面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

看取り犬文福

2020-09-25 23:41:09 | 
~~引用ここから~~

【ゆうゆうLife】最期に寄り添う「看取り犬」の奇跡 ペットと暮らせる特養

神奈川県横須賀市の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」。ここで暮らす雑種犬の文福(オス、推定10~11歳)は、入居者の最期に寄り添う不思議な...

産経ニュース

 


 神奈川県横須賀市の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」。ここで暮らす雑種犬の文福(オス、推定10~11歳)は、入居者の最期に寄り添う不思議な「力」を持っている。新型コロナウイルスの影響で、家族との面会も制限されるなか、「看取(みと)り犬」文福をはじめペットたちが、高齢者や介護職員の大きな支えになっている。

殺処分の直前に

 さくらの里山科の2階フロア(計40室)は、犬か猫と暮らすことができる。ペットと一緒に入居する人や、自分で飼ってはいなくても、犬や猫と暮らしたい人だけのフロアだ。4ユニットに分かれており、現在は、2つに計10匹の犬、もう2つに計9匹の猫がいる。多くは飼い主とともに来たペットで、一部は動物愛護団体を通じて引き取られた保護犬や保護猫だという。


 文福は殺処分直前に引き取られた保護犬だった。ホームに来たのは平成24年4月。開所時からの「古株」だ。「最近、腰の神経痛で歩けなくなった時期があったんです。年相応というか、人間と同じですね」。元気になって近隣を散歩する文福のリードを引く若山三千彦施設長(55)はそう言って目を細めた。

ケアをサポート

 そんな文福の不思議な行動に職員が気づいたのは、ホームに来て2年目のことだった。2階のユニット長、出田恵子さん(50)はある日、1つの居室の前で文福がうなだれて座っているのに気づいた。翌日になると、職員の後ろから居室に入っていき、入居者が横たわるベッドの脇へ。そしていよいよ最期を迎える際は、ベッドに上がって別れを惜しむように顔をなめ、職員が声をかけても離れようとしなかった。ユニットで暮らす高齢者が最期を迎えるたび、文福は同じ行動を繰り返した。

 「私の考えですが、おそらくはにおいで、入居者さんの最期が近いことが分かるのではないでしょうか。だから他の犬にも分かるはずですが、寄り添うのは文福だけ。文福の性格というか、意思なのでしょう」と若山施設長は言う。

 文福の「看取り活動」は終末期のケアをサポートしている。ユニットで暮らしていた80代後半の鈴木吉弘さん(仮名)は、そのときすでに医師から「余命1週間」と告げられ、意識もなかった。かつてはホームから近い佐島漁港を拠点とする漁師。うわ言で「佐島」とつぶやいていたという。

 出田さんは、そんな鈴木さんを最後に佐島漁港に連れていきたいと提案。「鈴木さんらしい最期をかなえたい」との思いからだった。だがスタッフ会議では、体に負担をかける外出に慎重な声が上がる。出田さんは思い切って言った。

 「文福の『看取り活動』が始まっていなかったら出かける、というのはどうかな」

 すると文福を見守ってきた職員たちは賛同し、鈴木さんは娘さんや出田さん、看護師のサポートのもと、思い出の詰まった佐島漁港を訪れた。心配された体調は安定し、血中酸素濃度はむしろ上昇。鈴木さんは漁港を訪れて6日後、文福の「看取り」を受け、家族に囲まれて穏やかに旅立った。こうしたエピソードを若山施設長が書籍にまとめ、今年「看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」(宝島社)として再刊された。

コロナ禍でも…

 新型コロナウイルスの影響により、入居者への面会や外出が制限されるなか、文福たちの世話をする外部ボランティアの訪問も中止された。だが、こうした状況下だからこそ、ペットたちの存在は大きい。
~~引用ここまで~~


読んでいて涙が出た。命あるものは死は避けられない。生まれたものはいつか必ず死ぬ。だがだからこそ死ぬときは家族に囲まれて穏やかに旅立ちたいものだ。

文福は入居者の最期がわかるようだ。他の犬にもわかるのかもしれないが、入居者に寄り添い最期を共にするのは文福だけとのこと。だから「看取り犬文福」だ。

犬や猫のペットと共に入居できる老人ホームの存在はテレビなどで報道されるようになったから存在は知っていた。家族も臨終の際は立ち会うがそれぞれ生活があるからずっと一緒に居れるわけではない。その点ペットは、まあ猫は気まぐれだが、老人ホーム入居者の側に居れる。

老人ホームの職員も入居者の死は覚悟していると思うが、話をしたりして仲良くなっていると堪えるだろう。ペットの存在は職員の心の負担も軽減してくれるのではないか。

今飼っている2匹の猫トラとラトも保護猫を譲渡会の人から譲り受けたものだが、それ以前にも猫を飼っていた。その猫も「トラ」。我が家ではトラネコの雄は雑種でも代々トラである。そのトラも違う譲渡会の人から譲り受けた猫だったが、3年前に腎不全で死んでしまった。

人間の食事を分け与えていたのがトラには良くなかったようだ。猫には塩分が濃すぎるのだ。だが元気がなくなるまで問題だと思っていなかった。

急に元気がなくなり慌てて獣医さんのもとに連れていったのだが、それから2週間で死んでしまった。まだ10歳だったので元気がなくなったが死ぬとは思っていなかった。治ると思っていた。

だからその日は昼間寝ていた。だが起きてきてトラの様子を母に聞くともう駄目みたいだという。トラは最期の力で私が来るのを待っていてくれていたのだ。思い出すとまた涙が出る。本当に良い猫だったから。

今の2匹の猫達は凄く人懐こいが、死んだトラは臆病な猫で家族にしか懐かなかった。お客さんのもとに連れていくと泡を食って逃げてしまうのだ。でも家族には内弁慶で誰よりも早く起きてきて母に朝御飯をねだるのだった。朝の4時くらいのことだから母には大変な負担だったようだ。母が布団を被って起きないと私の部屋にやって来てガリガリ扉を引っ掻いて起こそうとするのだった。

今の2匹の猫達は夜は隔離してしまうのだが、トラは好きにさせていた。だから冬は私の布団に潜り込んで一緒に寝た。猫がいると寝返りを打つことができず熟睡できないのだが。

ペットの存在は人の心を穏やかにする。殺処分される犬や猫がいなくなると良いのだが。

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