(本記事は旧ホームページの古い記事をブログ用に復刻したものである。)
(本頁は「月山の花図鑑(1)初夏編」の続きである。)
本頁では、年によって幅があるが、
概ね七月下旬から八月中旬頃にかけて咲き出す花たちを扱ってみた。
もちろん種類によって、場所によって、前後にずれが生じることはどうか寛容頂きたい。
月山はシオガマギク属 Pedicularis の仲間が多い山だ。
初夏のミヤマシオガマに続き、盛夏にはヨツバシオガマが咲き出す。
こちらは羽黒ルートならば八合目の弥陀ヶ原から山頂までほぼ切れ目なく咲いている。
ヨツバシオガマの小群生(山頂部)2016/07/23
ヨツバシオガマ 2015/07/05
(右上)ハクサンフウロ 2014/08/02
ハクサンフウロの小群生。 2014/08/02
あくまでも個人的な印象だが、
月山の真夏のお花畑はマゼンタのハクサンフウロとイエローのキク科のイメージがやたらと強い。
それにハクサンシャジンの淡いブルーが加算され、独特な雰囲気を醸し出す。
同時期の東北の高山お花畑はどこも似たような雰囲気になるが、月山ほど強烈なインパクトは無い。
ミヤマアキノキリンソウとハクサンフウロ。 2014/08/02
(右上)トウゲブキ 2014/08/02
トウゲブキは東北では月山以北の高山で多く見かける。
山頂付近の風衝地お花畑。2016/07/23
このお花畑にはウサギギクの他にハクサンイチゲ、ヨツバシオガマ、ネバリノギラン、
ミヤマリンドウ、ハクサンシャジンなども見られた。
ウサギギク 2016/07/23
(右上)キオンとハクサンフウロ。 2015/08/02
初夏にクロユリが生えていた山頂部の草叢は
盛夏になるとキオンやハクサンシャジン、ハクサンフウロなどに覆われる。
2015/08/02
ハクサンシャジン 2015/08/02
(右上)ナンブタカネアザミ 2017/09/01
鳥海山で顕著なアザミはチョウカイアザミだが、月山ではナンブタカネアザミが同じような環境に生育している。
このアザミは棘がとても痛い。開花時期に幅があり、7月から9月まで長期間咲いている。
東北の山にはイワギキョウ、チシマギキョウなどカンパニュラ(ホタルブクロ属)Campanula が少ない。
イワギキョウが見られるのは、八甲田、岩手山、鳥海山くらい。
チシマギキョウは、朝日、飯豊、早池峰などが知られるが、月山にも少しだけ咲いている。
羽黒コースの稜線や風衝地で時々見かける。
チシマギキョウ 2016/07/23
トウヤクリンドウは東北では月山と尾瀬の燧岳だけと聞く。羽黒コースの風衝地で見かける。
ある意味では、ミヤマクロユリと並んで貴重な花かもしれない。
トウヤクリンドウ 2016/07/23
(右上)ハクセンナズナ 2015/08/02
ハクセンナズナは鍛冶小屋跡付近の斜面で少し見かける。
ミヤマセンキュウ 2015/08/02
(右上)ミヤマコウゾリナ 2014/08/02
ニッコウキスゲはこの山では群生せず、あちこちにパラパラ生えている感じだ。
姥ヶ岳山頂のお花畑。ニッコウキスゲやヨツバシオガマが目立つ。2016/07/16
タカネアオヤギソウ 2016/07/16
(右上)オオバミゾホオズキ 2016/07/16
カラマツソウ 2015/07/05
(右上)ミヤマカラマツ 2016/07/16
キンコウカは月山のあちこちで群生している。
姥ヶ岳の山頂近くや後出の弥陀ヶ原の群生は特にみごとだ。
キンコウカ(姥ヶ岳) 2015/08/02
地味な花も少し。
ネバリノギラン(ミヤマウスユキソウと一緒)。2016/07/16
(右上)コメススキ 2016/07/23
オオレイジンソウ(姥沢で見つけた残花) 2016/08/20
(右上)フキユキノシタ 2016/08/20
この時期に咲くものとしては、
他にベニバナイチゴ、ミヤマトウキ、イワオトギリ、ヤマハハコなども見ているが、写真は省略。
以上。
「(3)晩夏~秋の花、草紅葉編」へ続く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます