夕暮れ、高幡山金剛寺、
今年は何軒か小さなパン屋を作る、或いは居抜きを改装する。こんな仕事が多くなりそうで、少しワクワクして来ています。小さくても、商品は本物、美味しさをとことん追求した商品だけを並べる、そんなパン屋を創り上げたい。
たいして美味しくもない食パンで行列ができる、こんな不思議な光景がある。本物でないが本物らしく見せる技、売る技、思い込ませる技、これに長けた人間が多い事。まさに自動車がそうだが。学生時代に乗っていた「カローラ30」で強くブレーキを踏んだら、ブレーキペダルのシャフトがひん曲がって、床に着いてしまい、ブレーキが効かなくなり、シフトダウンとサイドブレーキで車を止めた経験があります。アメリカでは死亡事故にもなり、問題になりました。
ただ、美味しさだけを追求していたら生産性は悪く、労働時間だけが長くなる。それで美味しさと生産性の良さを兼ね備えた商品作りと工程構築が必要となる。天然酵母だけでは長時間労働になる、またクラスとは硬く、厚くなる。ここにイーストとモルトを加える事で発酵時間は短く、工程は柔軟になり、冷蔵耐性も備える。その結果、クラストの梨肌は消え、薄く、パリッとしたパンになる。多少イビスアジュール を使えば冷凍耐性も出てくる。ターゲットはどこか。天然酵母なのでクラストが厚いのは当然?違うでしょ。やはり厚くてバリ、より薄くてパリッの方が食べやすいし、美味しいと感じるのでは?固く、厚く、ゴムのようなクラストを好む人は少ないでしょ。