虫を見つけて写真を撮ると、まず知りたいのが名前です。その場合まず手がかりになるのが、どんな種類の虫かということ。
カメムシなのか、カミキリムシなのか、テントウムシなのか、といったおおまかな見当をつけることが、虫の名前を調べる上で第一歩。 その上で図鑑を見て、名前の見当がついたらネットで検索します。
でも、これはいったいどんな種類の虫か―途方にくれることも。
図鑑は売れなくなった、とある出版社の編集の方が嘆いていましたが、わたしにとっては紙の図鑑もネットの検索も両方有用。確かに紙の図鑑は、数枚の写真しか載っていないので、なかなか同定するところまではいかないのが悩みです。虫は個体差もずいぶんあるから、数枚の写真だけで名前を知るのは難しい。まずは、どんな種類の虫なのかということを知ることからはじまるのですが、これに役立つのが、こんな図鑑。
日本昆虫学発祥の地 北海道大学出版会が出している『札幌の昆虫』(木野田君公著 北海道大学出版会刊)。
札幌に行くので、札幌の昆虫について知りたくて買った図鑑ですが、これが紙の図鑑の楽しさを再認識させてくれるすごいスグレモノでした。こんなすばらしい図鑑、もしかすると私が知らなかっただけで、すでに名著として名高いのかもしれませんが。
札幌(札幌、小樽、石狩地域を含む)の昆虫といっても、他の地方の虫さがしにもちっとも不便はありません。札幌周辺には、こんなにたくさんの虫がいることも驚きです。
ヒラタアブはよく見る虫ですが、ホバリングしている姿がかわいいし、腹部のストライプもすてきなので好きな虫ですが、
こんなに種類があることをこのページをみてはじめて知りました。
生態がわかるような画版写真にはすべて撮影日時が入っているのもすごくいい。
去年軽井沢で見つけたカメムシも、メスオス両方載っているので、見たのはアオクチブトカメムシとツノアオカメムシのメスだとわかりました。
ジンガサハムシやカメノコハムシの見分け方って難しいけど、これでかなりはっきりわかりそう。
テントウムシのページも充実しています。
子どもも大人も使えるように、漢字にはふりがながされていますが、でも子どものことを考えつつ、子どもに媚びることなく、子どもをちゃんと一人前の読者として考えている気持ちが伝わってくる―これはすばらしいことじゃないでしょうか。 今まで見た虫をおさらいしたり、いつか見たい虫のイメージをつかむのにも、うってつけの図鑑です。