、
道の両側に商店は無く、ブロック塀に囲まれた農家風の住宅ばかりが連なっています。
この辺だろうと当たりを付け、家の前に出ていた老人に声を掛けたら、
なんとSさんでした。
蕗畑は住宅の奥のビニールハウスのかげに有りました。
この「よしず」で囲まれた中が蕗畑だと知らされちょっと驚きました。
ワタシ実は秋田蕗の畑はもっと広大な場所だと勝手に思っていました。
よしずで囲っているのは蕗の倒伏防止のためだそうです。
よしずを固定しているビニール紐をハサミで切り取り、
よしずの一部を取り除くと、巨大な蕗が現れました。
「今年は育ちが好くないので小さいが、よく育った葉は直径1メートルを優に超える。」
Sさんが鎌で数本刈り取って人が入れるスペースを作ってくれました。
そこに家内が入って行きました。
刈り取った茎の中はご覧のように空洞となっており、
アルファベットのAのようにも見えます。
Sさんによると、
昔は太くなった茎を砂糖漬けのお菓子に加工して食べたものだが、
最近は他にもっと美味しいお菓子がいっぱい有るので
蕗菓子などは誰も会いてしなくなった。
また蕗の栽培はけっこう面倒なようで・・・
連作を嫌うため、毎年のように掘り上げて移植しなければならない。
でかく育てるためには肥料もしこたま使う。
風に弱く折れやすいのでよしずで囲って保護している(県北の農家は囲わない)。
いずれにしろ手間ばかりかかってしょうがない。
後継者もいないので、この畑もあと二、三年で辞めるつもりだとのこと。
冒頭写真のような秋田おばこ(観光レディ)による蕗刈りパフォーマンスも
今年から取りやめ・・・
と寂しいお話ばかりだった。
帰りに蕗の細い茎を数本と(隣に植わっていた)ほうれん草を頂いた。
蕗はその日の晩に煮物にして食べました。美味しかったです。
Sさん、ありがとうございました。
以上。
私も蕗畑見たいで~~す!
奥様は、良い記念になりましたね。
うろ覚えですが、子どものころに、秋田蕗の畑
あったような??? 記憶にございません(;^_^A
家内が秋田蕗を見たいと急に言い出しました。
いざ訪ねたら、もはや蕗刈りのセレモニーは昨年で終了し、
蕗畑そのものも風前の灯火と知りました。
驚くと同時に寂しいです。なんとかならんものでしょうかね。