先日のパナソニック東京支社への要請をこのブログや町政レポートでお知らせしたところ、「莫大な補助金をもらっておいて、閉鎖売却、首切りはひどい」と町内の方々からもお声をかけていただきました。
山下よしき参議院議員が、17日に質問していますのでご紹介します。
日本共産党の山下よしき参議院議員が、17日、総務委員会で、パナソニック茂原工場問題を質問しました。
山下議員のホームページより転載します。
2011年11月17日
電機大手各社が全国各地で事業縮小・工場閉鎖を発表し強行している問題について総務委員会で質問しました。週刊誌でも「テレビショック」「雇用崩壊」と報じられ、雇用と地域経済に深刻な打撃を与えています。
きょうはパナソニックで起こっている問題をとりあげました。
■本社のある大阪のパナソニック茨木工場。3500人の労働者がいたが10月末で生産終了。6月に非正規労働者が切られ、9月末で正社員の3割が希望退職に応じた。残りは滋賀・草津、浜松、宇都宮、富山などに出向。来年4月以降は不明。
■兵庫県尼崎市のプラズマディスプレイ工場。2001年から世界最新鋭の工場を第1、第2、第3と「垂直立ちあげ」。ところが第1工場と2010年稼働したばかりの第3工場を閉鎖する。1000人の期間社員の雇用がどうなるか不明。
■千葉県茂原市の液晶ディスプレイ工場。2011年度内の休止。正社員500人、非正規労働者1000人の雇用が心配されている。
とまあ、あっちでもこっちでも工場閉鎖です。しかし、企業には社会的責任があります。従業員の雇用守る責任、取引先中小企業守る責任、地域経済や環境守る責任があるのです。TVが売れなくなったらいきなり工場閉鎖、こういうやり方が許されるのか、地域活性化担当相でもある川端達夫総務相の認識をただしました。
川端総務相は「企業は利益を上げるのが至上命題ではあるが、雇用には最大限配慮しなければならない」と社会的責任を認めました。
じつは、これらの工場は地元自治体からあれこれの支援を受けている場合が多い。企業立地補助金、法人事業税、固定資産税などの地方税減税、さらには工場用地、周辺道路、最寄り駅の整備などです。
■パナソニック尼崎工場は姫路工場とともに兵庫県から90億円の補助金。尼崎市から固定資産税を免除され続けている。
■千葉・茂原工場は、総額90億円の企業立地補助金を受ける予定で、すでに千葉県から20億3千万円、茂原市から13億5千万円の補助金が支払われている。
地元から「巨額の補助金を受けながら、労働者の雇用と地域経済を守らなくていいのか」という声があがるのは当然です。莫大な支援を受けた恩を仇で返すようなものです。そこでパナソニックグループの事業縮小・工場閉鎖がおこなわれる地元自治体が、これまでパナソニックに対してどんな支援を行ってきたか調査報告せよと提案。川端総務相は「検討する」と答弁。
ところで、地域にとってもっとも深刻なのは雇用です。2001年の電機大手のリストラの際も、訪問した東北地方の自治体首長から「生活の糧を失った人たちが大量に出現する。町全体が暗く沈む、税収よりなによりそれが一番深刻だ」との声を聞きました。今回はそのときよりさらに大きな雇用喪失となる危険があります。
首長も心配し行動しています。
■鹿児島県日置(ひおき)市。パナソニックセミコンダクター日置工場が閉鎖されるというので、市長が京都まで訪問したのに、パナ・セミコンは「先のことは分からない」。結局、600人の労働者は県外工場への配転か、早期退職かを来年1月までに選べと迫られている。
■鳥取県と鳥取市。三洋電機がパナソニックの子会社になったことで雇用が心配と、知事と市長が大阪まで訪問し「事業継続と雇用維持」を要望。パナ関西の常務は「鳥取をどうするかは現時点で結論は出てない」。結局、1200人の労働者のうち450人が県外配転、300人が早期退職を迫られている。
雇用と地域経済を心配する自治体首長に対するあまりに高慢、無責任な態度といわねばなりません。そして、いつも犠牲になるのは労働者です。90年代の空洞化、2001年のリストラ、そして今回と、「危機」のたびに、人員削減と雇用破壊が繰り返され、将来像がまったく示されない、経営者のモラルもありません。
川端大臣も「労働者に責任はない」と答弁。ならば、企業の身勝手なリストラに待ったをかけるべきです。パナソニック1社でもこれだけの大打撃。すべての企業が同じような行動をとれば、大量の失業者が生み出され、日本経済全体が沈没します。政治が放置してはなりません。引き続きこの大問題を、国会で取り上げていきたいと思います。
質問のなかで、委員会として電機大手の工場閉鎖で打撃を受けている自治体の首長の意見を聞くことを提案。藤末健三総務委員長は「理事会で協議する」と受けました。