高尾駅近く、今日は常磐線金町まで行く予定でありました。この雪なので迷っています。
天然酵母を看板に掲げたパン屋は数多く存在します。が、本当に自社で、自店で種を起こし、種を継いで、管理しながらパンを作るベーカリーがどれだけあるか。本来自身で種を起こして、継ぐ、これがルバンであり、日本語では天然酵母のはず。日本では法律が整備されてなく、曖昧な天然酵母という言葉が使われ、本来の天然酵母=ルバンではない偽りの製剤までもが天然酵母で販売されている。
フランスでは、ただ冷凍生地を焼いているだけでは、Boulangerie とは名乗れない。ただ、無発酵生地でも小麦粉からパンを作れば Boulangerie ではある。パンは発酵があってはじめて風味があるパンに成るのだが。ヨーロッパでは人件費が高騰しだした1980年代初めから無発酵でパンを作ることが主流になった。フランスではバゲット1本3フラン程度販売しなければならず、時間をかけていられない事情もあった。
しかし最近は無発酵バゲットでは満足できない人たちが増え、発酵種を使用したバゲットを焼くBoulangerieが増えている。また高くても風味の良いバゲットを求める消費者が増えていることも事実。フランスでもやはり風味の劣るパンはいずれ少なくなるのか。
少なくても、ストレート、60分発酵後パンチ、その後更に30分発酵の標準ストレート法でなければ美味しい食パンはできない。柔らかくシットリした内相、しかし中種法の食パンのようなクチャ付きは無く、トーストしたときの香ばしいパンの香りが広がる、理想的な食パンと成る。大手ホールセールのパン屋は更に湯種を使い、ねっとりした食感を出すようになった。其の分香りは更に少なくなっている。
リテールベーカリーの中にも、湯種を使った食パンを出している所があるが、リテールが大手ホールセラーと同じ事をしても勝ち目は無い。その反対に位置するストレート法のパンを作り、其のパンを好むお客様の心を摑む事のほうが生き残るには良い方法であると確信しています。