鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

国立科学博物館の特別展示がはじまった

2018-07-14 06:31:16 | 日記

 

 上野にある国立科学博物館で昨日13日から、特別展『昆活しようぜ!』がはじまりました。

一昨日内覧会というのがあったので、行ってきました。

 上野公園、広いなあ。

クスノキがたくさんあるので、アオスジアゲハがけっこう飛んでいる。

 

 やっと着きました。

 

「2メートルもある巨大昆虫模型!」とパンフレットにあったエントランスの部屋。

夏休みのイベントでよくある、お子様向けの巨大昆虫模型とは一線を画す、リアルかつアートな模型。

鏡と光が効果的に使われていて、自分が小人になって昆虫を観ているような、そんな錯覚に陥るくらい素晴らしい。

訊いてみると、アメリカでつくられたそう。

 

 

 「昆虫とは?」「昆虫の多様性」「昆虫の生態」「昆虫の能力」「昆虫研究室」

と、テーマごとに展示がつづいていきます。

 

 

 

 

数万点の標本が展示されている標本回廊。

 

「岸田コレクション」のヒトリガの標本の美しさに見入った。

 

 

この特別展のためにマダガスカルへ行って採集した、青く輝く新種のセイボウの仲間。

来場応募者のなかからこの新種の名前をプレゼントするという前代未聞のキャンペーンの展示。

 

「観覧注意!」とある『Gの部屋』

世界にはこんなGもいるんだ!と目を見開かせられる部屋。

キイロテントウゴキブリとかケンランマルゴキブリとかハテナゴキブリとか、ニコニコゴキブリなんていうのも。

生体展示されているハテナゴキブリ。

 

 

 

自然写真家 山口進さんの、今は幻となったジャポニカ学習帳の昆虫表紙も観ることができる。

 

本格的な採集道具の展示。

 

 「昆虫の能力」というコーナーでは、昆虫が伝達手段として発するフェロモン、鳴き声、振動などを

実感できる装置もあり、面白かった(このコーナーは撮影禁止だったので写真はない)

 

 

 最後に昆虫グッズの販売コーナーも。

 

この図録(2000円)。充実の内容。

 

 ひとわたり回ったところで、内覧会の閉会式というのははじまったらしく、

みんなその会場へ移動して、展覧会場には誰もいなくなったので、しめしめ。

ひとりでもう一度、じっくり見てまわろう。

改めてエントランスの部屋の模型のすばらしさを堪能。

自らの姿にうっとり見入るオオムラサキ。

 

 

 

 

 蝉しぐれのなか、バス停から家までの道端でゴマダラカミキリ。夏、だなあ。

 

10月8日までと会期も長いので、上野へ行くことがあったらぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


虫さがしは早朝に

2018-07-10 17:03:06 | 日記

 ここ1か月くらいは、クルミの樹で幼虫探しをしていました。

そしてムラサキシャチホコをはじめ、見つけた幼虫からはすべて寄生がでてしまった・・・。

もう、がっくり。

 幼虫が成虫になる割合って、ほんとに少ないことを実感した。

 

 気を取り直して・・・朝は6時前に家を出ます。

だって、暑いんだもん。

 

サクラコガネかな?

 

フキバッタの仔。色合いがきれいだな。

少しブルーがはいっているのが効いている。

 

わーい!ウシカメムシの4齢幼虫。

何度見ても面白い。

 

トリノフンダマシ!

おなかのほうはこうなってるんだ。

朝からこんなのに会えるとテンションあがる~

 

ススキの葉では母グモが卵のうを守っている。

 

 

アカサシガメの朝食光景をみていたら、おなかが空いてきちゃった。

もう帰ろうかな。

 

 

シャワーを浴びたら、ゴハンの前にまずアイス。

ほうじ茶味、美味しいです。

 

大事に育ててきたガの蛹―ヤママユ×2、ヒメヤママユ、ウスタビガ×2、オオスカシバ

のために、羽化ルームをセットしました!

 

 

 

 


夏がくるよー、という朝

2018-06-25 07:31:38 | 日記

 夏の到来がすぐそこ、と感じさせる朝の日差し。

 

 昨日は近くの里山公園へオニグルミを観に行きました。

オニグルミが4本あって、まわりがぐるっと平地なので観やすい!

オニグルミといえば、アレですね。

1時間ほど探して、「いた!」。

 

頭、おっきい!

もう3齢か4齢でしょうか?

