この日、Aちゃんを迎えに仁川空港まで行った時。
仁川市と仁川空港にどれだけの距離があるかもわからず、
「ソウル市内からバスで1時間半位だから、仁川市からは30分もあれば着くんだろうな」と漠然と思っていた。
仁川市内で記念館を見学した後、待ち合わせの時間に2時間の余裕を持って、
私達は仁川市内から仁川空港行きのバスに乗った。
バスに乗って1時間程、疲れの為かうつらうつらし、「結構時間かかるんだなー」などと気楽に考えていたが、
その内「おいこりゃ2時間あっても辿り着かんのじゃないかい?」と思えてきた。
待ち合わせの時間まで、後40分位である。
慌ててバスの運転手さんに『空港まで後どれ位?』と訊くと
『後、1時間はかからない位かな』と言われた。
マジ?
間に合わないじゃん!
いかん、こりゃすぐにバスを降りてタクシーに乗らねば!!
私達はバスを降り、目の前にやって来たタクシーに返す刀で乗り込んだ。
『仁川空港まで』と言うと、タクシーのあんちゃんはタクシーをぐるっとUターンさせた。
「ああ、やっぱりあのバスはあちこちを回っていくバスだったんだ。乗り換えて正解」とホッとしたのもつかの間、
うちのダンナさんが『タクシーのメーターが上がってないよ』と言ってきた。
見ればなるほど、メーターは真っ黒いままだ。
『タクシーのメーター、あがってないですよ』私があんちゃんにそう言うと
『空港までなら40000Wくれればいいよ』と言われた。
は?
なにそれ?
もしやコイツ、私達が外人だと思ってボる気だな?
そう思った私に火がついた。
『は?そんな話聞いたことないんだけど、みんな本当にそうしてるの?』
『だいたい40000Wなんだから40000Wで送ってあげるって言ってるんだ』
『そんな方法は嫌いだからメーターあげてよ』
『・・・』
『アンタ、こんな方法をとってるって他の人に訊いてみるわよ?今から警察に電話して、このタクシーの運転手がこういう方法で客をとってるって申告するよ』
と、ここでメーターをあげるあんちゃん。
怒りは収まらない。
するとうちのダンナさんが『ボールペン貸して』と言って何やら書き出した。
見るとタクシーの前方に提示してある社員証(日本のタクシーにもありますよね)を見ながら
運転手の名前と番号みたいなものを書いている。
なるほど。
ついでに会社の名前と電話番号も控えとけ。ってんで、メモる私達。
空港に近づくと有料道路に差し掛かった。
『私が出しときますよ』と言う運転手に『私が払います』と宣言し10000W渡す。
おつりをもらって『帰りもここの料金は必要なんでしょ』とおつりの中から同じだけの金額を助手席に置いた。
そんなこんなでなんとか待ち合わせ10分過ぎ位に空港に着いた私達。
かかったお金は39000W程だった。
確かに40000W位だった。
40000Wは必要な距離だった。
やりやり言って、出た差額は1000Wない位。
日本円で130円位のために、わーわー言う事はなかったかも知れない。
でも嫌だったのだ。
知らない場所に行くのに、そんな不確かな方法は不安でしょうがないのだ。
例え運転手のあんちゃんが、親切で40000Wにしといてやるよと言っていたとしても。
40000W以上かかっても、メーターをあげて欲しいのだ。
結論。
基本、韓国人は親切なんだけれども、おや?と思った時は強気に出ても損はしないかも知れない。