Pains パリの味

パン屋、ベーカリー作りを応援します。

ベーカーテクノサービス

2015-01-30 11:38:18 | Weblog

高尾駅近く、今日は常磐線金町まで行く予定でありました。この雪なので迷っています。


天然酵母を看板に掲げたパン屋は数多く存在します。が、本当に自社で、自店で種を起こし、種を継いで、管理しながらパンを作るベーカリーがどれだけあるか。本来自身で種を起こして、継ぐ、これがルバンであり、日本語では天然酵母のはず。日本では法律が整備されてなく、曖昧な天然酵母という言葉が使われ、本来の天然酵母=ルバンではない偽りの製剤までもが天然酵母で販売されている。

フランスでは、ただ冷凍生地を焼いているだけでは、Boulangerie とは名乗れない。ただ、無発酵生地でも小麦粉からパンを作れば Boulangerie ではある。パンは発酵があってはじめて風味があるパンに成るのだが。ヨーロッパでは人件費が高騰しだした1980年代初めから無発酵でパンを作ることが主流になった。フランスではバゲット1本3フラン程度販売しなければならず、時間をかけていられない事情もあった。

しかし最近は無発酵バゲットでは満足できない人たちが増え、発酵種を使用したバゲットを焼くBoulangerieが増えている。また高くても風味の良いバゲットを求める消費者が増えていることも事実。フランスでもやはり風味の劣るパンはいずれ少なくなるのか。

少なくても、ストレート、60分発酵後パンチ、その後更に30分発酵の標準ストレート法でなければ美味しい食パンはできない。柔らかくシットリした内相、しかし中種法の食パンのようなクチャ付きは無く、トーストしたときの香ばしいパンの香りが広がる、理想的な食パンと成る。大手ホールセールのパン屋は更に湯種を使い、ねっとりした食感を出すようになった。其の分香りは更に少なくなっている。

リテールベーカリーの中にも、湯種を使った食パンを出している所があるが、リテールが大手ホールセラーと同じ事をしても勝ち目は無い。その反対に位置するストレート法のパンを作り、其のパンを好むお客様の心を摑む事のほうが生き残るには良い方法であると確信しています。

初詣

2015-01-28 17:45:45 | Weblog

高尾山薬王院 奥の院

昨年12月に、右膝靭帯と半月版を痛めて歩行困難であったため、初詣が今日になってしまいました。新しいカメラの試運転を兼ね、ケーブルカーの世話になり、階段を出来るだけ登らずに。しかし、奥の院は階段を上がるのが必須、下りの階段が怖いこと。

未だ慣れぬカメラで、全てautoで(1枚を除いて)、全ての機能をマスターするには何日かかるか。ボケ防止のため始めたパソコンにカメラが加わり、多少効果が出ることを期待しています。

靭帯と半月版を負傷したまま中国へ出張に行き、現地で日本製の足踏み式のシーターを毎日使っていたため、損傷が大きくなったようで、帰りの飛行機の中で膝がはれ上がり、羽田に着いた頃には激痛が。




40年ぶりの一眼レフカメラ、やはり面白い。

シャッターを押すだけで綺麗な写真が撮れる今、敢えて面倒な一眼レフカメラが必要なのか?写真のプロでなし、カメラに凝ってもと、この2年間考えた挙句、手を出してしまった。

パンも同じで、簡単な冷凍生地を焼くだけのベークオフ・ベーカリー、配合も製法も考えず済むミックス粉の使用。発酵時間は全く無いか、あっても短時間で、どちらもそれなりの商品となり、陳列され、お客様が購入し、食す。その満足感は?ドーナツに関してはミックス粉に勝る物は無いが。

一方、小麦粉から作るパン。計量、ミキシング、発酵、分割・丸め、ベンチタイム、成型、ホイロ、焼成と工程を踏み、やっと製品になります。その他天然酵母の使用(市販の天然酵母ではなく)、長時間発酵や、冷蔵庫・ドゥーコンでの発酵・生地保管後の成型など巧みに製法開発と工程管理を行います。これらの方法は労働時間の抑制、焼き上がり時刻の調整など風味改善以外にも効果が出ます。

