(本頁は「霧ヶ峰・車山トレッ・・・その1」の続きです。)
シモツケソウは東北の山ではとんと見かけない。
花は既に終盤モードだった。見頃は7月下旬か8月でも初め頃だろうか。
シモツケソウ(アカバナシモツケソウ)の群生
シモツケソウ(アカバナシモツケソウ)の穂花のアップ
シモツケソウはそのまんま園芸化されてもおかしくないほど綺麗な花だが、何故かそうはなっていない。
既に似たような別の園芸品種、キョウガノコが活躍しているせいだろうか。
シモツケソウの群生地はやや湿っている。そのせいかチダケサシやサワギキョウが混じっていた。
チダケサシ(ユキノシタ科)とサワギキョウ サワギキョウ
チダケサシを見たのは今回が初めてだ。秋田には近縁のトリアシショウマは有るが、チダケサシは無い。
霧ケ峰のニッコウキスゲ群落は有名だ。
しかし今回はほぼ完璧に終わっていた。 今回出会ったニッコウキスゲの開花シーンはこれだけ。
バックはアキノキリンソウ(ミヤマアキノキリンソウ?)。
キスゲ(ユウスゲ)は昨夕、ビーナスライン沿いにホンの少し見かけたが、車を停められなかったので撮影は断念。
霧ケ峰をはじめとした信州の高原には何故こんなに綺麗なお花畑があるのだろう。
これはずっと前から、不思議に思っていたこと。
お花畑のある場所の標高は1400mくらいから2000mくらいまで。
この高さは、中部地方では、亜高山帯に相当し、
通常はシラビソやコメツガなどの針葉樹林かダケカンバなどの落葉広葉樹林に覆われている。
それが草原となったのには理由がある。
大部分は長年にわたる刈り取りや放牧、火入れなど人間様が干渉した結果、出来上がったものと説明されている。
となれば、この山のお花畑は「半自然」であり、
数十~数百年の歳月をかけたガーデニングの成果と言えるかもしれない。
それを維持するにはそれなりの労力が伴うことだろう。
次いで花の種類や量が豊富な訳は・・・。
秋田の同じような草原(多くは標高数百mのスキー場など)を訪ねると、
遠めには草原のように見えるが、近くに寄ると必ずしもそうではない。
多くの場合、ススキやオオイタドリ、ササやハギの類、タニウツギなど強壮な草木にびっしりと覆われていて、
綺麗な花が咲くものは極めて少ない。
霧ケ峰や美ヶ原のお花畑は、標高が1600~2000mと高く、亜高山帯なので、低地の強壮な植物は生育しにくい。
遷移(例えば、裸地→草原→陽樹林→陰樹林)の進行も非常に緩やかである。
また中部日本に位置し、元々豊かなフロラ(植物相)が基盤にある。
そこに人為が加わり、出来上がったオープンエリアにいろいろな種類の草花が侵入、
互いに競り合いつつも共存している様が、
人間の目には「綺麗なお花畑」として映るのかもしれない((^^;)これは私の勝手な解釈)。
・・・と話が脇道にそれてしまった。
他のユリ科(現在は別科になっている)を二種。
オオバギボウシ コオニユリ
ヨツバヒヨドリやヤマハハコの地味なお花畑
下りになると、家内の足どりがいつも急に速くなる。
こちらとしては花の撮影があるので、ゆっくりと下りたいのだが・・・
車山からの下り道。背景は蓼科山や北八つの峰々。
家内は逃げ水のようにさっさと降りて行く。
ナンテンハギ(ハギの仲間ではない。意外だがソラマメの仲間) マルバハギ
ママコナ
ウツボグサ オミナエシ。右奥のシルエットはハバヤマボクチか。
ウツボグサは花が終わる真夏に枯れるので、カコソウ(夏枯草)とも呼ばれる。
ノアザミ
ノアザミは平地では初夏の頃に咲いてそれっきりだが、ここではダラダラと真夏にも咲いていた。
高原にはキク科の草花が多い。既に何種か出ているが、残りを紹介してみる。
マルバダケブキ コウリンカ
富士には月見草が似合うと高名な作家が言っていたが、霧ヶ峰にはシシウドの花が似合う
シシウドの花アップ。 今一度、マツムシソウ。
と思ったがやはり
霧ケ峰には松虫草こそよく似合ふ。
霧ケ峰は、某社エアコンの名前にも使われるほどだから、真夏でも涼しくてたまらない場所のように思われている。
ところが、さにあらず。私の訪ねた(2007年)8月15日の霧ケ峰の気温は30℃近かった。
姫木平でも夜は寝苦しかった(ペンション・アルペンフロラにはクーラーが無かった)。
翌日(8月16日)は、熊谷(埼玉県)、多治見(岐阜県)で40.9℃と、これまでの国内最高気温記録を塗り替えた日。
さすがの霧ケ峰もこういう日は (´π`;)暑くなるんだ。
だいぶ高度が下がって来た。
あともう少し歩けば、冷たいアイスクリームが食べられる。
車山下山後、姫木平の宿に戻るまでの間に見た山岳風景を二枚。
蓼科山や白樺湖を望む。
八ヶ岳連峰から雲が取れて来た。
「八島ヶ原湿原」に続く。
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