5日前になりますが、
読響アンサンブルシリーズ
中川賢一と読響メンバーによるライヒ&メシアン
(よみうり大手町ホール)
早い段階で完売のなか、大盛況のうちに終えることができました。
プログラム
ライヒ:クラッピングミュージック
ライヒ:ダブルセクステット
メシアン:世の終わりのための四重奏曲
この中で私はダブルセクステットとメシアンで参加させて戴きました。
読響の本当に素晴らしいメンバーの皆様との夢のような時間でした。
エネルギーを非常に使う公演で、燃え尽き症候群で5日間FB記事アップもできずにおりました。
「中川賢一と読響メンバー・・・」というのは本当に申し訳ないというか、読響のメンバー、ないしライヒの二台ピアノのパートナー小坂圭太さん、音響の有馬純寿さん、サポート頂いた読響の事務のOさん、ステマネのAさん、ほかお世話になりました全ての皆さんで作ることができた素敵な時間、空間であったと思います。
読響のメンバーの皆さんの演奏の素晴らしさが感動的で、本当に練習熱心で、曲の本質に迫るべく沢山の意見交換もされていて、音楽への凄い熱意を感じることができたのが素晴らしかったです。事務の方からもお聞きしましたが、このリハーサルの前からオーケストラ公演の合間にも皆様が頻繁に練習なさっていたとお聞きいたしました。
それに加えて、メンバーの皆様のお人柄が本当に素晴らしいです!
ライヒのような曲は、本当に細かいところを合わせていくために、ややもすると色々大変なやりとりになることもあるのですが、いつも読響のメンバーの皆様が、そのお人柄と知恵、機転を利かせて素敵な方向へ持っていっていただき、とても楽しい、良い雰囲気の中で確実なリハーサルを進めていくことができました。
メンバーの皆さんが若い方ばかりで、エネルギーと勢いがあり、非常にポジティブ、前向きな方向であったのも感激でした。
このようなプログラムをオーケストラのメンバーの室内楽コンサートで普通にできるようになったのは、凄い時代になったのだ・・・と思いました。
今回も私自身、まだまだ勉強不足、至らないところが沢山あった・・・と思うのですが、読響メンバー、小坂さん、有馬さん、事務局の皆様に本当に助けられてここまで来ることが出来たことに改めて御礼、感謝を申し上げたいと思います。
演奏会には桂冠指揮者のカンブルランさんにご来場いただき、前半が終わった後すぐに各々の演奏家にコメントをしていただき、後半のメシアンの後にもまたコメントにきて頂きました。
とても喜んでいただき胸を撫で下ろしました・・・
コンサートは、まずは開演前に当日演奏する曲の解説を鈴木美潮さんの素敵なナビゲートのもとに20分ほどお話をさせていただきました。
お客様に真剣に聴いていただき、沢山笑っていただき嬉しかったです・・・
コンサートは完全暗転の中で板付、照明オンと同時にスタートしたクラッピングミュージック西久保さん、野本さんの素晴らしい演奏から始まり、ライヒのダブルセクステット。これはほとんど全ての小節の早いパルスの拍子が変わり、そしてほとんど変拍子なので、指揮者を必要とすることが多い曲なのですが、今回は指揮者なし日本初演でした。
二群に分かれた六重奏(ヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット、ピアノ、ヴィヴラフォン)が常に対峙しながらプログレロックのように変拍子グルーブを突き進むのですが、指揮なしだとややもすると途中で演奏するところも見落としがちな曲なのですが、読響のメンバーの皆さんに素晴らしいグルーブと共に素敵なサウンドを醸し出していただきました。
これはなかなかできないことで、読響のメンバーの皆様の凄い事前の個人練習と普段からの結束力があってこそと思いました。
ちなみにこの二台の、ピアノパートは譜面を見た感じでは一瞬それほど大変そうではないのですが、実は自分が演奏したライヒの中では相当大変な曲で、パートナーの小坂圭太さんとは8月から練習を始めて、何回となくリハーサル致しました。
そうでなければ崩壊していたと思います。根気よくリハーサルにお付き合いいただき感謝致します。
また、この曲はすべての楽器をマイクで録って、それを増幅してバランスを取って右左の両サイドからミックスした音を出さなくてはならないのと、ちょっとしたパルスの違いが命取りとなるので、パルスパートの音のメンバーへの返しの音のモニタースピーカーからの音量調整もとても重要なので、その全ての音響関係が非常に要なのですが、いつもお願いしており、かつこの曲を熟知している有馬純寿さんにお願いできたので、非常に安心して音楽に集中することができました。
この音響がとっても重要なのです!そのこともプレトークで話すことができました。
パルスパートは二台ピアノと二台ヴィヴラフォンなのですが、読響の西久保さん、野本さんが本当にお人柄ともに素晴らしく、ピリピリしがちなものなのですが、素晴らしいコメント、アドバイスによってよいグルーブを出すことができたのではないか思います。
中間のメローなフレーズは、弦、管の皆さんが本当の美しく、泣きそうになりました。(世の終わりのメンバー、對馬さん、高木さん、芳賀さん、倉田さん、片爪さんブラボー!)
