JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

世界への視野を広げてくれている、加藤周一さん「ひとりでいいんです」

2012年07月22日 | Weblog

 「ひとりでいいんです」このタイトルを見たとき加藤周一氏自身が「ひとりでいいんです」と言うのか、おかしいなあ、とおもったのですが、そうではなく、世界を知るには、「外国の友人をひとりもちなさい」と言うことでした。
 加藤周一さんは、次々と新しい問題意識を持たせてくれる方で、視野を広げてくれました。
 今回も、日本人の「強い者にまかれろ」「全会一致」「集団主義」に対して、ヨーロッパなど「個人主義がなぜ強いかというと、そこに信仰があるから・・・キリスト教」と指摘しています。
 わたしは、もうひとつ、歴史的な資本主義制度による個人主義の発展と思いますが。
 
 この本は、西荻窪の市民サークルとの勉強会をまとめたものとなっていいます。その通りですが、質問の水準も大変高く、知識人との対話と言うべきものとなっています。
 
 加藤周一さんがなぜ9条の会をつくったか、加藤さんは「政治の周辺にいるから真実が見える」と主体的に係わることを拒否してきました。
 わたしは、氏の言葉と裏腹に、現実には、私にも影響を与えてように、主体的に係わってきたと考えていますが、今回、自他ともに、変化しました。
 その理由を、直撃しています。「私は「戦後」つまり戦争一般を否定してきた時代に責任を持たなければならないと考える。改憲に反対しないで他になにをすることがあるでしょうか」と社会の変化の中での、自らの役割に目を背けない勇気ある姿勢を示しています。
 もうひとち、晩年のクリスリャンとして洗礼を受けた点については、この時点では、「いまのところは、わたしは儒者の孔子の徒なんです」と述べています。
 「いまのところ」と断定していません。
 
 マルクス主義に関しては、さまざまな側面から肯定・疑問点あいまった見解を示されていますが、この本では、「マルクスが分析したのは資本主義なんです」とソ連崩壊の体制論とのちがいを明確にしています。
 おもしろいのは「あなたがたは若いですから、いまから、マルクス主義の論文をけんきゅうしておけば、近い将来、その最先端にいることになる」と答えている点です。

 加藤周一さんと不破哲三さんの直接的接点は、見られませんが、この7月の日本共産党創立90周年の記念講演で不破哲三さんは、日本共産党の理論活動について「スターリン時代の中性的な影を一掃して、この理論の本来の姿を復活させ、それを現代に生かす、いわば科学的社会主義の「ルネサンス」をめざす活動とも呼べるものだ」と解明しています。
 この間、加藤周一さんが、世界の政治・経済・マルクス主義について語り提起してきた内容については、日本共産党員の変革の運動と特に不破哲三さんの数十年にわたる、理論活動を見ていると、より具体的に、全面的に応えていると思います。
 加藤周一さんの魅力の一つは、本質的な問題提起と場合によっては、その先駆的な解明にもあるのです。
 

伝説の身延町議会広報誌の編集委員 深沢徹氏

2012年07月14日 | Weblog

 千葉県町村議会議長会による、市町村議会広報研究会に参加してきました。
睦沢町議会だより、編集員長に返り咲き、新しい、編集員の2名と事務局2名での参加でした。
 講師の深沢氏は、私が議会だより編集委員になった20年以上前から、議会広報は身延町で、深沢氏の名前は聞いておりました。
 何度も、この研修会には参加しておりましたが、直接お話を聞くのははじめてで、編集のポイントを、たたみ込むようにお話しされ、大変勉強になりました。
 具体的な事例で、遠慮なくずけずけいう方で、81歳という年齢を感じさせない迫力でした。
 

国保税引き下げ、長南町など実施

2012年07月04日 | Weblog
 白子町、長柄町、長南町なで、国保税の引き下げが行われていることがわかりました。
 このことは、その気になれば住民負担の軽減に町が取り組むことが可能であることを示しています。
 睦沢町は、税率の引き下げを行っておりませんが、姿勢が問われています。


全面的に引き下げの長南町
国保税は、医療費基礎部分と後期高齢者医療支援分と介護保険分の三つに分けて税がかけられています。
 長南町では、医療分で、所得にかけられる分の率を8%から7.9%に、資産にかけられる分を22・3から20.5に、世帯ごとの一律課税分・世帯割額(平等割額)が2万8千円が2万3千円に、均等割額=加入者の人数ごと分が2万3千円が2万1千円に引き下げられました。
 同様に、後期支援分は、所得割3%が2.8%。資産割10%が8%。均等割り7千600円が6千900円に。平等割り8800円は変わらず。 
 介護保険分では、所得割2.5%が2.3%。資産割9%が5%。均等割り7千6円が6千円に。平等割り8000円が7000に引き下げられています。
 なお、細部では変更がある可能性があります。

