中年以降になると膝に痛みがきます。
自分の体重を支えきれなくなることもあります。
太っていなくても痛い人は痛いです。
中年の女性に多いのですが、色白, 汗ばみやすく, 水太り, 蛙腹の人がいます。 「大きな膝」をしています。
こんな人には、防己黄耆湯が効きます。 2週間くらいで、尿量が増えて、膝が小さくなってきます。
鎮痛作用を強化するために、附子(ブシ)を追加したり、
越婢加朮湯を混合したりします。 私の母はこれを飲んでいました。
ブヨブヨして水がたまっている人は、苡仁湯
熱感や腫れがひどい人は、越婢加朮湯
冷えて痛む,しびれる人は、桂枝加朮附湯が良いでしょう。
膝が痛いだけでも、これだけバリエーションがあるのはすごいです。
これは、皮膚疾患 にも著効する漢方薬です。
水の代謝が悪いため、体内の水を発散させる機能が落ちて、 水湿といわれる余分な水が巡らない状態が起きてしまうことがあります。
この水湿が関節筋骨に溜まればそれらが 痛み を惹起し、 皮膚にこもれば 湿疹 や分泌物の多い 皮膚炎 をおこすことになります。
食欲があって, 体格もがっちりとした方の 慢性的な関節の腫れ痛み に 特によく効きます。
それほど気力体力のない方の場合でも、服用量を変えることによって調整可能です。
また、胃腸をよく使うために、その関連の経絡、特に陽明経(ようめいけい)という 経絡に熱がこもった状態に効きます。
この経絡の流れは足、膝、太もも、両肘を通っているので、両足の重だるさやむくみ、肘の腫れ痛み、そして目の周りや眼球の 結膜の疾患 にも効きます。
飲食過多などで、使いすぎた胃腸の熱が腎、膀胱まで派生することがあり、この場合の 腎臓疾患 にも使います。
実は私自身が一時期思い 肘の関節炎 を患ったのですが、旺盛な食欲体質ゆえこの方剤を使用し、完治したことがありますので思い入れのある漢方方剤の一つです。
自信を持ってお出しいたします。どうぞお試しください。
病名列挙:
関節や筋骨の腫れや痛み、分泌物や水泡のある皮膚疾患、まぶたや結膜の疾患、腎臓疾患、咳など。
処方内容:
麻黄、石膏、生姜、甘草、白朮、大棗
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/f7fbd524bf57cda781cbc0283fbb60af