パン作りの面白さは後者ですが、商売となるとどちらが楽か、それは明白です。しかし、長年ベーカリーを維持、さらに発展させるには、どちらでしょうか。

パン屋作り、ベーカリー開業

2015-01-20 16:51:27 | Weblog

シュトーレンの試作、中国天津で

パン屋は外から見ると、素晴らしく良い商売に見える様で、異業種からの参入が多く、また個人でも、パンが作れなくても、ベーカリーを開業したいと、相談があります。いまだに。

パンとは、小麦粉、塩、水で生地を作り、発酵させ、焼成したものと定義されています。フランスパンがこの配合に最も近いでしょうか。今はこの配合にグルテンを強化するビタミンCと澱粉をブドウ糖に変えて発酵を持続させるモルトを加えることが普通ですが。

パンは香りが命、ただ最近は香りの無いパンが増えました。湯種を使用した食パンが多種販売されています。日本人のこだわるシットリ感を出して、しかも長く柔らかさを保つため。しかし香りは犠牲にしてしまいました。

日本人はヨーロッパ、アメリカの人たちより唾液が少なく、シットリした食感を好みます。米もコシヒカリが多くなり、其の食感に慣れると更に水分保持の良いパンが好まれるようになり、湯種食パンが主流となる下地を作ったと考えます。その為、今日本人の嗜好、食感の好みを満足させるには多種多様な食パンが必要に成ります。どこのパン屋さんも食パンの種類が増え、多くの好みに対応できる商品構成になっています。外国産小麦、国産小麦、減塩、糖分量、天然酵母発酵、全粒粉、ライ麦入り、角型、山形、長時間発酵、中種、ストレート法、これら単一又はこれらの組み合わせで多種多様な商品を作り出します。日本のパン屋はすごい。

こんなパン業界に素人が参入してどうしますか?どうなりますか。食パンを見ただけでもこんなに異なるパンが出来る要素が在ります。まだまだ他にも差別化のための方法があります。

素人のパン作り、プロのパン作り

2015-01-14 11:37:37 | Weblog

ドンクのGallette des Rois

パン作り、趣味で作るなら、2~3日あれば幾つか出来る?ようになります。これを商売にするとなると、1週間や2週間では到底無理です。商売とはお金を頂くこと、そうであれば買ったお客様が少なくとも満足できる商品でなければならない。

経験1年にも満たない程度の技術と知識でベーカリーを始める方を見ますが、其の度胸には感服します。何処に店を出す自信が潜んでいるのか。

材料知識、製パン知識と理論的な裏付け、温度(生地温度、室温、発酵室温など)と発酵時間・熟成時間の関係、品質を決定する様々な要素がどれだけ在るのか。配合・製法、製造できるアイテム数。10年経験してやっと認められる世界で、どうやって生き残りを賭けて、経営して行くのか。


昨年末、中国での講習風景

此処2年ほど中国での仕事を断っていましたが、昨年末断りきれず引き受けた講習。未だに材料が無く、在っても粗悪で、引き受けるには覚悟が必要なこと。出来もしないくせに大きな事を言う、これぞ中国人かと諦めながら、慣れぬ材料で行う試作と講習。

モルトの重要性が判らぬ者共へ、何度も繰り返し其の効果と高品質へのこだわりを説きながら、クロワッサン、デニッシュペストリー、食パン、シュトーレンを見せ付けた。本物のクロワッサンがどんな物か分かったか。小麦粉が枯れていること、其の度合いが半端じゃないこと、薄力粉が強力粉並みの淡白を持っていること、小麦粉の香りがしないこと、粒度が不均一であること、袋ごとに別の粉であるかのような大きな差があること、これまでの中国での講習で分かってはいたが、何しろ酷い。

技術と知識の蓄積の無い中国で在っても、素人ではベーカリー経営は困難であろう。日本の機器は精度が高く、ドゥーコンを例にとっても、温度、湿度のコントロールが間違いなく出来る。素人でも生地さえ上手く出来ればどうにかなる。(一部冷蔵庫メーカーは別だが、ドゥーコンはベーカリー機器専門メーカーに限ります。)しかし、中国のそれは全く信用できない。刻々変わる温度、湿度。これをスィッチのON,OFFとドアの開け閉めでコントロールしながら、作業を行う。こんな環境は日本のベーカリーでは体験できない。

