不破哲三さんの古典教室第3巻を語るが「赤旗」12月19日、20日付けで掲載されました。 神戸女学院大学教授の石川康宏さんは、第1巻、第2巻から、様々な問題提起をされています。
社会の発展に応じた国民の成熟
今回も「社会と個人の成長関連については、日本社会の現状分析にもからめて、もっと突っ込んだ議論をする必要があるかもしれません。」と述べています。
日本社会も革命権行使の歴史
不破哲三さんは、「日本が三回の封建革命を重ね400年物時間をかけて到達した社会が、中世ヨーロッパそっくりだった」と歴史の法則的な発展を実感させる、ことや、明治維新が′平和的・合法的′な政権交代の可能性を、薩長方がむりやり戦争をしかけ、革命的に打倒して新体制をつくる方式を選んだ。また、アメリカの独立宣言の強烈な革命権など国民が主権者として政治を変革する権利とその実際についてふれています。
スターリンと毛沢東
大量のテロで専制主義を体制をつくった、スターリンが、なぜ、第2次世界大戦では反ファシズムの側に立ちその主役となったのか?は、私の疑問の一つでした。
不破哲三さんは、スターリンは当初はヒットラーの同盟者として行動し領土分割の仲間入りをしていたが。ヒットラーの側は、謀略であり、不意打ち攻撃で思惑がはずれ、反ファシズムの側に立つことになったと、解明されています。
毛沢東については、それまでの都市中心の革命方式を農村から都市を包囲するという、卓見にもとづき成功させたたが、文化大革命などその矛盾ある人物として述べています。
実際の論争とたたかいが日本共産党のぶらない立場を発展させてきた
私(市原)が、入党した1969年は、ソ連共産党や中国共産党がそれぞれ、日本国内に、日本共産党を打倒する勢力を育て、動かしていた時代です。映画サークルの中にも「原爆を落としたアメリカに復讐しなければならない」など、武力闘争をあおる人物との論争をしたこともあります。
不破哲三さんは、こうした「干渉攻撃との論争で鍛えられた」、国内の政治でも日本共産党の見解がいや応なしに問われてきました。と、実際の活動の局面・局面での活動に誠実に進めてきたことは、私の実感でもあります。
日本社会の発展の方向を現実的に根本的に発展させた、古典教室3冊この3冊では、日本共産党と科学的社会主義の立場を、
1、従来の①弁証法的唯物論・史的唯物論の哲学と②資本主義の歴史的役割と限界を解明した経済学、③資本主義・階級社会を乗り越えた、社会主義・共産主義への展望と法則性を明らかにした未来社会論に加え、④これらの理論の根底には、多数者革命へと発展させたマルクス、エンゲルスの、現実の社会変革の運動としての意味を、現代日本社会の中で位置づけた、革命論を全面的に展開しています。
2、日本社会の歴史的発展と現在の具体的な事実にそって、科学的社会主義の立場で明らかにしていることです。不破哲三さんは、すでに、「家族・私有財産・国家の起源」の解説はじめ、随所で展開してきたことで、非常に役立ってきました。
3、また、フランス革命はじめ、科学的社会主義理論が、マルクスやエンゲルス自身、当時の労働者とともにたたかった、中で、生まれ発展してきたことが、当時のヨーロッパ時には日本も含めた事実として生き生きと述べられていることです。
4、なお、不破哲三さんの資本論講座とともに読んだ資本論第一巻(ほとんど分からなかったが)、マルクスとエンゲルスとの書簡のやりとりなど、古典そのものを読む機会を得ることが出来、彼らの人柄や生活など本人と話しているような気持ちになれたのは大きな収穫でした。