馴染みの古物商が私を手招きした、4年前の縁日の事。
「見てみ、これ」と大正年間にあつらえたと記された箱の蓋を開けた。
「こんな細かい絵、俺、人数数えたら全部で38人いるねん」
絵柄は清水寺、嵐山の渡月橋、そして御所。
「台が気に入らん、同じ朱色でも違いすぎるし安っけないわ」
「台は買わんでいい、こっちに台だけある」と言って見せられたのは、現在ではあまり見かけないずらせる手法のいい作りである。
近江八景の図柄はステキだが小豆色が不似合いだった。
年に一回だけ行く、終い天神の先月、黒い台だけが並んでいる。
台を持ち上げた瞬間に「××円」と言う店主。え??
「あんた、OOの店いつも行ってるやろ」「ええ」
「あいつや、あいつの友達みんな俺のグループや」
「もうちょっと負けて」「あかん、あいつの知り合いやサカイ安く言ったんだ」
そうか赤にこだわらなけらばいいんだ、 で買った。
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