国民合意・議会の多数による革命論こそ社会発展方向・・マルクス・エンゲルス

2012年07月02日 | Weblog
 月刊誌「前衛」の5月6月7月号に、不破哲三さんの古典教室の最終回「革命論」の内容が掲載されています。
 社会がどのような経過をたどって、「発展していくのか、発展させるのか」その中での自分の役割はという私の問題意識をより深める新たな事実と視点が示され、日本共産党の役割と路線が深められています。
 ①マルクス・エンゲルスは、革命運動の実践の中だからこそ理論が発展させられた。
  マルクス・エンゲルスの当初の革命の見方は、フランス革命の民衆の蜂起が先という実際の経験を元にしていたようです、しかしその後の革命の失敗の経験の経験の中で多数者革命論へと発展していくのですが、不破さんは「資本論の第一部の刊行に至る10年間がこの変革の時期と一致している」と「マルクスの経済学説の発展とその革命理論の発展とのあいだの内面的な相互作用という問題が大きく横たわっていることをあらためて深く痛感した」とのべています。
 ②日本社会の現状と変革の展望を歴史的に深める
 私の議会活動の基本的姿勢は、「人民的議会主義」の路線ですが、○政治の実態を国民の前に明らかにする。○国民のための改良の実現をはじめ、国民要求を国政に反映させる闘争の舞台。○「国会の多数の獲得を基礎にして、民主的政府を合法的に樹立する。
 地方議会のおいては、住民が主人公の地方自治体にするという側面があるわけですが、この議会を多数を得ての革命路線の原型が、マルクス・エンゲルスの運動の実践と反省・理論の発展にあるということを明らかにしています。
 これは、マルクス・エンゲルスの個人的な見解の継承というのではなく、当時の世界の歴史の発展の事実からくみ出されたものです。
 不破さんの特徴は、「マルクス、エンゲルスを歴史の中で読む」彼ら自身が理論を発展させてきた歴史のなかで読む」という視点と日本の歴史と現実・日本共産党の路線と政策との関わりを明確にしつつ解明している点です。
 私は、日本社会の独自の特質と発展方向・一般的社会発展との関連についての問題意識をもっていますが。特に加藤周一さんの著作には教えられるところが多いのです。不破哲三さんのこれまでの、著作を見ると、加藤周一さんから受けた問題提起に、応えてくれている気がしています。
 加藤周一さんは、日本人は歴史的に政治を語らないという特質を述べていますが、不破さんは、国民の置かれている実態から、変革への意識変革と多数者革命の方向性を示し続けていました。部分ですが、原発なくそうの大きな動きを見るとその深部の動きを感じることができます。
 ③どの国家もその基礎が革命にある
 不破さんは、六月号のなかで、これまでの封建社会への移行過程をさらに深めて、日本の歴史も新しい支配者による革命権行使の歴史だったと解明しています。
 織田信長の位置づけなど歴史的な未解明な問題もあるのですが、日本の歴史研究の到達点たって、変革者の立場で歴史を見ています。不破さんは、古典講座の随所で、日本社会と発展方向を語っているのですが、私の胸がわくわくする瞬間です。
 ④レーニンとスターリン
 日本社会のマスコミの見解は、旧ソ連もレーニンもスターリンも、毛沢東も中国もすべて、社会主義の歴史的誤りの証明だという論調が主流ですが、不破さんは、世界歴史と日本社会の発展の実践的立場から分析的に冷静に解明し、されらに、日本共産党の驚嘆すべき大国主義との戦い、反戦平和の戦いの歴史が生み出した、理論の創造的発展について語っています。
 加藤周一さんは、宮本顕治元日本共産党議長の訃報の時、「赤旗」に寄稿されました「宮本さんは反戦によって日本人の名誉を救った」と評されています。
 日本共産党の運動とたたかいは、日本人の「名誉」としても評価されるべきと思います。 不破さんの、レーニンの特に晩年の3年間の評価とそれまでの評価と誤りの分析、レーニンの生死をかけたスターリン批判。ソ連社会は社会主義ではなかったという歴史的評価と発展・中国革命と毛沢東とのたたかいなど、この間の歴史的な解明が簡潔に書かれています。 
⑤日本共産党のたたかいが、科学的社会主義を深めた。多数者革命論・未来社会論
 現在、世界で、科学的な立場での運動や理論でのしっかりと活動しているのは、日本共産党ぐらいのように思い、残念な気もしています。しかし、これには、戦前からの、命をかけた、運動と学問研究が基礎にあるということだと思います。
 不破さんは、改めて戦前の日本共産党の理論家野呂栄太郎の役割や戦後旧ソ連や中国からの干渉とたたかった宮本顕治元日本共産党議長の役割を紹介しています。
 フランス・イタリア・ドイツなど歴史的に力を持っていた共産党が、ソ連に追随していて、理論的にも混迷を深め弱小・解体していくなかで、戦前から日本の現状から出発した、自主独立のたちばを貫いてきた日本共産党だからこそということがよくわかります。
 分配を基本とするとした、レーニンの未来社会論のあやまりに気づき、マルクス・エンゲルスの「生産手段の社会化」が未来社会論の基本だということも、こうした、歴史と運動のなかだからこそです。
 それにしても、不破哲三さんの理論的な活動のすごさと、それを、生み出した全国の日本共産党員のたたかい、日本人の運動とたたかいに未来への確信を感じる3冊です。