柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬があります。
小柴胡湯(しょうさいことう)と五苓散(ごれいさん)を合わせた漢方薬です。
古典的には、「感染性の下痢(特に夏)で発熱を伴う例によい」と書かれています。
現在でも、急性胃腸炎やむくみに使われます。
うちでは、急性胃腸炎と滲出性中耳炎によく使っています。昔から(私は30年前から)、
小児の微小変化型ネフローゼ症候群のステロイド剤の減量に使っていました。
当時は、あまり理解もせずに上司の先生に言われて処方していました。
柴胡にはステロイド剤に似た抗炎症作用があるのは知られていますが、
最近の西洋医学的アプローチでエビデンスも出てきています。
小児の胃腸炎では五苓散(ごれいさん)を使うことが多く、これで結構助かります。
それに小柴胡湯を追加することで、パワーアップしていると考えれば良いでしょうかね。
舌が真っ白になったり、肋骨付近の圧痛(漢方では胸脇苦満といいます)があれば、
よく効く可能性が高いです。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)などにも使われています。
http://www.kodomo-kampo.net/article/15806071.html
※活動期に黄連解毒湯の併用 (北里), 五苓黄解液 (五苓散+黄連解毒湯)