マスメディアも都議選での日本共産党躍進に注目。「朝日」大阪本社版25日付は社会面トップで「共産は揚々 他党は恐々/都議選躍進『自・共対決だ』」の見出しの特集記事を組みました。民主党が富山選挙区(改選定数1)での候補者擁立を断念したことを受け、地元紙・富山新聞26日付は1面で「自民対共産を軸とした戦いの構図になることがほぼ固まった」と報じました。
社会面トップ
「朝日」大阪本社版25日付は社会面トップで日本共産党を取り上げ、参院選で議席奪還をめざす大阪選挙区(改選定数4)と京都選挙区(同2)を取材。都議選で当選した17氏と参院選候補が勢ぞろいした東京・新宿駅西口の街頭演説のカラー写真に、「都議選躍進『自・共対決だ』」との見出しをかかげました。
記事は、「『大阪選挙区の議席奪還を必ず実現したい』。24日、共産党大阪府委員会は山口勝利委員長名で異例の談話を出した」で始まり、日本共産党躍進への他党幹部の驚きの反応などを紹介。自民党大阪府連幹事長の高野伸生・大阪市議も登場し、「共産が議席数で民主を上回ったのはビックリした」とコメントしました。
「産経」地方版27日付は京都選挙区について、都議選での躍進に加え、「5月12日に投開票された精華町議選で、定数が4減の18となる中、共産が現有4議席を確保した」と指摘。「かつて『自共の指定席』とされた京都選挙区の議席を奪還できるかどうか、注目が集まる」と書きました。
北海道新聞の見出しは「都議選の教訓 政権批判の受け皿必要」。信濃毎日新聞も同じ趣旨の見出しを立て、こう書きました。
「野党の中では、第3党に躍進した共産党が目を引いた。護憲や反原発、消費税増税反対など、自民党との違いを鮮明にし、反自民票の受け皿となったことが議席増につながったとみられる」
コラムの話題にもとりあげられています。
「毎日」26日付夕刊の「熱血! 与良政談」で与良正男論説委員は、1998年に「野党らしさとは何か」と各党首脳にインタビューした経験から、当時の自民党の加藤紘一幹事長が「これからは自共対決になるかもしれない」と語っていたと振り返りました。「今また同じ状況になっているという気はない。でも再び、野党とは何かを真剣に考えないといけない局面に舞い戻ったのは確かだろう」
「政治に携わる人たちの間で最も関心が高いのは共産党の躍進にある」と書いたのは、スポーツニッポンの「政界ヒソヒソ話」27日付。「自民党の選対スタッフからは『党内論議を煮詰め、いまの日本の問題点に明快な答えを用意している政党は怖い』とみている」とも紹介し、「共産党の議席の行方が、政党政治のありようにもかかわってきそうだ」と結びました。