 

横から見ると頭部がエイリアン。

 

その後、1時間半くらい付近を丹念に見るも、2匹目は見つからず。

ああ、遅かったなあ。

タマゴから見つけたかったのに。

ムラサキシャチホコの卵は40個くらい、まとめて産み付けられるといいます。

だから付近にもっといていいのに、と思うのですが、

小さいうちにいろいろやられちゃうんでしょうか。

ここまで生き延びるのはたいへんなんだなあ。

寄生も多いときく。

 

 同じ樹で、10mmもない真っ黒な幼虫も見つけました。

胸部が膨らんでいます。

なんだろう?

 

そしてバイバラシロシャチホコの幼虫も。(右側が頭部)

ちょっとの刺激で激しく威嚇ポーズをとり

体全体を振り回します。

気の強い幼虫です。

 

 

帰り道にあったクリの樹では、カニグモとマメコガネが一騎打ち。

 

近いうちにもう一度行って、探してみよう。

 

 

 


現役の里山

2018-06-18 08:34:22 | 日記

この間の日曜日に行ったのは地元の里山。

里山公園ではなくて、現役というか、もとからあったというか、まだ里山として機能している環境。

でっかいコガネグモがよく似合う風景でした。

 

あ、ウマノスズクサ

 

あ、ホソオチョウの幼虫がたくさん

ホソオチョウの成虫はまだ見たことがありません。

国内には生息していない種なので、東南アジがから持ち込まれたといわれる。

同じウマノスズクサを食草とするジャコウアゲハを圧迫するのでは、と心配されているが

どうなんだろう?

そもそもウマノスズクサなんていう、どこにでもある草ではない植物を食べる種が

持ち込まれてどんどん繁殖しているとしたら、よほど適応能力が高いのではないだろうか。

 

 

エノキの葉ではゴマダラチョウの幼虫が脱皮して、「仮面」をぽいっ、としていた。

ゴマダラチョウも、アカボシゴマダラに押され気味といわれている。

 

コガシラアワフキの交尾はハート型。尾端に見える赤いものは何?

 

サルハムシの仲間。光沢がきれいです。

 

綴られた葉をひらいてみると、ハエトリグモの幼体がうごめいていた。

 

毛の生えたゾウムシかと思ったら、ハイイロチョッキリだった。

 

 

 天気が回復したら、こんどはマイペースで歩いてみたい場所でした。

 

 

 

 


おおきなクリの樹の下で

2018-06-14 08:28:03 | 日記

 気温よし、風よし、空よし、フィールドよし、蚊少なく虫多し、虫友よし

―昨日はそんな、一年のうちで幾日もない里山での一日だった。

 クリの樹では、チョウ、ガ、カミキリムシ、ハナムグリ,ハチ、アブ、アリなどなどたくさんの虫たちが

夢中で花粉を食べたり、蜜を吸ったり。

キマダラセセリ

 

クロハナムグリ?→Iさんにヒラタハナムグリと教えていただきました。

 

 

エグリトラカミキリ?

 

メスグロヒョウモンのオス?

 

いずれも虫目のツワモノども

 

6センチくらいのトビモンオオエダシャク。まだまだ大きくなります。

 

疑似柵にいた名前不明のガ

 

2センチもあるツノアオカメムシ

 

ツノアオカメムシと同じ場所で見ることが多いアオクチブトカメムシ

 

 

虫よけ効果のあるアームカバーに平気で飛んできたアカシマサシガメ

 

エビイロカメムシは産卵中

 

 

そして、レンジャーのKさんに連れて行ってもらったアワブキでは―

スミナガシの若齢幼虫が!!!

まだ3.5㎜くらい。

でもちゃんと模様が見える。

 

 

時間がたつのも忘れて虫の行動をじ~っと観察するIさんが、

アリの集まっている枝に寄ってきたミズイロオナガシジミに気が付いてみていると・・・

卵を産んだ!

その一部始終を連写したIさん。

私はその卵を撮らせてもらいました(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 


連載のお隣さん おもちゃ作家の佐藤蕗さんと

2018-06-08 07:21:58 | 日記

連載のお隣さん、おもちゃ作家の佐藤蕗さんhttp://fuki.petit.cc/muscat1/

来年の新年号でコラボ紙面をつくることになり、昨日は打ち合わせで二子玉川へ。

蕗さんもお隣の私の欄に興味をもってくれていたらしく、さっそくいっしょに河川敷を歩くと・・・

即虫目体得。

私が見たかったキマダラカメムシの、しましま模様時代の1齢幼虫を見つけてくれた!

