天才と言われる方は沢山いるかもしれませんが、それは時には誇張されることもあるかもしれませんが、私はこの時は本当に世の中には天才がいると感じた時です。
学生の時にヒンデミットのヘッケルホルンとヴィオラとピアノのためのトリオのレッスンにご自宅に伺いました。
先生は初めて見る譜面でした。
一回通した時は真横で譜めくりをしていただきました。
一旦演奏を終えると、また最初から演奏するように仰られました。
先生はピアノの窪みの方に行き、我々が弾きだすと、私の方を見るような角度から、楽譜の反対側から、つまり楽譜自体を見ずに向こう側から譜めくりをしていただきました。
その時は緊張のあまり、その凄さよりも弾くことに必死でしたが、後日先生に会うたびにその話をすると「忙しいので、そうでもしないとやってられないのよ」というようなご返答をいただいておりました。
一回譜面を見ただけで曲を覚え、どこが譜めくりかもわかって、楽譜も見ずに譜めくりすることが人間に可能なのか。写真のように一種で楽譜を覚えてらっしゃったのでしょうか。
他にもご一緒させていただき、凄かった話が沢山ありますが、本当に間近に接することができた時間は、どう考えても天才としか思えないことが沢山ありました。
語り尽くせない尊敬と感謝を込めて。
今まで本当に有難うございました。
ごゆっくり天国でお休みください。
藤井一興先生。
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