共感疲労、というのがあるそうです。
あまりにも悲惨な映像をくりかえし見過ぎたために
震災以前と同じことをするのに罪悪感をもったり、無力感にさいなまれたり・・・。
考えてみると、確かに自分にもある。
ついテレビ見すぎちゃったんだと思う。
ACアレルギーの人も多いのでは?
私は「こだまでしょうか?」がいちばんダメです。
耳をふさぎたくなって、うっ、とくる。
金子みすずの詩は大好きだけど、あれはもう聞きたくありません。
仁科明子さんが困惑している、という週刊誌の記事もありました。
日本中の人に、自分が38歳のときに子宮頸がんになった、ということが
未曽有の災害のニュースとともにこれだけひっきりなしに告げられて刷り込まれたら・・・・
いくら女優だからって、いくら広告に出演したからって、
困惑しますよね。
香山リカさんも、こんなときはいっとき他のことに逃避することで、
自分の心をリセットする、ということが大事、と言っていました。
そこで多摩川の川辺へ、春の常連たちをさがしに行ってきました。
川辺ではいつもの春のように、ひとびとが散歩したり、お弁当食べたり、釣りしたり。
でも、やっぱりいつもの春とは違う、どこか空気のなかに緊張感がある、
こんなおだやかなひとときがいつ崩壊してしまうかもしれない、という不安感が、
見えない粒子のように空中に漂っている。
でも・・・・・・
まだ少ないけれど、菜の花が咲き始め、いました、いました、ナガメ。
ギシギシの葉にはつやつやしたルリハムシ。
枯草の上で翅を広げて日向ぼっこしているのは成虫越冬したキタテハとルリタテハ。
あ、シラホシカメムシだ。
ナナホシテントウもね。
タンポポの花にはハエの一種、かな。
ハナニラの花にいるのはカミキリモドキの仲間?
ん?
はじめてみるハムシだ!
くすんだゴールドの体色に黒い水玉が並んでいる。
調べてみるとトホシクビホソハムシという名前でした。
地震、津波という自然災害に痛めつけられたばかりの私たちは、
いま自然が奪う力にばかりに目がいきます。
でも自然が与えてくれる豊かさも同時にあるのだということを、
春の常連たちは、「今年もそこに居る」ことで、思い出させてくれたのでした。
で、やっときょうのタイトルの話にいきます。
以前にもちょっと書いた京都で開催(おおげさー)するイベントのこと。
地震のあと、あれはどうなるかな? できるかな?
と思っていたこの計画。
1月から大阪の池内美絵さんのお誘いで、
こんなふうにはじまりました。
まず6月4日を、勝手に「ムシの日」と決めたという池内さんから、
京都のガケ書房さんの一隅で、この日にヤスデ
(美術家として知られる池内さんはヤスデの飼育家でもあり
500匹もヤスデを飼っていて、つまり売るほどある)
を売る(!?)イベントをします、
と連絡がきて、
さわれるかどうかわからないけれど、
写真で見たり話をきいたりしている彼女のヤスデを一度見てみたいし、
ついでに大阪近郊の伊丹昆虫館とか箕面昆虫館とか見に行きたいし・・・・・
「行きます!ヤスデを見に来る人たちには虫好きもいると思うので、
ヤスデ屋さんの近くで、そんな人たちとまたお茶会でもできたらいいな」
と言ったら、
せっかく東京から来てくれるのなら、
いっそ、ガケ書房でトークイベントっていうのはどうですか?
と池内さんが言い、
ガケ書房の山内店長がスペースを提供してくださることになり、
さらに同時に虫関連本のフェアもやりましょう、
と言ってくださり、
トークに赤穂の有吉さんも参加してくれるといいですね、
(池内さんと有吉さんについてはココhttp://blog.goo.ne.jp/mushidoko64/e/df2e91033ade12ee63cb01d397e631dc
を参照)
と池内さんが言い、
有吉さんにきくと、人前で話すのは得意じゃないけど、参加させてください、
と返事が来て、
うわぁー!
と池内さんと私が大喜びし、
すると山下店長さんが、すぐそばに吉田神社というのもありますよ、
と教えてくれ、
神社だったら虫いるかもぉ!
と私がさらに身をのりだし、
それじゃあ、トークイベントのあとに
親睦会を兼ねたランチとお茶して、
そのあと、吉田神社を虫目で歩く、虫愛ずる一日っていうのはどう?
と話は怖いほど一直線に進んでいき、
大阪市立自然史博物館の松本さんからも、
吉田神社のある吉田山、虫いますよー!
と教えてもらい、
それをきいた私は一気に元気百倍で、
それじゃあイベントのタイトルは「虫愛ずる一日 in 京都」だと思い・・・・・・
こうして計画は盛り上がりながら進んできたのでした。
6月には、いろいろなことが好転しているのを祈りつつ。
『虫愛ずる一日 in 京都』
日時:2011年6月4日(ムシの日)
① 10:00~11:30トーク『虫の愛で方 三人三様』(池内美絵、有吉立、鈴木海花)
虫好きといっても人それぞれ。三人三様の虫との付き合い方など、写真を見ながら紹介します。
② 12:00~13:30ガケ書房向いのカフェなやで、昼食しながら虫好きたちの親睦会。(飲食代各自負担)
*現在移転準備中の「なや」さんについては、次回ご紹介します。すてきなカフェですよ!
③ 13:30~16:30ごろまで 吉田神社にお参りしつつ吉田山の方まで虫目で歩く観察会。
という朝から夕方まで、3本立ての一日です。
どの部分から参加してもらっても大丈夫ですが、
①のトークイベントだけは参加費500円。場所の準備があるため、申込みが必要です。
申し込みは4月半ばごろから、ガケ書房さんのHPで開始するので、またこのブログで
お知らせします。
そして、きょうは『バニャーニャ物語』も更新しました。
第三話は、『うなぎ沼まで、おつかいに』。
バニャーニャは、もう夏。雨が降らなくて困ったみんなは・・・・・・。
ココからどうぞ。http://blog.goo.ne.jp/kaika64