食品衛生の知識も在るのか、無いのか。食品を作る、売る、これは商売だから当然努力する。しかし、食品衛生は商売に必要ではない、そう考えているのだろうか。中国では。小さな店は何処も例外なく汚い。

そんな国に食品加工の工場を置いて、良いものか。確かにこれまで見た大工場の設備は紛れも無い最新鋭の機器で構成され、工場の管理も良くできていた。しかし、作る人間のモラル、これは改善できていない。昭和20年代の何も無い、敗戦国の日本であっても、もっときれいで、衛生的で、しかも人間は比較にならないほど高いモラルと他人への心遣いが在った。


マック、ただ今店内ガラガラ、12時前後の店内

2015-01-13 11:45:49 | Weblog
この2~3年サービスの低下が気になっていたが、(レジでの応対が)従業員全体の質の低下が隠れていました。その為、お客様殻の苦情を蔑ろにし、更に企業としての対応にも真剣に取り組む姿勢が見られない最近のマックとして映ります。

これまで値引きや価格破壊など、安くすることがサービスであるかのような企業体質を見せ付けられてきましたが、其の背後にはお客様をお客様としてみていない、企業風土がどこかで醸成されていたのではないか。

これまで厳しい品質管理と安全、徹底した食品衛生管理をうたってきましたが、中国での鶏肉問題そして今回の異物混入事故の連続発生と其の対応の不味さ。これだけ噴出してはこれまで言っていたこと全てが嘘に成ってしまう。信頼をどう回復するのか。

ファストフードだから安く商品を提供する?その必要性は本当に在るのか。安いだけでは。安さと安全が両立できるレベルがあるのでは。それを崩して良い商品が供給できるのか。それを追求する姿勢には感心するが、限度を超えているのではないか。

ただ、報道にも問題があるのでは。

北海道出張

2015-01-10 11:03:33 | Weblog

小樽の有名なパン屋さん Aigues vives エグ ヴィヴ



Aigues Vives 前の風景

小樽にある有名なパン屋、エグヴィヴ。こんな所にパン屋が在るのかと思う立地の悪さ。あいにく休みで、お目当てのパンを見ることが出来ませんでした。次回は気候の良い夏にうかがいます。札幌だけでなく小樽の外れまで案内して頂きました。1月中旬から忙しくなるので、最も時間のあるこの時期を選びましたが、北海道は大雪で行きの飛行機は天候調査のため、1時間遅れ、帰りも到着便が遅れ40分ほどの遅れ、クラスJにも座れず、久しぶりの疲れた旅に。

今回は札幌のパン屋、洋菓子を巡ることが目的で、特にMoulin de la Galetteの店舗を見たいと思い急に行動しましたが、既に其の店舗は営業を休止していました。写真を見て興味が湧き、どうしても見たい店舗であったので残念。



小樽の有名店、なると、寿司と若鶏の半身丸揚げ、奇妙な鳥合わせ。鳥の半身丸揚げ美味しかった。年寄りには少しボリューム過大。



札幌、赤レンガテラスにある、 péché grand ”大きな罪”という意味だそうです。pêche grande 大きな桃だと思っていました。

¥500のモーニングサービスが良い。500円で、フレンチトースト好きなだけ、ゆで卵(半熟でちょうど良い)1個、ジュース又は牛乳、コーヒー、これに更にケーキが1品付きます。このケーキが本当に美味しい。前日はオペラを頂きましたが、これがパリで食べていた味とそっくり。驚きの美味しさでした。今日はアップルパイにしました。
概観、店内もフランスのスタイル其のまま、接客の良さと相まって至福のときでした。

場所は、赤レンガの北海道庁旧庁舎の前、



北海道庁旧庁舎


今日が実質的に仕事始め、昨年は仕事をし過ぎた感が有り、今年は少し控えめにしたいが。