11月21日(火)
昨日の勘太郎君、七之助君の
錦秋特別公演はとーっても楽しいものでした。
特に勘太郎君は博多座で怪我をしてから、これが復帰の巡業公演となるので、気合も入っている感じ。
私も、また福岡で勘太郎君の元気なお顔が見れてホッとしました。
今回は
江島生島
芸談
多摩川
棒しばり の4演目。
芸談を除き、すべてが舞踊でした。
ではそれぞれの感想などを・・・
江島生島
まず、舞台上に置いてある舟の上に板付きの勘太郎生島と七之助江島。
もう、ほぉっとなるほどに綺麗なんですー。
江島の七之助君が儚くて儚くて夢のよう。
それが、八丈島のシーンになると、可愛らしい海女姿になって、江島の時とは全然違う雰囲気。
すごーいうまーい。
生島の勘太郎君も、江島と踊っている時は、恋を語らう美少年なんだけど、
八丈島に流されると、片袖はほどけ、髷も乱れ哀れな姿。
やや狂気を感じさせつつ舞う姿は、やはり美しいの一言でした。
最近大奥のドラマとか映画とか流行ってますが、この江島生島事件は
歌舞伎界の中でも大変なスキャンダルだったそう。
大奥の御年寄と歌舞伎俳優のスキャンダルだった為に、歌舞伎の演目の材料にもなっているとか。
今度の映画版「大奥」では、まさにこの江島生島事件がモチーフになっているそうなので、
興味のある方は観られる事をオススメします。
芸談
芸談って何?って思っていたら、普通にトークショーでした。
司会の女性と勘太郎君、七之助君で進んで行きました。
まずは勘太郎君から怪我で休演した事のお詫びと、また福岡に戻ってくる事が出来て嬉しいとの言葉。
怪我をした地だからこそ、こうやってまた来る事が出来て、本当に嬉しいと何回も仰っていました。
それから、客席の皆さんに質問コーナーになったのですが、
「その前に僕から質問していいですか?」と勘太郎君。
「今、九州場所あっていますけど、観に行かれた方は手を上げてもらえますか?」
会場にチラホラと手が上がっているのを見て、
「あー、少ないですねー。僕ものすごくお相撲が好きなので、九州場所があっている福岡に歌舞伎をしに来れてすごく嬉しいんです。明日お休みだったら、絶対観に行ってますよ」ですって。
そんなにお相撲が好きだったなんてね。
私も国際センターの前までは行ったんですけどね。昨日。
お相撲は・・・最近観ないなぁ。
なんだか素顔に触れた感じでした。
で、本題の質問コーナー。
「お二人の趣味はなんですか?」
「サッカーで頭突きが問題になりましたが、お父様から頭突きされたらどうしますか?」
「兄弟でのラブシーンはやりやすいですか?やりにくいですか?」
「今年は同じ渋谷でコクーンとパルコに別れていましたが、意識していましたか?」
などなど、色んな質問に答える2人。
最後にお婆ちゃまに当たったのですが、
その方は82歳で、先代の勘三郎さんからずっと中村屋を観て来ているそう。
「先代の『お祭り』での流し目が忘れられないのよ」と、嬉しそうにお話されていました。
質問ではなかったのですが、その方のお話で会場全体がとってもいい雰囲気になりました。
私も大好きな染様の子供、孫の代まで観続けて
「先々代の染五郎が大好きだったのよ~」なんて言ってみたいです。
これぞ歌舞伎の醍醐味ですよね。
多摩川
中村屋のお弟子さんと澤村藤十郎さんのお弟子さん2人が出演。
多摩川で木綿を晒す様子の舞踊でした。
後半、さらしを振る振り付けがあったのですが、白いさらしがフワフワと舞って、
それはそれは綺麗でした。
棒しばり
これは狂言を歌舞伎にした作品で、それ故にとても楽しい演目です。
いつも主人の留守中に、酒ばかりを飲む召使い2人。
またもや留守の用事が出来た主人ですが、どうしても酒を飲ませたくなく、
一計を案じて召使い2人の手を縛ってしまいます。
1人は棒に両手を縛られ、1人は後ろ手に縛られるのですが、
どうしても酒は飲みたく、なんとか縛られたままで酒を飲もうと画策します。
見事酒にありついた2人は、機嫌も良くなり縛られたままで舞まで舞い始めます。
そこへ主人が帰って来て、2人は許しを請いながら逃げていくのでありました。
もう何も考えなくても、ただただ楽しい舞踊なので、会場も大盛り上がり。
棒に縛られた勘太郎君が、扇を左手から右手に投げて受け取るしぐさは、
失敗はしたものの、それが却ってお客さんの気持ちに火を付けたようで、
後半はずっと手拍子でした。
会場が一体となるグルーヴ感!これぞライブ!これぞ芝居!
本当に楽しい公演になりました。
今日は長崎、明後日には沖縄ともう少し公演が残ってますが、
どうぞ今回は怪我なく、最後までステキな舞台になるように祈っています。
そしてまた、福岡に来てくれる事を願っています。