演奏終えて、沢山ブラボーもいただき、本当に感無量です。ただただ素晴らしいメンバーと共演できたことに感謝致します。
後半のメシアンですが、読響の首席奏者のヴァイオリン瀧村依里さん、チェロ遠藤真理さん、クラリネット金子平さんとの共演でした。
3人の皆様が本当に素晴らしく、この3人の非常重要なソロがあるこの曲を、最高な位置で聴かせて頂いたと思っております。
間近だと尚更全ての方の想い、音の膨らみ、色彩、細かなニュアンスが伝わってきて、本当に幸せな時間を体験させて頂いたと思いました。
4日間のリハーサルですが、読響の事務局へも毎日多めの時間を希望させて頂いてしまったのですが、全ての日が予定のリハーサル時間をこえてリハーサルをして、何回もさまざまなところをくりかえし、どこまでもこの曲の深いところまで行くことができるかということを全てのメンバーが真摯に音で語り合いながら進めてきた時間はかけがえなく、また、それだけこの曲へかけるエネルギーの凄さをひしひしと感じることができた幸せな時でした。
リハーサルはいたってなごやかで、笑いもありの素敵な時間でしたが、一旦音を出した時の音の、音楽の力の凄さは圧倒的でした。
2年間アウトリーチで沢山共演させて頂き、またそれがきっかけにもなって今回のコンサートになることができた瀧村依里さん、この曲の最後を飾る素晴らしい天に登るソロは私も天に登る事ができた気持ちになりました。
えりちゃんありがとう!えりちゃんとアウトリーチをしてなければこのコンサートはなかったかもしれません!
チェロの遠藤真理さんは、もう相当前からテレビからラジオから拝見拝聴しておりましたが、今回初共演できて夢のようです。とっても気さくに接していただき、本日に素敵な方なのですが、一旦音を出すと凄く濃い音と音楽が、ピアノの位置にいるとチェロの裏板からびんびん伝わってきて、感動しまくりでした。
クラリネットの金子平さんは昨年ポリーニプロジェクトでシャリーノの曲を共演させていただいたのですが、その時はたった一つの特定の音を0発信からpppp?ppp?までのクレッシェンド、デクレッシェンドをただただ繰り返すという、シビアなパートの曲を素晴らしく演奏されていたのですが、今年もその繊細な表現がクラリネットソロの曲では特に神がかっておりました。
本当に近くで聴くことができて感激でした。
全くの静寂で終わるこの曲も、そのあとの沢山の拍手、ブラボーもいただき、ただただ感謝です。
こんな素晴らしいメンバーと共演できたのは宝であり感謝でしかありません。
今回のプログラムは読響のOさんからの提案で、それがなければ今回の濃いプログラムは実現しなかったと思います。特にライヒのダブルセクステットは練習場、経費、メンバー、あらゆる事を考えれば考えるほど思いつかなかったと思います。
Oさんブラボーです!
有難うございました!
あと、ステマネのAさんはリハーサル始めから、この複雑な配置のものを常に非常にスムーズに配置、転換など細かい配慮でしていただいたお陰で、音楽に本当に集中できました。
読響オーケストラ練習場でのリハーサルは素晴らしいマイクで毎回録音していただいており、リハーサル直後にクラウドに音源を上げて頂き、すぐにとても素晴らしい音質でリハーサルを聴いて振り返ることができ、翌日へ建設的、効率的なリハーサルに向かうことができる、夢のような環境にしていただきました。なかなかそのようなところはないのではないでしょうか??
Aさん有難うございました!
改めて思い返すに、今回は読響でなければできなかったのではないかと思います。
まずダブルセクステットのような巨大な編成のものをリハーサルするには、二台ピアノがあり(なんと読響練習場にはスタインウェイのフルコン二台)ヴィヴラフォン二台が必要で、またそのほか8人の奏者がピアノ二台ヴィヴラフォン二台を囲むことができる会場が必要で、それも狭ければかなり耳にきついので、出来るだけ大きな会場が望ましく、それに連日しっかり有馬さんにおいで頂いて、マイクを全ての楽器に対してたてて、音の返しのモニターも設置して、返しを出しながらリハーサルできる環境を4日間連続で出来る環境はほとんど難しいと思います。
これをまともにメンバー集めからして、12人の演奏家と音響のエンジニアのスケジュールを抑えて、これだけの会場を借りて、楽器も借りて、音響機材もエンジニアも調達したら、とんでもない額のお金がかかっていたことと思います。
毎日高価なマイクで録音をお願いして頂いていたら尚更です。
それが、読響は素晴らしいマイクで録音もできる独自のオーケストラの練習場を持っているために、ある意味軽々とこのようなことができるのは、夢のようです。
本当にこのような機会をいただいた事に感謝してもしきれません。
打ち上げも沢山のメンバーにおいで頂き、ベルギービールで楽しくお話しができました。
チェロの高木さんとは桐朋在学中のライヒ演奏の話を聴いたり、芳賀さんは現代音楽がお好きで、私がシュネーベルの指揮者のソロの曲を聴いた?見たことがあるとお聴きして感激しました。
長くなりましたが、あまりにも幸せで楽しかったので、自分の記録のためにも書かせていただきました。
素敵な余韻を胸に・・・
読響の皆様、事務局のOさん、ステマネのAさん、小坂さん、有馬さん、関わっていただきました全ての皆様。
有難うございました!!!
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