本日の一枚、気になる雲の動き、
熱暑の東京
色で表面を繕い、チャラチャラテカテカしたカラー写真、綺麗ね!綺麗!
このワイン、飲み易い!
これと同じでしょ。飲み易いは褒め言葉では無い。飲み易いワインはジュース。アルコールの入ったジュース。深い風味は無く、口の中で主張する豊潤な香りがなければ、喉を通る時のなんとも言い難い味の七変化も無い。口の内部の粘膜を覆い、長い余韻で間を持たせる贅沢な時間が生まれない。
飲み易い=「安ワインですね」といっている事と同じで、「単なる綺麗」=芸術性が感じられませんね。ですね。
プロ写真家の中にもモノクロは「カラーで撮って色を抜けばいい。」と言っているアホな者もいる。良くyoutubeに出ているY氏だが。
モノクロとカラーではモノクロの白の質が明らかに異なる。黒の質感も、黒の中にモノクロには諧調がある。カラーで撮って色を抜いただけではこの質感の違い、諧調の変化は表現できない。
そのため撮影する時のカメラの設定は大きく異なる。絞り、シャッター速度、露出補正、全て変わる。色で誤魔化していた部分を黒と白の諧調変化で表現するのだから当然のことですが。プロでもそれが理解できていない者がいる。残念。
1986年2月から4年間パリにいたが、この時は毎日子育てと仕事で写真を撮っている余裕が無かった。毎週末はフランス各地を訪れレストランとパン屋の調査であったが、全行程の運転と家族サービスで風景を撮ることも無かった。
あの4年間に撮っていたら、それもモノクロで。
後悔先に立たず。
本当に美味しいワインは生活を豊かにする。モノクロ写真も同じで、壁に一枚掛けてあるだけで雰囲気は変わり、余裕が生まれる。