昨日まで、柔道の世界大会が開かれていました。
日本の金メダルは個人の3つ。
団体は男子で銀、女子で銅でしたね。
いずれにせよ、選手それぞれが精一杯の柔道をした結果ですから、とりあえずはお疲れ様と言いたいです。
柔道は日本の武道の中でも、おそらくもっとも広く国際化されていると言っても過言ではないでしょう。
柔道を通して日本文化を知る人もいるんでしょうから、それは決して悪いことではないと思うんです。
ただ、柔道は今、世界に向けて本当に日本文化を伝える役割を果たしているのでしょうか?
柔道は、いわんや武道は、究極的に言えばもともとは武士の戦(いくさ)のやり方=兵法だったものがほとんど。
つまり、勝ち負けがそのまま生死につながっていたもの。
武道が礼を重んじるのは、勝つことと弔うことが常に隣り合わせだったからに他なりません。
もちろん、今は(本当の意味で)命をかけて武道に取り組んでいる人はいないはずですが、そのことは武道に取り組む精神として受け継がれているはずなんです。
そして、それは日本文化のもつ一面でもあります。
しかし、国際化が進んだ柔道には、別の考え方が流れ込んでいて、精神性よりも重要視されてきているように見えるのです。
それは、競技性とテレビ写りです。
テレビ写りのために替わったもっとも最たるもの、それはカラー道着の導入です。
従来は段を示す帯(国際大会に出るような人は有段者だからほぼ黒帯)に白か赤の帯をつけて区別していました(日本国内の大会では今でもそうです)。
それが、テレビに映ったときに区別がつけづらいという理由を主にして替わったんだろうと思ってます。
まぁ、確かに見やすくなった。
白の道着にきっと意味があったんだろうけど、替わることの意義もあった。
しかし、競技性の高まりは、柔道の大事なものを失わせていると感じざるを得ません。
柔道には、一本、技あり、有効、効果という判定があります。
でも、基本は一本を取ることにあると思うんです。
上に書いたとおり、元は命のやりとり、完全に仕留めきれないことは、翻って自らの危険を意味しているからです。
そして、一本を狙わないと言うことは、相手に対して本気で向き合いきれていないということになり、失礼に当たるからです。
ところが、世界の柔道は、明らかにポイント(効果が0.5、有効が1、技ありが5、一本が10みたいな)を積み上げて、うまく決まれば一本という考えが見え見えです。
だから外国の選手は掛け逃げみたいなみっともないことを平気でする。
延長ゴールデンポイント制なんていう、冒涜としか言いようのない制度が生まれる。
ジャパニーズ格闘技ショーじゃないか、これじゃ。
ボクは小4から高校の引退まで、約8年剣道をやってました。
以前は国際的に認知されている柔道を羨ましく思ってましたが、剣道の精神性が何となくわかってきた今では、それも善し悪しだなと思えるようになってきました。
日本剣道連盟と、それが中心になっている国際剣道連盟もそんな風に考えているようです(ちなみに世界大会はあります)。
しかし、韓国が中心となっている世界剣道連盟は、いろいろと合理化を進めた上で柔道並みに剣道を拡げていこうと考えているとかいないとか。
勘弁してほしい。
文化までは失いたくない。
ちなみに剣道の試合で、勝ったからと言ってガッツポーズをすると、たとえささやかなものであっても勝ちが無効となり反則負けになります(柔道もかつてはそうだったんじゃないか、と邪推)。
理由は「相手を敬う心構えに反しているから」。
勝っておごらず、負けて腐らず。
大事にしたい、日本の精神性です。
☆毎月3のつく日はスリムの日☆
・・・でしたが、今日は宿直勤務。
職場には体組成計はおろか、正確に測れる体重計すらないので、出かける前に自宅で、と思ってすっかり忘れてました
あしたに延期ってことで。