虫×おもちゃでどんな紙面になるか、すごく楽しみ!


ヒロバツバメアオシャク64の日に羽化

2018-06-05 06:12:25 | 日記

 きのう朝、ヒロツバメアオシャクが羽化しました。

64の日の朝からうれしい。

ヒロバツバメアオシャクにはいろいろな思いが。

『イモムシ・ハンドブック』で見て、これを探したい!と思ったけれど、なかなか見つからず。

以前住んでいた神奈川県のフィールド(といっても霊園の桜並木)では3年間で1匹だけ。

そして埼玉県に越して、ここにいるといいなあ、と虫友のIさんに訊くと、「いますよ」。

いちばん小さかったのはまだ1センチ。

Iさんのおかげで今年は3匹見つけることができ、飼育も。

 

かわいらしい盛りのヒロバくんの様子をたっぷり見ることができた。

 

4センチを超したころ、どんなふうに蛹になるんだろう?

と思っていると、急に姿が消えた!

そばには怪しい葉が。

丸まった葉に不規則な穴が。

なかをのぞくと・・・

3月末に若齢幼虫を育て始め、5月13日に蛹化開始。

 

そして、昨日6月4日に

あのピンクの幼虫が、青磁色の美しい成虫に変身していました。

 

 

これが脱皮殻。

1.5センチほど。

で、成虫の開帳はなんと4.5センチ。

その差の不思議さ。

 

 昨日はちょっとだけフィールドにも。

見られる期間が短いオオトラフコガネを今年もう一度見ておきたかった。

 

いい64の日だったなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 


ヤママユガ 卵~繭まで

2018-05-29 17:50:45 | 日記

 飯能にきてから、付近でヤママユガ類の卵や幼虫を見つけることができること、

そして飼育に十分な食草を供給し続けることができる―つまり養っていけるという環境ができたので

ヤママユガ、ヒメヤママユ、ウスタビガ、オオミズアオ(まだ卵)などを飼育してきました。

どんな風に生まれて、どんな風に成長して、そして営繭するのか―その一部始終を観たい。

 まずは3月7日に卵を見つけたヤママユガの成長アルバムです。

 

 4月1日孵化

 

 

 

最初の食事

 

元気~

 

兄弟も孵化して2齢になった

 

コナラの葉を食べて、食べて、食べて4齢になった。4月11日のこと。

 

食欲すさまじく、終齢になってもまだ食べる、食べる。

 

 

そして5月18日。食べるのをぴたっとやめ、体が縮んで、糸を吐き始め、営繭がはじまった。

 

 

まず粗く糸を編んで、形になるまで約1日。

 

翌朝、内壁も厚くなり、繭ができあがったよう。

ヤママユガの繭というと、薄黄色のものが多いが、できたばかりはこんな薄緑色をしている。

耳を近づけると中からは、まだカサコソ、と音がする。

内壁の補強が続いているのだろう。

この状態になったのが5月20日。

孵化から1か月と10日でした。

 でも羽化まで、この繭のなかでは幼虫の体がすっかり成虫の体につくりかえられる、という

ビッグイベントがはじまっている。

 

 

 

 

 

 

 


運動会をみながら

2018-05-28 06:56:08 | 日記

週末は、いつもの虫散策路にある小学校の運動会でした。

山間の小学校の運動場は広々として、子どもが多かった時代につくられたのでしょう。

生徒の数より保護者の人数のほうが多そう。

ここは運動会の場所取りの争いとは無縁。

散策の途中、いつも見下ろしながら和んでいる山に囲まれた運動場です。

 

手前の草むらには、ひっそりとアオシャクの一種。

 

ベニモンマイコモドキも。

 

 

付近にはアケビがたくさんあるのに、今年みつけたアケビコノハ幼虫は2匹。

そのうちの一匹が終齢となり、お別れのときが近付いてきた。

名残惜しい。

 

 

 


ちょっと見、地味でも

2018-05-26 15:30:14 | 日記

 道沿いにツツジの植え込みがあり、そこからいろんな植物がつんつん。

 そのなかの名前のわからない草に、一見地味な緑色の幼虫が、すっくと。

下半身太い。

 

よく見ると、ネコ耳もついてる。

横顔

 

調べてみるとコシロスジアオシャクの幼虫と判明。

そこから植物の名前もボタンヅルと判明。

いつも虫に植物の名前を教えてもらっています。