人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

唯仏与仏

2017-01-26 | 日記


認識に立ち、人の認める処は過去と未来。

只今は仏の懐、認識の始り終りを知らず。

生まれた時を知らず、死する時を知らず。

知るは人、知らぬが仏、人は仏に成らず。

既知は過去、未知は只今、故に唯仏与仏。

知らぬ儘に、法が法を事実が事実を伝う。

知に座すは人の有り様、留まらざるは法。

法は、応無処住而生其心、既知に住さず。

認識以前の処ゆえ、不立文字、教外別伝。

人が知り得る処は、法に非ずの事柄のみ。

故に、否定を通じ法に至る他に術はない。

法でないものの否定が、法の肯定となる。

うたた悟ればうたた捨てよ、説示の所以。

認識する処や納得した事は、我の懐の内。

人は知を足場に、自己修正に余念がない。

故に、修正された過去を一歩も離れない。

過去と未来は、自己を中心の既知の世界。

法は未だ知られざる処ゆえ、不生の仏心。

未知の現前が仏、既知の滅する処が成仏。

念は相対ゆえ、掴んだ処を軸に輪廻する。

己が念を中心に、六道巡るは輪廻の歯車。

一念が滅す処に一念が生ずは、如是の念。

念を継がず念念新た故に、既知に住さず。

一つの処は未だ認識なく、故に対象なし。

想いを対象とし認める以前に、我は不生。

不生の処ゆえ不滅、不垢不浄、不増不減。

”只須く十二時中 無理会の処に向かって
究め来り究め去るべし”    大燈国師    

今日の縁: 「唯仏与仏」
https://seesaawiki.jp/w/turatura/d/%CD%A3%CA%A9%CD%BF%CA%A9