雨がたくさん落ちていなければ、梅雨時はまだ蚊も少なく、
けっこう虫さがしに向いている季節だと思います。
川崎のほうの緑地に行ってきました。
川崎、というと工場ばかりのイメージがありますが、
それは一部のことで、
豊かに自然が残されている地域も多いのに目をひらかれる思い。
虫さがしのおかげで、
いろんな場所の知らなかった一面に出会うことも多い。
緑地入口にはアジサイの植え込み。
アジサイそのものを食草にしている虫は、アジサイハバチくらいかな、
と思っていましたが、
植込みの後ろ側にエノキ、コナラ、エゴノキなどなど、大きな木が茂っているせいか、
食樹から離れて、ちょっと気晴らしに出てきた、というかんじの虫たちもいました。
アジサイの花園にホソヒラタアブ。
大きな複眼と茶系でまとめた横縞の模様が、
アジサイの花色に映えてます。
これははじめて見るヤホシゴミムシ。
5月に見たときは4センチくらいだったのが、13センチくらいに大きくなったナナフシ。
イソウロウグモの仲間です。
銀色に光る体が目立ちます。
こちらは2.5ミリくらいと、ちょこちょこと動きまわる小さい仁丹のような
シロカネイソウロウグモ。
イソウロウグモ類は名前のとおり自分では巣を張らずに、
ジョロウグモ、オニグモ、コガネグモなど、
立派な円網を張るクモの巣に居候し、すみっこのほうで、
巣にかかったけれど宿主が見向きもしないような小さな虫を食べる
という生き方をしているそうです。
なかには、宿主が脱皮をするときに襲ったり、
幼虫を食べちゃったり、
宿主が何らかの理由で死亡すると巣を乗っ取ったり・・・・・
という美しい銀色の装いからは想像できないようなワルもいるそうで、
クモも見かけによりません。
緑の葉に映えるベニカミキリ。
胸部背面の黒い水玉模様が効いてます。
体の側面に黄色い線がはいったサジクヌギカメムシ。
なんど見てもみごとな縦縞に見とれちゃうアカスジカメムシ。
外国からやってきて勢力を伸ばしている肉食のヨコヅナサシガメ。
ドギツめの白と黒のヒラヒラが目立つカメムシの仲間。
灰色のビロードのような翅が、地味ながら美しいキシタホソバは2センチくらいのガ。
そして・・・・・・
うわぁぁぁ~、なにこれー!
トホシテントウの一族がいっせいにアジサイの葉の上に。
あちこちの葉に全部で30頭くらいも!
トホシテントウは、もっこりした体つきがかわいくて大好きなテントウムシ
なので、この光景にはうれしさのあまりクラクラ。
しばらく見ていると・・・・
おおっ、整列。
だんだん同じ間隔につめていって、きれいな列に。
小高い斜面を登っていくと、てすりにアカスジキンカメムシ。
グリーンとピンクの色といい、もりあがった体型といい、
羽化したばかりなのか、すごくきれいで健康そうな個体です。
でもいっときもじっとしていないで、走り回るので、
いい写真撮れなかったなあ。
このテントウムシは、体の下の方がずんぐりしていて、
ふつうの体型とはちょっと違って見えるけど、
やっぱりこれもナミテントウ?
クスノキのヒコばえにひっそりといたアオスジアゲハの幼虫。
もうすぐ蛹化するのかな?むくっと起き上がった。
やったー、ついにまた会えたアカガネサルハムシ!
ハムシ界の美麗ナンバーワンといわれる虹色のハムシ。
2年前に見つけた時にちゃんと写真が撮れなかったのが心残りで、
もう一度会いたい、と思っていたハムシです。
ぎゃー、そっちいっちゃダメ~
そこはタナグモの巣だよ!
これははじめて見るアトボシハムシ。
金属製の手すりの下にぶら下がっているサナギは、アカボシゴマダラじゃないかな。
今にも羽化しそうな雰囲気です。
この時期、たくさんみかけるカノコガ。
伐採された大木の切り株は、キノコ・テーブルに。
生まれたばかりと思われるハラビロカマキリの子。
1センチしかないのに、眼付がもうカマキリしてる。
逆立ちもできるよ。
ウシカメムシの成虫。
今年は鬼の仮面みたいな背中の模様が楽しい5齢幼虫を見たいと思っているのだが。
ふと気がつくと、足元にハガタベニコケガ。
サーモンピンクにギザギザ模様がきれいなガです。
トホシテントウ一族とアカガネサルハムシに出会えた
興奮の一日でした。
さて、きょうは7月1日。
毎月1の日は、虫目歩きから生まれたファンタジー『バニャーニャ物語』更新です。
第6話は『バニャーニャ冬景色』。
早くも猛暑の気配の日本ですが
冬のバニャーニャへ遊びに行けば、つかの間涼しいかも。
『バニャーニャ物語』へは、ココからどうぞ。